永遠を求めるな
子供達よ
それは麻薬だ

永遠を追い駆けろ
中毒者タチよ
たとえ幻覚だとしても
お前達には見えているのだろう
花びらを口に含む
美しさを
儚さを
自分のものにするため
理解するため

永遠の貝がら
柔らかく張りのある
食べられることもなく
散りゆく姿を
傍観しているのは
狂い咲きはじめた ....
雲が割れた
眩しい

手をかざした

光が
真っ白い
その石はまるで子宮のように
あの日 交わったときから
じっと守り続けた
ゆだるような潮風からも
氷点下の吹雪からも
じっと路傍で待ち続けた
ただじっと砕かれる日を
穿たれる時を
自らが ....
うすい長袖の体は震える
氷結晶の霜が震わせる
暖房の効いた部屋に
逃げ込まないで
震えている
めにみえないほど
ちいさなつぶだったのに
かぜにふかれて
まいあがるきりゅうにみちびかれて
のぼっていくと
だんだんなかまがあつまって
いつのまにか
かたまりになり
とてもたかいところ ....
この町の夜は静かなもので
特に冬の夜は衝動に駆られて
大きな音を立てて改造車で走る
少年少女もいない
その代わり目には見えない何かが
充満していて、それに触れられると
その部分だけ鳥肌が立 ....
僕と君とが引かれあった
その引力は
桜散るほどのちからで

電車の踏み切りで
隔てられた思いは
初恋の思い出

春の訪れを教えてくれた
ひとひらの桜の花びらを
失くしてしまわないよ ....
結局はどこまでも孤独で
一日の終わりが
生命の始まりのよう

音もないのに
赤子が泣いている

そんな気がする

音も立てずに
心が
熟れ過ぎた果実のように
裂ける
誰にもぎ ....
気が付くと音が止んでいた
いつもより時間が経つのが
早い気がする
雨はもう上がっていて
日はまだ差さないけれど
射し込む予感はあった
燃やされる堆積物に
湿った身体をそっと寄せる
釣り ....
宙から糸を引くように
いくつもの魂が
みちびかれてゆき
草むらのコオロギもまた
静かに時を止めた

ゆっくりと過ぎてゆく僕の時間も
  に包まれて
黄金の金糸に引かれてゆく

冷え ....
小舟を浮かべて 新しい世界を求めて
僕は旅に出ようと思います ひとりで

生きていく才能のない僕は
誰かが傍らにいてくれないと
ウサギのように震えて死んでしまいそうです

それでもひとり ....
 新皮質 と辺縁系 の戦い

 十一月の雨垂れの音
 洗い流せ
 俺の

ちぢむ テロメア
     老いていく自分 に
 絶望
  を告げる 鏡
        戦う
 新皮質 ....
それは八〇年代に現れたバンドで、知ったのはオールナイトニッポンというAMラジオの深夜番組だった 当時十五歳だった僕はその音と詞と声に夢中になった CDプレイヤーも持っておらず、レコード店というものが縁 .... ベッドに横たわり
窓から入ってくる光は
いつも白い
思い出しては悔やむばかりで
明日を思い描く 明日は
死への怖ればかり

私は年老いた

若い頃から想像し
脅えていた まさにその ....
   

 八月、台風九号は二十二名の命を奪い、太平洋の北洋上で一陣の風となった。嵩の増した泥の粒子を束ねた濁流が財田川を下っていた。よく水神として龍や蛇が奉られるのがわかる気がした。うねる濁流は ....
青い瑠璃色の地球は
ほんとうは赤いリンゴで
カミソリでつけた傷からは
傷口をうめるように
黒い血がにじみでていた

血の味は甘くて金色のハチミツのよう

果肉をかじると
青い欲望が汁 ....
虫の音だけが響く長い秋夜のしじまに
基次郎の 「檸檬」 を読んで
僕も明日、彼女の机の上に
そっと檸檬を置いてみようかと
画策する 新しい世界を生むために

だいぶすずしいなったなあ
と ....
トビが啼かずにまるく飛んでいる
白い朝の港の防波堤は
カラスの群れで
黒く染まっていた

ひゆん ひゆん ひゆん
と息をしている
ひゆん ひゆん ひゆん
と啼いている
ひゆん ひゆん ....
ゆがんだ世界とうまくやっていくために
ひずんだ言葉に沈潜してゆく
絶望という名の回虫が腸の中で
成長している
季節はずれのハエが
安楽椅子で眠っている
年老いた神様の口元に
止まっている ....
蝸牛のうちで反響する叫びを
押し寄せてくる旋律を
海馬に刻もうと
目を塞ぎ
親指を噛んで
何もかも消えてしまえと
布団にくるまり
瞼の裏の黒い染みを

