夢を見てた
行ったり来たりする時計の振子は
正と負の引き揺らしを
背負っているのだろうか、と考えてみて
なんと答えが出た?

注ぎ足したはずの水を飲んで無駄にして
ペットボトルの水量はい ....
昔MACARONIがあった
MACARONIを知らないものはいなかったけど
お腹に収めるものとして知っていはいた
食べたことはなかったみんな
存在として歴史に残っていた

私のここは何処か ....
変えようのない過去を振り返らない事はない
ある日突然思い出し、ああ、と声を出し茫然とするだろう
自責に頭をも抱えるかもしれない
罰された思い出とともに蘇ったり
何者にも知られない秘匿として隠し ....
あわただしい厨房からようやく出てきたカキフライを
口蓋を火傷しながら詰め込み食べ
待たされた客はそれでいて味が分かった顔で頷きながら
口ぎたない罵倒もついでに口から飛び出して

熱々の油に浴 ....
{ルビ彼=か}の色は何色か
問われた時にパッと浮かんだ太陽の色
光輪を背負い照っている

強烈な太陽は影を濃くするが
光は
陰に湿っている者共のため
柔らかな陽ざしを持ち影を薄くする
 ....
現実に哀れまれている人を見よ
彼らはいかにも自由そうではないか
その言論を封鎖されもせず
気にせず何もかもを取り払った楽園にいる
この世界はどうだ

いったいどうなっているって
誰が答え ....
数えているのは何?
そうやっていつまでも頭の中にいるのね
皮算用をして準備したことも
夢の泡沫に消える
選んだのは誰
選んだのは何

まるの形をしているのは
八の数字でも
六の数字で ....
浮世で築いた財の金ぴか
光る像は空のかなたへ信仰つなげ
天から光るのは太陽のような祈りのような

白い雪が螺旋に降りて
駆けあがる道を天までつなげる
祈りが届いたのなら
独り者だとか問わ ....
柚子の白い綿をつみあげて
ふう、と吹いて飛ばした幻想
あずきをひとつひとつ積みあげて
空っ風に突き崩された夢
かぼちゃを練り込んだ生地のパイ投げをする日

誰もいない日常は
白く白く光ば ....
カツカツと甲高い音を立てて
小さな体を精一杯伸ばした君は
誇らしげに指をしめる金属を
見せびらかすけれど

そこに叩き付ける冷たい息を
吹かせているのは僕であって
じんわりと体温を奪って ....
冷たいモルグの中でじっとしている
後悔の跡の中で
溺れ死なないのは
彼女を見ている目があたたかいから
人にまで暖かさを分け与えるあの子の陽の
おかげと知っているのに
妬んでいるのは私の心の ....
薄紅に染められた唇で
君の白さは穢されている
それを嬉しがる君がいて

散る散る花びらの多さに
紛れた君の横顔を
探したけれども見つからない

はかなくて白くてそれでいて
美しかった ....
泣いている猫に
どうして泣いているのと
問いかけても
それの応えはなく
泣いている鳥に
どうしてなの、と聞いても同じで
君に尋ねても同じで

わからなくて
空を見上げて
君だけのこ ....
一等好きで
嫌いなあなたを信じていた
からからと振り回されるかざぐるまの
無邪気さに心痛めて

傷んだことに驚いているあなたは
思いもよらなかったのだろう
意味のないボタンを押すように
 ....
【10/24】
スマホを眺めながら犬の診察を待っていた
出てきた先生は犬は死んだと言って
ああ、そうなんだなと思っただけで
可愛がっていたはずなのに
犬は気難しかったから
私に懐かなかった ....
じめじめした宇宙を超えて
超特急でやってきた光のような木の葉は
木漏れ日を作りかさかさと
太陽を覆い隠している
その陽に焼けた赤は{ルビ紅葉=もみじ}のようで

じめじめした界隈を抜けて
 ....
迷子の放送かけても分からぬ
親猫離れて迷えるの?
迷子 帰れるか分からない
帰る道はどこだろう

その道の先にあった光や闇やそのほかのものも
手さぐりでは触れるはずもなく

だけどそれ ....
青々とした笹のまっさらな
緑の装いをはぎとりながら
ちらりと見せる裸のなまめかしさよ
それは処女の絹肌の真白い脛によく似ている
目が離せずほんのり染まった
美しさとはすべてを飲み込み
抹消 ....
何だからんだお薬で走り抜けてしまって
休日を無駄にした。

