珈琲とアルトサキソフォンの豊穣に液晶の海漕ぎ出でる人

珈琲とピアノの滴海となり夜の彼方に跳ねたトビウオ

女生徒の「わたしバカです」渦まいて沈積してゆく初雪の夜

この宇宙は蜘蛛の巣状の ....
泣きながら便所駆け来る男子いて一枚へだてその嗚咽聞く

歳だけは取りたくないが口癖の老婆の霊が座る終電

急死した男の棺運ばれるテニスコートの脇の葬儀所

河口まで入道雲を追いかけた「イエ ....
◇機関士:

パリ発、コンスタンティノープル行き6両編成。
ほぼ定刻でウィーン発。
乗客の体調不良等、異常の報告は無し。
これより政情不安定な地域を通過。
よって盗賊団の襲撃に警戒セヨ。
 ....
帰路暮れて揺れる電車は音穿つ(で、あったなら)(で、なかったら)


ミルクティー恋人たちがこぼすから空は蕩けて星空になる 


夕焼けの残滓に向かう農夫いて暗き川原に燃やす唄声


 ....
春雨に煙り見果てぬバベルの樹の根元の茸か{ルビ業平橋=なりひらばし}駅


「日いずる」国まで来ては魂の香料探すか 雷門


浅草で吉野家入りLunaSeaが小雨まじりにしみる街の灯

 ....
橋の上、
時計回りに見渡せば
{ルビ下野=しもつけ}、{ルビ下総=しもふさ}、{ルビ武蔵国=むさしのくに}

いつからか都の殿上人たちはこの地にも境を引いて
左扇で国獲り遊戯
その頃すでに ....
どこにもいなかった。

どこにでもいた。


錆び爛れた仮面を
踏切りは見透かすのだろう

無邪気に


夕闇の美醜


生まれて消えてまた生まれ、





 ....
{引用=
「まっ黒な」セーラー脱いでメイクしたピアスもあけた(東京)へ行く



春の風強すぎるけどもう飛ぶの夢の翼が消えないうちに



伸びた髪亡き私への手向けです「来た・見た・ ....
春めくね君の瞳のモンブラン弥生の日差し甘酸っぱい



駅染める弥生の西日切り取って胸へとしまう兄と妹



また明日また明日へと環はめぐり環は環をめぐりまた会う日まで



 ....
 日(休日出勤)

日曜日「宴のあと」の風沁みて いて座の子らがゼロを吸う街

 
 月(週休)

月曜日一人ぼっちのアイドルで『ありあまる富』口ずさむ丘

 
 火

今朝も ....
一周忌の夜ぽっかりと寝ころんで二階から漏れるママス&パパス



今夜また探り弾けない{ルビ前奏曲=プレリュード}ifという名の銀色の河



振り向けば買い物地獄の灯は遠く涼しい枯野 ....
小さな毛糸の手袋が片一方、
橋の袂に落ちていた

どんな子が落としていったのか

いやそれとも

こんなに小さな手を守ろうと
優しさが形を成して包み込んだのは

私の手ではなかった ....
王朝の残党が夜陰に紛れて街を逃れ、立て籠もったという
断崖の頂の、この石窟の僧院
亡命政権はその後三千日にわたりここで抵抗を続けたという
過酷な環境の中、こわばった数多の命が消えたことだろう
 ....
遠くで踏切りの音が聞こえる
どこに向かう列車だろう
真夜中すこし前、
僕にはもう
行く先なんてない
ここが僕の終点だもの

音量を絞ったラジオからニュースが聞こえる
君の
眼を細めて ....
有って無いもの。
糾弾と依存とを行き来して、
「ぼくら」はどちらの虜囚だっただろう。
吹きさらしの冷たい玉座に
老いた王子は逃亡の果て 独り帰り着く。
だがそのとき再び、
冬のおそい夜明け ....
 数学が嫌いだった。
 今ではちょっぴり後悔している。

 もともと興味を持ったらまっしぐら、それこそ寝食を忘れ、日常生活に差し支えるほどのめり込むくせに、逆に食指が動かない物事は、もはやそこま ....
{引用=こんばんは
こんな関東平野の真ん中でも
毎年必ず雪は降るんだよ
見渡す限りの田んぼは
一面真っ白になりました
まずはそのことから書きましょう}

 *
彼女からの返事が来ない
 ....
○ 一羽来て日輪背負いカラス鳴く冬枯れの土手に小用足すとき


○ 風となり枯野駆け往く自転車は赤子の瞳に何を残して


○ オルガンを枯野一面響かせて陽は寒風に反比例して


○  ....
萼には永劫の接吻を
際どかった昼間の送り仮名には微笑み二乗の反語法を
埋もれかけた墓標には遠い遠い潮騒を

聖なる人よ
二十一世紀初頭のこんな夜にもまた
星は星をちぎりながら
生まれ来る ....
私はパチンコはやらないけれど
自転車で峠を攻める月曜日には
「今日は出すぞー」となるのだろう

