エトピリカを待つ
   絶滅寸前の
   マボロシの鳥
   600mmレンズを据えて
   何時間でも
   ポイントを決めて
   弟とぼくと
   二人のカメラマンが
   ....
  

    サイコロを振った
    吉とでた
    月と河童
    昭和に青春を送り
    平成でこけた
    死が怖くなった
    たとえ河原乞食になろうとも
   ....
 

   花と龍
   盲目の詩人が語る叙事詩
   わたくしが保護されている
   広場
   噴水と鳩
   駅舎に車両はない
   上野駅とローマ駅では
   蒸気機関車の匂 ....
    水分を補給したい 泥のような体で
    小岩井ミルクとコーヒーをがぶ飲みした


    2月2日 逆行の太陽はサングラス
    がなければ運転できなかった

    どこか ....
  
    淋しさは機械の油
    切れてしまった地軸の方位

    淋しさは裸の立ち木
    いつまでも震える梢
 
    淋しさは男と女の染色体
    数億の星雲 光っ ....
   ひゅんひゅんと北風はめぐり
   ぼくはタバコの火をつけられないでいる
   詩を求めて詩から放り出され
   いくらタバコを吸っても安息は得られない
   一月は何とか切り抜けた
  ....
   喜びは天まで昇り
   はじけて消えた

   哀しみは砂漠の水を
   補給できずに

   怒りは津波を起こし
   人身家屋をうばった

   楽しみはいま文字がつづれる ....
   

        
    {ルビ緘黙=かんもく}

    きょうも土星は回っているのだが

    リンクは冷たい氷と岩だ

    雑草は生えていない

    ほ ....
  
   枯れた草むらに
   寝転がるようなことはしないで
   ライターで火をつけてみた
   なかなか燃えない
   新聞紙がない
   紙屑がない
   諦めた
   炎は美 ....
   昨夜22:30分に眠剤を飲んで
   今朝の3時に起きた
   トーストとケーキ
   をコーヒーで食べた
   タバコを吸ってまた寝た
   10:28分に起きた
   カメラのシ ....
  
   コンビニで買った大福を食べて
   小腹がいっぱいになった
   あんこの代わりに詩がいっぱいに詰まっていた
   小豆のようにおいしいあんこだ
   詩はあんこのようにおいしい ....
   公の35分の早退だ
   北風の何のその
   咽喉のいがいがのなんのその
   おもたっより体力がありますよ
   病院の送迎バスは霊園周り
   直行してよ
   駅へ
    ....
   
   とどのように寝返りを打つ
   からだが痛い
 
   とどのように寝返りを打つ
   一睡もできずに横になっているからだ
 
   不眠症のぼくは4時に起きる
   強 ....
   ふと婦人は席を立った
   向かいの席だった
   ぼくは隅が好きだ
   ぼくは隅に座っていた
   カバンを架けかえようとしていた
   ジャケットのフードがじゃまで
   カバ ....
   
   雪が降る
   ぼくの心の河に

   丘の上の
   立ち枯れた一本の木にも

   雪は送電線のように
   誰にも話しかけないで

   綿帽子になっている
 ....
  そうしていいこともあった
  悪いことがほとんどなのに
  
  大志をいだきすぎたために
  ついへこんでしまう暗渠が

  ぼくの大陸棚を転げ落ちて
  ゆく 

   ....
   ふれている
   ふれている
   温かいものが
   ぼくのからだに
   ふれている
   それはあなたの
   恥骨だ
   しっかりとした
   感触を持っている
   ....
  アンデルセンに『即興詩人』という書
  があるがいまだぼくは読んでいない
  JAZZも津軽三味線もアドリブに
  いのちがかかっている
  インプロビゼーションだ
  ぼくの詩もすべて ....
   土曜日
   もったいないが一日ぼくは寝ていた
   泥鰌のような疲れが溜まっているからだ
   谷川俊太郎さんはぼくより一回りも上なのに
   『まだこれから』という詩を書いている
 ....
 
  金曜日がおわった

  一週間が長い

  精神病を患ったからか
  
  初老の痛みか

  『詩は青春の文学である』

  と関根弘はいったが

  詩はだから宇 ....
  ボクニハカエルイエガアル

  イエノナイヒトモオオイ

  チキュウガイビツナヨウニ

  ヒトモイビツダ

  イヨイヨタイカン

  キタカゼガナミダニナル

  ....
  