じっと

足元で
まどろ ....
授業が終わると、真っ先に教室を出る
いつもなら軽音楽部の部室で
とりとめのない話をして
演劇部の発声練習を聞きながら
ひとりの娘の姿を追いかけるのだけれども

夏休みの間、炎天下の中ひたす ....
朝露の滴る草むらに横たわり
私の身体はがらんどうなのに
脈を打っていた
温もりもわからず

コロンカラン コロンカラン

流した涙は
冷たい石のような音を立てて
深い井戸に落ちた
 ....
遠くばかり見てるね。

秋の夜空はとても澄んでいて
僕の焦点の合わない目でも
うっすらと星が見える

遠くばかり見て歩いてたら
石に蹴つまづいた
気付くと
隣にいたはずの君がいなかっ ....
夕立/突然の豪雨と雷鳴が轟いた
それは子宮の中で聴いた母の心音のような気がした
時折、去来する淋しさは冥府からの呼び声に思え
無言で空を見上げると、大きな穴が開いていた

依りかかって生きて ....
また差し歯がとれた
一年で三回目
歯を磨いていたら音もなく
歯医者もさすがに見過ごせなくなったのか
作り直しましょう
と言った
しかし
それでだめだったら入れ歯ですよ
と続けた
僕は ....
真昼の頂点に、輝く水飛沫があがり、影のない一瞬 私は
ぽかんと口を開けて、天頂を見る、ヤブ睨みをする
不機嫌だった幼児も、相貌を崩し 笑い出す
はしゃぎだした子供たちに大人たちはお手上げ
だけ ....
         月夜に現れたみずうみに 僕は裸になって
飛び込んだ。別に入水自殺をしようってわけじゃない。これは
ひとつの儀式のようなもので、言うなれば自然との同化、共有
されるファイルを独り ....
地球の公転軌道がほんのわずかずつ
ずれていることを憂うガリレオの
思いを想い過ぎて
抑うつ気味になった僕は
バナナがいいと聞いて
毎朝食べるようになった

いつか太陽の手をはなれ
地球 ....
朝焼けは随分きれいで
青紫のしじまに黙りこくり
そっとアクセルを踏み込む
見慣れた速度で
過ぎていく風景をやり過ごす
少し肌寒くなったようで
エアコンのスイッチを消した

仄かに燃えて ....
within(209)
タイトル カテゴリ Point 日付
永遠と絶望自由詩6*09/12/4 23:36
儚くも咲くために自由詩10*09/12/1 14:18
瞬間自由詩4*09/11/30 15:27
石に芽吹く花自由詩10*09/11/27 15:16
鳥の孤独自由詩5*09/11/26 16:59
遠い昔の居場所自由詩7*09/11/25 19:44
夜町自由詩15*09/11/20 18:43
幻の春自由詩12*09/11/18 2:37
空の向こう自由詩8*09/11/16 3:37
Silence自由詩7*09/11/13 12:40
悴(かじか)む自由詩4*09/11/11 17:10
冬の船出自由詩10*09/11/5 15:45
rebirth自由詩2*09/11/3 16:48
Welcome To The Lost Child Club自由詩2*09/11/2 15:38
Kid Aを聴きながら、床に思う自由詩4*09/11/1 0:08
濁流散文(批評 ...6*09/10/26 10:35
むきだしの私自由詩6*09/10/23 6:55
さやけき奏(かなで)自由詩8*09/10/20 4:01
港の朝自由詩9*09/10/17 7:39
祈り自由詩7*09/10/12 4:41
光の重み自由詩15*09/10/9 14:39
世界の終わり自由詩16*09/10/4 20:23
Eve自由詩19*09/9/27 21:23
かすむ星々自由詩10*09/9/25 15:03
あいまいな秋の地平線自由詩11*09/9/17 18:39
ただ生きているだけ自由詩11*09/9/10 17:31
LOOK/LISTEN/FEEL自由詩9*09/9/6 22:37
水の匂い自由詩13*09/8/31 18:08
祝福自由詩18*09/8/26 14:40
夜明け前に、走る自由詩12*09/8/23 21:23

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