薬も安いコーヒーもODした薬もすべて無駄にしちゃって
安いミサイル撃ち込んで
ナパーム弾で打ち払い
焦土と化した戦争の知識の欠片 ....
ラピスラズリの空を行く
手を伸ばしても
届くはずがないよ、ラピスラズリ

押し出され落っこちる紫のつぶつぶ
かきあつめ
粉々のはかない城を作った

城は片端から波にのまれ
周りの白い ....
私に花を差し出した君は
ほんのり口元に笑みを浮かべていて
花を分からない馬鹿を付きつけられた気分で蹴散らした
分からない私に
分からない花を贈るな
散ったアネモネ足元を飾る

靴はレース ....
四六時中垂れ流されたテレビを前にし
混乱の脳で端から笑っていき
どこが可笑しいとあげつらっていく
白い箱での生活は
同じ番組しか流れない

繰り返し曲芸を見ている
見たものの面白さは忘れ ....
虚無だ虚無だと
騒いでも
だれも聞いてやいやしない
流れる言葉の一片に
混ざって消えた
混ざって溶けた

知らない人の間にはさまれ
知ってる私の言葉が埋もれ
それも虚無だと思った
 ....
ぐしょ濡れの靴で
するタップダンス
湿った音が鳴り響く
わたくしの感傷のようだ

湿った街角に湿ったわたくしの
湿った涙がぽたりと落ちて
同化し消えた
踊るに踊られぬ靴を履いている
 ....
口約束で
作り上げられた 甘さは
おたがいに溺れるような
沈んでいくような
そんなすばらしい沼

底なしの許容だけがあり
腐り落ちた水菓子は叱られることもなく
じわり果汁を滴らせている ....
骨の出た傘をさして晴天の空を歩いた
嵐はわたしを押し流して川まで来させた

川の様子を見に来たのよ
川の様子を見に来たのよ

川はすごくおだやかだったのよ
そうすごくおだやかだったのよ
 ....
私の心はいつまでも若くいたいといっていた
それを枯れた体が巻き込んでしまい
くすぶり湿った一部を置いて
あとは全部干からびさせてしまった

枯れ木から思い出は零れ落ち
伝えきれるはずの想い ....
夏が騒がしすぎて
あんまりにもあんまりだから
黙ってもらいに
花火を消した
花火を消したら悲しんだ
ざまあみろと静寂の世界

目を閉ざして
耳をふさいで
見えないものは存在しないもの ....
歩むにつれて足の先からとけていった
こんなだから冷たいアイスを食べよう
こんなだから冷たいアイスをたべよう

コンビニの涼しさにもぼくの溶解はとまらず
浴衣姿の店員がミンミンと鳴いて
鳴け ....
部屋を星明りだけにして
本も読めないようなわずかな陰影
布団に横たわりじぃと身をこわばらせる
そこにはすべてがあった
すべての夢があった
しかし眠りだけない

ずーといつまでも
続く夜 ....
日々野いずる(230)
タイトル カテゴリ Point 日付
ロード&セーブ自由詩216/5/12 0:07
MACARONI自由詩216/3/8 1:31
罰と恩赦自由詩3*16/3/4 7:49
加工肉自動人形自由詩8*16/2/20 22:07
五つの音自由詩416/2/13 9:55
円状の王国自由詩416/1/16 10:35
数字の泡沫自由詩516/1/10 22:50
太陽の日自由詩415/12/24 1:14
憐憫とかぼちゃのパイ自由詩215/12/22 11:22
凍るまで冷え切っている自由詩215/12/22 10:44
箱姫自由詩215/11/24 22:16
裏路地の桜自由詩415/11/18 22:58
悲しい君に自由詩2*15/11/18 8:04
一等のかざぐるま自由詩415/11/5 22:50
路傍の一生自由詩2*15/11/2 9:11
私小説自由詩315/10/30 23:58
亡き母の想ひ出に自由詩215/10/29 22:02
うつくしさ自由詩215/10/25 18:33
戦争と薬自由詩015/10/13 8:36
ラピスラズリ自由詩215/10/12 19:02
馬鹿の華自由詩115/9/30 20:39
伝播しろよ箱の中自由詩115/9/23 19:07
虚無自由詩115/9/22 0:13
雨音タップダンス自由詩215/9/9 9:12
腐った林檎は誰も拾わない自由詩815/9/5 20:26
鮎は塩焼き、命は塩焼き自由詩315/8/26 23:18
湿りと熱とを排して自由詩315/7/29 11:41
夏は殺した自由詩315/7/17 17:06
砕けちった夏自由詩215/7/16 21:08
囚われた夜の安らぎ自由詩315/7/16 15:01

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