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天井を見上げるか、
テレビの音量を上げるか、
ファンヒータのスイッチを切るか。
思っていることが浮遊する夕方、
五時六時微熱、
答えを見つけようとする気持ちが少な ....
列車は/一度も地面を見ずに走って
みどりの駅でようやく息をはいた
何もかも続きすぎる/って全然気にしなかった
終点のことは噂で聞いた



だけど
じだんだをふんだってこない
 ....
短針が少しずつ
牛のしっぽに圧力をかけて
時計がまんなかで 手を合わせるよ

まるで「いただきます」
みたいな「おめでとう」だね

それは温もりある言葉だね 


新しくなった人々 ....
「昼休み」



昼間は雲間に光がさした
カッターナイフの芯のかたちで
だんだん空が開けてくると
都庁周辺の緑地では
予報士たちが嬉しそうに
フユバレ!テンキ!と羽ばたい ....
ちぎれる/涙を
失速する
手だてがない


星は
流れる
蛇口をひねったね


ほの明るい/爪先のすみか
いつか
眩しく発達して


そこにはもう
ぼくたちの輪郭は ....
ぼくたちの名残ゆく冬も湯気になる ちゃんどらぐぷたと煮立つ雑炊


「れん点ね!」でかでかとマルを描きなぐり 正しい答えをぶっとばす君


これが冬?じゃああの頃のチルチル ....
灰色のメビウスを/ねじれるままにチリチリと燃やし
きょうぼくたちは焚き火をした
冬の金網をぎゅうぎゅうと握ると
割とやさしげな声で鳴く



ミチルはミチタルに/過去をあげて ....
人に聞くものでも
道に聞くものでもなく
恥じらいの衣を脱いだとしても
僕たちは凍えない


世界中のどんな子猫よりも
いたずらに柔らかくて
鳥にでもなってしまいそうな
かけが ....
だれかに渡した
ことばが迷子
あーとか
うーとか
声だけ響く

いっつも
いつも
たどたどしいこと言ってるねえ
ちかづいた
さあはりきって間近
チ カ チ カ
ちか 力になりた ....
だれかに渡した
忘れたいことば
ところで迷子の
君はだれなの


たどたどしいこと言うときに
間近で近づいて
チ カ ヅ イ テ
力になりたくてと
うそをついている
 ....
ひそやかに草を食む
動物のそばを歩く
季節は夕方にちなんで
風が瞼に
暗やみをしまう


欲しかったものは
ひとつになる
もつれた言葉をほどく紐
ぜんぶじゃなくなる
いま ....
すべての仕業を終えた夜、
星のしたたるアスファルト、
すべての所行を終えたなら、
狭く縮めて居るばかり。


ああ と
二音つづきの火に
寄り添うものは全て揺らめいている
短い言 ....
目をつむろうか
草花が閉じるように
ゆっくりと心にぶらさがって


切り取り線に沿って歩く
内側よ 自分のものになれと思って


誰かに火を
ともしおえたなら
安 ....
夏はかき消えたわけではなくて

ものごとを何とか見よう見ようとする思いが
季節に関しても働いていて



私のタマシイも視力検査の黒い目隠しを握って
残暑側に空いてるCマー ....
天辺から雀がちゅんちゅんと

朝をまっすぐに降りてくるのが月曜日

とりとめもなくニュースは流れているように見えて

私は本当の川べりを散歩したいと思って家を出た



 ....
飛んでくるものは
ピタリと鳴き方を止めた
いつからか
呼ぶことをしない花の声

どこまで過ぎ去っていっても 
過去は形あるままで
いつからか
泣くことをやめた蝉の人


永遠とい ....
声そのものを
水にひたしたように
力を与えたい
私の届ける力
いつまで音は続いてゆくのだろう

車輪の這うところを地図にして
他の景色は見ないで
暮らすということは涙
こぼすとい ....
キャバレー「黄色い蝶」は

今日も大入り満員で

汀ではしゃぐ少女のような女達が

にゃあにゃあ落ち着かない心持を

笑い飛ばすように過ごしている

 