私はタバコは吸わないけれど
オフィスで休憩の後に小さく吐き出すため息も
紫煙と変わらぬ味なの ....
○ 肩寄せて小春日の降る水面見てダメな兄だね妹泣かし


○ 君のこと掬いきれない呪わしきゼロと1との「男デジタル」


○ 往く君のケータイ握る手の甲に夕焼け空はそっと差し込む
寄せては返し
また来たカモメ
潮風が弾く小春日の{ルビ音符=ノート}

寄せては返し
裸足と駆け引き
影踏むステップ進行形

砂に謎掛け
空に法螺吹き
ほら、左腕
 ―お気の済 ....
大陸の灯は臙脂色に蒼ざめた望蜀の礎 
岩頭を蹴った四十億年後の奇形児は
宇宙の一滴として未然形のまま荒ぶ大洋を突き
遺産の頂点で呪符を戴く死出の旅路に夢中でした
光の精度は絶えず寄り添う闇の海 ....
幸運のバッファローが鼻血を出して
ポケットいっぱいのピーナッツは欠伸してる
誕生日

ああ 今夜も 
おなかいっぱい
日差しがいっぱい
ぶつぶつがいっぱい

ああ 今夜まで
「まあ ....
虹の行方を尋ねましたね
庭に駆け出す小さな足で

あれは、たしか夏の終わり

まだ見ぬ向こうに触れたくて
尻尾はそのたび凛と鳴り

その頃わたしはまだ
羽ばたき空飛ぶネコでした

 ....
縮みかけた風船、のよう
ぶるぶる震え

{ルビ人気=ひとけ}のない沼の奥
濡れ落ち葉を恐れない子

カスリーン以来だったの

ねぇ

土手から溢れ波打つ黄金色

ブーツが砂州に ....
がらんどうの団地から、
誰も知らない0丁目から、
ホップ、
ステップ、
ムコウガワ

夕日は真っ赤
フェンスの向こう
日の名残りは羽虫の痛み

花火は上がる
高架の向こう
鎮守 ....
○ 落花生の殻の温もり手のひらにかさりこそりと遠い日の鳴る



○ 寝付かれず旅の光を反芻す日焼けの跡も消えかけるころ



○ 三つ子の眼に土手の緑は果てなくて夢に飛び来るあの日の ....
一人の女がwaterという単語を知った時
女の暗い海には光があった

一人の数学者が荒地を切り開くとき
ヴィーナスと魔女たちは密かににらみ合った

一人の音楽家が夏の行方を探り打つとき
 ....
バルビーノ! -the hurler!
バルビーノ! -the hustler!
バルビーノ! -the fighter!
喧嘩っ早くて 計算高くて
人を食って  人を呑んで
怪力で打者 ....
都志雄(58)
タイトル カテゴリ Point 日付
回転木馬短歌511/1/23 21:37
「イエス」と「ノー」と「たぶん」短歌410/8/16 20:06
オリエント・エクスプレス、1914自由詩11+*10/5/5 19:23
帰路短歌5*10/4/26 19:48
浅草四首、他一首短歌3*10/4/17 15:45
三国橋の上で自由詩2*10/4/3 21:46
憂鬱な土曜、音すらも聖跡なのだと、窓の外観ていた・・・自由詩2*10/3/24 23:57
春分点短歌3*10/3/22 21:04
短歌4*10/3/7 19:59
7-days短歌4*10/2/20 22:13
春待ち短歌3*10/2/11 14:41
思い川自由詩8*10/1/17 18:38
僧院自由詩1*10/1/12 21:09
自由詩3*10/1/11 20:20
正しい森自由詩1*10/1/10 21:29
妄想三角比散文(批評 ...1+*09/12/31 16:04
雪魚自由詩2*09/12/29 21:40
冬枯れ短歌4*09/12/27 21:19
らら、ばい自由詩3*09/12/23 17:34
私は自由詩109/12/6 22:03
不忍池三首短歌109/11/29 23:06
渚の時制自由詩209/11/28 23:08
the Transoceanic自由詩209/11/27 23:10
鉄のハンス自由詩3*09/11/26 17:44
その頃わたしはまだ自由詩409/11/24 21:34
水辺で将門の骸を踏みしめて、晩秋自由詩109/11/23 22:22
ムコウガワ自由詩409/11/20 11:01
眠れぬ夜短歌509/11/17 19:02
明日の「ぼくら」へ自由詩609/11/15 20:21
バルビーノ・ガルベス伝 〜熱風吹かし去って行ったドミニカン自由詩2*09/11/14 10:46

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