素敵なことだけが表面にでてくる

わけもなく

ただ泡だけがブクブク水面に浮いては消えてゆく

誰も気がつかないで泡となって流れてゆく

溺れた川の底で思い切り声を出す
 ....
きょうは お父さんの
人差しゆびに つかまって
公園へ お散歩

お父さんの
目がいつもより やさしいので
靴を鳴らして  うたを歌う

ときどき見上げる
お父さんの その瞳 ....
日差しが強いほど
濃い影が地面に宿る

陽のあたる場所にも
賞賛や成功の裏にも
濃く宿る苦悩があるだろう


暗闇の中では
手元の灯りを頼りに進むほかはない

苦悩の闇の中では
 ....
静かな失望が黒色の気泡を上空へと沈めるころ

空席に向かって話かけるひとがいる

ちいさな声で とぎれ とぎれ
隣の空席に一生懸命 生きるための説明をしている

いずこの街にも聞こえて ....
毎朝 電車に乗って仕事に行く
ある朝 いつものように電車に乗り込み周りを
見てみると(私は常に立っている)

座席の一番端にひとりの精悍な顔つきの企業戦士といった
雰囲気の中年が座っていて
 ....
祝日は朝から
気分転換のドライブに出かけました

久し振りの好天気で片道2時間ほどのドライブでした

途中 1車線に切替わるところで20分程渋滞しましたが
渋滞の際 前をゆく車が古いベンツ ....
地下鉄通路階段へ
白い杖を軽やかに 階段の端に触れながら
颯爽と背を伸ばし降りてくる 女性とすれちがう

何と言う事だろう この自分
背を丸め まるで牢獄へでも向かうかのよう

 ....
同じ夢を見ている

気が付けば その部屋にいる
知らない部屋が そこにあり
そこから出発しなければならない 私がいる

なぜいるのか そこはどこなのか 分っていない
いくつもの夢をみて  ....
納期の迫った仕事に気持ちを せきたてられながら
ラジオを流していた

テレビ番組の「しろうと のど自慢」が
地球の裏側のチリで中継されていて
そこであなたは歌い始める

ブラジルやチリと ....
  夏には

夏に冬の寒さを思い出せたら
ク−ラ−はいらない

幸福感は不幸の中でも思い出せるから
経験と記憶は必要だ

自身を傷めずして
他者の痛みを知る事はできないが

他者 ....
ちょき ちょき ちょっきん

ハサミはただ一生懸命 紙を切っていた
紙を切ることが 目的なのだ

ハサミは紙を切りやすい形につくられていた
紙を切ってさえいれば ご主人は大切にしてくれた
 ....
月みみ

うさぎが みみを たてに ふった

ので きのう よる

月へいった

10万坪の土地を 出世払いで 貰った

ぺこちゃん人形 倒すくらい なら

ただで ....
自分が嫌いなように 君を嫌っていたのだろうか

僕はある日 落ちぶれて森へと逃げてゆく

森は少年の頃のように けもの道が続いている

その道をひとり 僕は進む

朽ちた枯葉は堆積した ....
おじいさんに ばらの枝を もらった

「土に挿しといたら 根が生えて
           やがて花が咲くよ」
と言われた

素直に 土に挿して 水をやった

春になったら  ....
車で4時間 炎天の墓苑 「おかあさん来たよ」

祝す事なき 日々なれど 景色移り 木々の色 鮮やか 

雨音の 皮膚に落ち ただひとりの人 想われる
甲羅を脱げない亀でよい 脱皮の空に泣く蝉よりも

ワンパタンアニメ アンパンマンの歌詞で泣く

「ソーラーで回ってるのよ」 ショーケースのガラスに映るひと
太陽直下屋上の熱風 吹き返せ吹き上げろ 空調屋外機の孤独

残されたものは何時だって 地を這う 雑草の草いきれ

古本「遠き落日」 まんが喫茶にて読む 一生の歯車の中

捨てられた ゴミ袋 ....
佑木(17)
タイトル カテゴリ Point 日付
ブクブク自由詩318/4/7 0:20
亡き父へ自由詩215/8/23 1:08
灯り自由詩4*13/9/25 17:36
地下鉄自由詩7*13/9/12 1:32
企業戦士自由詩3*13/9/8 14:45
気分転換のドライブ自由詩3*13/9/2 0:12
朝の階段自由詩3*13/8/30 18:23
自由詩2*13/8/4 14:33
「ふるさと」自由詩1*13/7/27 15:59
夏には自由詩3*13/7/19 22:29
ちょっきん自由詩1*13/5/7 23:27
月みみ自由詩3*13/4/25 0:48
森へ自由詩1*13/2/21 0:42
夢の庭自由詩3*11/8/27 15:54
景色短歌3*11/8/21 20:34
短歌2*11/8/19 0:47
熱風短歌1*11/8/17 14:49

Home
0.05sec.