   疲労は龍のようにはねていた

   生きるってことは淋しいことだ

   キルケゴールも言っている

   『死しにいたる病』を病んでいる

   女も男もみんな一生 ....
   低い山の木々にかかって
   泣けてくるような夕焼けが
   剥がれかけた舞踏家の白粉になっている
   ムンクだ 叫びだ
   魂が肉体をかるのか
   肉 ....
  たとえばぼくが作曲するとき
  ピアノの鍵をかき鳴らし
  メロデーをとらずにノイズだけを拾ってゆくとしたら
  ぼくはジョン・ケージのようになれるのだろうか
   
  戦前の詩 ....
  滝が凍る
  心が凍る

  魚が凍る
  港が凍る

  それでも街は生きている
  それでも町は生きている

  真っ赤な手紙がほしいね
  真っ赤な心 ....
  ことばの枯れた井戸を掘ってみる

  夜空のように星星が輝いていた


  ぼくは夢を見たのではない

  ことばの星は無数にあるのだ

  掘削機はいらない

 ....
  にぎやかな街のなかには
  派手な歯科医がたくさんあり
  誰もが知ってる眼科医がいる
  ひよこも街の住人である
 
  にぎやかな街のなかには
  派手な産科医がたくさんあり
  ....
  {ルビ鷺草=さぎそう}はまるであの
  空を舞う
  白い鳥のような花をつける
  詐欺師なのだ

  詐欺師か
  ぼくも詩に似た
  行わけ詩
  を書いている詐欺師なのかもし ....
  ぼくの同胞が現代詩花椿賞をもらい
  ぼくの同胞が高見順賞をもらい
  
  それぞれ詩壇でスポットライトを浴びているが
  ぼくは火事ですべてを失い

  同胞とも
  賞にも縁が ....
  


  できるだけ遠くへ
  島はなげるべきだ

  小笠原くらい
  塊
  として

  こぼれおちた
  土
  が

  いくつもの
  しみのような
  ....
天野茂典(412)
タイトル カテゴリ Point 日付
エトピリカは歌に歌われていた未詩・独白405/2/5 17:12
金網の外へ未詩・独白305/2/4 18:20
水深0mの歌未詩・独白505/2/3 17:16
路上ライブもできないで未詩・独白005/2/2 17:40
数億の星雲 光って未詩・独白405/2/1 17:22
見えない世界に詩があるのだという常識未詩・独白305/1/31 17:54
生きるということ未詩・独白605/1/31 6:44
この星の暮らしにも飽きた未詩・独白305/1/30 17:41
ぼくの歴史も燃えてしまったように思えた未詩・独白505/1/29 17:36
ばらばらがいいのだ未詩・独白005/1/29 12:00
みんな一緒に駅まで歩いて帰っていった未詩・独白105/1/28 17:17
女子大生を一斉にバスがさらっていった頃未詩・独白205/1/27 17:47
とどのようにじっとしていられない未詩・独白205/1/27 5:30
ぼくは小岩井ミルクとコーヒーをごくごく飲んだ未詩・独白805/1/26 17:43
雪は送電線のように未詩・独白305/1/26 10:07
ジャケットの間からつめたい風が訪れてきた未詩・独白405/1/25 17:36
温かいものにつつまれてわたしは未詩・独白205/1/24 17:27
ぼくの詩はこうして書かれてゆくのだろう未詩・独白205/1/23 16:51
まだこれから未詩・独白305/1/22 17:35
じぶんのポケットにしまうことにした未詩・独白505/1/21 17:49
ゼオイド未詩・独白105/1/20 17:43
カモがネギしょってやってきた未詩・独白405/1/19 17:47
夜を変えた電気のように未詩・独白205/1/18 17:26
ソルティ・ドッグ未詩・独白205/1/17 18:03
旨いビール未詩・独白105/1/16 17:05
プラネタリウム未詩・独白505/1/15 21:44
絵本未詩・独白605/1/15 17:53
さぎ草未詩・独白105/1/14 17:41
詩壇の受賞者未詩・独白105/1/13 17:55
東京都から未詩・独白405/1/13 17:32

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