風船をふくらましてよ ひとりでに地中海までとんでいくなら


はなれたの それともわたしがはなしたの 派生していくはだかのきおく


さみしさが寄せ集まって血縁の観葉植物(手をつないでて) ....
朝顔のうつむくほうへ微笑んで表面麻酔をほどこす手つき


ゆりかごを揺らしてそこにいたはずのプランクトンの未来を思う


羊水のように流れて流されてこんなとこまで来てしまったの


 ....
おしみなく愛をそそいで枯れさせてあたりいちめんプールの匂い


この先でアラームが鳴っていなくても立ち止まらないでください、と声


あかあかと尾びれ背びれが生えていき あとからあとから水 ....
机ごと持ち上げてみて外側でわらってみせて「創世記だね」


あたらしい季節になって全身のくうきの替わる窓のあること


この星のすべてのテレビが壊れてもだれも困ってくれないのなら


 ....
ブローニーフィルムみたいに大切に試してみては破くコンドーム


ことごとく逆らいきれずに動物の骨だったという楽器にさわる


叫ぼうとしても脊髄反射だしなにかを失うわけではないよ


 ....
あおいろの夜をむかえて鏡面のようなねむりの狭間で出会う


いしだとか、やさしさだとか、なにもかも総称してる冬のキッチン


らいしゅうの予定をきいて書き留める宇宙船から手紙が届く

 ....
毎日がつまんないと絶望しなきゃなんないからちょっぴりの
事件とウイスキーが必要。つまりはミステリー小説的なうる
おい。地元ではそこそこ名の知れたしがない一族経営の会社
でルーティン・ワークをなに ....
図鑑から拾い出したらさみしさの集まりみたいホモ・サピエンス


鈴鹿でさ、熱気球がちりぢりに空に別れていくのをみようよ


ピアニカに人工呼吸を施してでたらめな人の怒りをみてた


 ....
路線図の名前をとおりすぎるたび夕暮れの記憶となって
建設中のクレーンをかすめる金属音の反響
かりそめの服を着たらもう祖父の葬式だった
東京は暮らし辛いねと母が呟き
落とした花を持て余している会 ....
渦の中うまれてきたの(かたつむり)シとドの間の宇宙をみてた


世界地図の片隅でそっと競い合うかたつむり(鍵は海に落とした)


両耳に飼っていたかたつむりたちを探しています連らくください ....
内惑星であったはずのあなたが
みえなくなって赤いあかい水玉
があたりいちめん増殖するみた
いに私の喉を覆っていってイン
タラクティブ・アートつまると
ころ免責事項であったはずの前
提がわた ....
夜のように平らか
あるいは、呼吸している
みずうみの内面


雨の降りやまない
さみしさに
どこまでも潜っていく
あかるいままの投影
モノトーン、翻って
波しぶきはきれい


 ....
夕立があらわになると
鳥たちは身をのりだすのでした

*

私は10日ぶりにアイスを一つ食べて
誰もいないリビングで
雷をやりすごす

*

祖母がもう歩けないのだと
母が悲し ....
うつくしい人の想像をこえた
あなたのかかえているもの
すべては朝だった

*

きもちいいくらいの遠心力で
渡り鳥は群れていて
ふゆ、なんてたった一言で
言っていいことと悪いことがあ ....
濃淡を、くりかえしながら先割れのスプーンに近づいている朝


演じるということ、やさしさということ、おろし金から飽和する雪


質量をもってしまった画家はもう手のひらを返すようにかなしい
 ....
素粒子の海で、分解されたままの、不確定の、私達という、名の、洗われた、ものたちが、今、優しい、数式で、拾われて、わられていく、言葉たちは、ちりぢりになって、目にみえない、わたしとあなたは、いくつもの素 .... はこがまえ 挙動ふしんの空白は ふれない頬とほほの衝突


金よう日、ラジウムみたいに放射して裸子植物を食む子にもどる


黒鍵を人差し指と薬指で押さえたらいちめん緑


点描の夢を ....
とおり雨」途切れた言葉のすきまからとおり抜けてく夏の体温

いままでも眠る夜だけ好きでした、きれいな呼吸だけ好きでした。

遜色のないヒトデみて切り花の手を取るように色をうしなう

ざんね ....
ピラミッドみたいな形の倒立を 目を皿にして隈なくみてる

血まみれの夕焼けぜんぶ呑み込んで(みない、いわない、きかない、しらない)

帰ろうとしている影が剥がされて/いつまでも帰ろうとしている ....
後悔を/森の奥へと歴史学のような眼差しで引いていく人

スコップを置き去りにした砂場から カイワレの芽が伸びてきました。

透ける陽のメトロノームを記録して/耳鳴りの止まぬ夜を綴じ込む//
 ....
 こんにちは。ことこです。
 ショートレビュー・サンデーのお時間がやってまいりましたよ!

 今回は、
◆神保町にゆきたい / ZUZUさん
◆育成歴 / つめきりさん
◆マザー / 宮下 ....
スプーンの凹みがきんと冷えていて/くっついちゃった舌とバニラと


水銀の湧き上がる速度いつもより遅いの、ぜんぜん熱なんてない


「純正のクーベルチュール」を用います。失敗しては、買いに ....
 みなさんこんにちは。ことこです。
 ショートレビュー・サンデーのお時間がやってまいりました。
 今日も元気にいってみましょう!

 今回は、
◆正三角形 / 石畑由紀子さん
◆砂の埋葬。 ....
 ショートレビュー・サンデー新執筆者のことこです。どうも。
 批評祭でツユサキさんの文章を読んで、あ、いいなと思ったので、便乗させてもらうことにしました。たのしく気楽に、隠れた名作も隠れてない名作も ....
*化石

ならない電話をのみこんで
渦まくコードの
耳から漏れる
おとのかたまりを見つめてた。


*氷菓

たて波の断面のように
歯こぼれしていた、
底冷えのあさ
薄切りの ....
 前回、前々回の「つめたくひかる、1―江國香織『すみれの花の砂糖づけ』」(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=201263)「つめたくひかる、2―江國香織『すい ....  前回の「つめたくひかる、1―江國香織『すみれの花の砂糖づけ』」(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=201263)では、江國香織の詩における「つめたい」という ....  江國香織の詩集『すみれの花の砂糖づけ』(新潮文庫)は、理論社刊の詩集『すみれの花の砂糖づけ』に12篇を増補した、全部で70篇ほどの詩集だ。
 今回はこの詩集を、「つめたい」というひとつの言葉に着目 ....
海へと抱かれる
やわらかい夕陽の
いよかん色にもえて

さざめくひかりは一心に
反射し
調和し
舌のうえではじけて
ひとすじの
輪郭をあらわす

(帰ってきてもいいよ、という言葉 ....
砂鉄が花咲く、しゅんかんを
見たいがために何度も
磁石を近づけるわたしを
あの人は苦笑いしながら
たしなめたり、するのでした

*

身震い、だったのかもしれない

投影図を描くた ....
ことこ(77)
タイトル カテゴリ Point 日付
ひだり肩越しに見る夜短歌3*20/6/13 21:09
八月の汽水域短歌3*19/8/1 14:04
ゼリー色の夏短歌9*15/5/9 15:48
PLANET NEWS LEVEL 7短歌3*14/9/12 21:50
カスピ海ヨーグルト短歌8*14/9/1 21:47
I love you短歌8*13/1/5 23:44
事件とウイスキー自由詩6*12/10/25 21:29
ホスピタル・サーキット短歌7*12/10/17 23:26
(仮)自由詩7*12/10/13 16:26
桜のようにきえるだけだね短歌1012/10/3 20:33
Planet自由詩5*12/8/27 22:22
N-N 50/1.4自由詩112/8/13 23:42
夕立自由詩312/8/6 18:26
立冬自由詩14*12/8/4 19:52
点描短歌912/2/29 21:43
祈り(連詩)自由詩6*11/11/26 22:53
とりのは短歌510/12/21 19:01
遠い存在のあなたに短歌6*10/9/9 19:17
ピチカカ反応短歌13*10/6/22 23:02
木漏れ日カメラ短歌20*10/5/27 23:44
ショートレビュー・サンデー+++待ちかねる、その日に散文(批評 ...110/2/10 22:11
風に舞う雪を見ている短歌12*10/2/3 1:07
ショートレビュー・サンデー+++あやふやな均衡。散文(批評 ...5*10/2/1 0:59
ショートレビュー・サンデー+++ましろい朝に、散文(批評 ...4*10/1/20 20:40
塩小路自由詩10*10/1/15 14:11
【批評祭参加作品】つめたくひかる、3—江國香織の表記[group]散文(批評 ...1*10/1/13 19:15
【批評祭参加作品】つめたくひかる、2—江國香織『すいかの匂い ...[group]散文(批評 ...1*10/1/12 19:43
【批評祭参加作品】つめたくひかる、1—江國香織『すみれの花の ...[group]散文(批評 ...7*10/1/11 23:38
ホーム自由詩509/10/29 22:20
背中には向日葵自由詩4*09/10/21 14:54

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