どこから来た ....
新しい波線が 
次の更新を終えてしまう前に 
浜辺の水跡を 
ジグザグとたどっていく

からだの左側は
いつもより無感覚に支配されて
向かってくる白い音に
何かを奪われている心地が ....
りっしんべんに 新字体の
柔らかくなる きみのかたち
なぞらえる 次ぎにくる列車の電報

ドタンド タン カッタカッタカッタ ア ゴー 

コウヒイの煙 たちのぼる屋根
スウ ....
冷たく触りきったあと
あなたの身体には何か遺るだろうか
私が夢見た痕跡は
のこるだろうか
青く澄んだ月の光のように
彼方のくぼみに 廃墟のように


(先に看取られ ....
それいゆは 金ぴかの花をにぎったまま

道草 食べて暮らせば  どこにもたどり着かないで済むと言った

それを言うは 他にはもはやだれもいなくなった

世界は枯れてしまった ....
(波の音、)

過ぎゆくものを
尊しと思いつつ
記憶も躊躇いも
心に残さず

静かなものにこそ
いっそう厳しく答え
逆巻いてくるものには
烈情を抱かず

(漁火 ....
                  
                


雨曇りに包まれた
135号線沿いの海を
古い友だちと歩いている
どんどんどんどん歩いてく
楽しくて嬉しく ....
「ここは秘密の特等席なのさ。
 嫌なことや考え事がありゃやってきて、
 仕事サボって、プカプカくつろいでんだよ」

昨日はセールスマンのおじさん、煙草をふかしながらこんな話をしてた。

誰 ....
投げやりな雨の中でも 
朝は朝としての時間を果たしてゆく

ふたつの手足 唇の動きを確かめて
私も私としての時間を果たそう



魔法使いのおばあさんが昨夜私にこう言った
 ....
おばあちゃんは83回目の誕生日だった

小さくて肩がしぼんでみえた

年の数だけ抱きしめたなら

笑って消え去りそうだった

琥珀みたいにさらさらと




83分の ....
カチコチの雪見だいふくに寝そべれば月が星がと夜が袖引く


工場長 小さな頃に書いた夢「はあとのピノをいっぱいつくる」


「北極に帰りたいの?」と「しろくま」のフルーツに ....
あの人がまるきり反対方向に消えてしまう



オレンジと黄緑が交差してベルが鳴り響く

みかさのみやでんか、って思ったより言いやすい

そんなどうでも良いおしゃべりを弄んでいると
 ....
静かな


喧噪のなかに在ってさえ
ここはいつでも
静かな水辺なのだ


心に
一本の葦が伸びていく


こんなにも
羨んだり
誹ったり
争ったり
恥じ入る ....
あすくれかおす(68)
タイトル カテゴリ Point 日付
nowadays自由詩2*09/3/18 19:53
from a-so-bo-atic自由詩3*09/3/7 22:16
新しい年に自由詩6*09/1/1 15:02
きょうの天国自由詩3*08/12/19 20:58
conversation自由詩0*08/12/16 21:56
ウィンタ・タンカ短歌3*08/12/15 2:58
ウィンタ・トーク自由詩3*08/12/10 21:49
静脈自由詩8*08/11/6 23:29
reflecting telescope take2自由詩4*08/10/16 19:47
reflecting telescope自由詩1*08/10/14 21:12
紐と輪自由詩5*08/10/10 16:51
from 終わりの次自由詩4*08/9/23 12:04
fellowships自由詩11+*08/9/4 0:42
around自由詩3*08/8/24 20:53
黄色い蝶2自由詩1*08/8/7 22:26
Clematis自由詩2*08/7/19 9:15
from lim shin自由詩5*08/7/17 22:02
黄色い蝶1自由詩4*08/7/16 13:28
早朝よせて自由詩5*08/7/14 9:26
Cepheid自由詩3*08/6/30 20:22
0714flau schmiedt自由詩5*08/6/28 5:51
サンサーラ自由詩2*08/6/27 0:32
いけない自由詩2*08/6/22 8:34
熱海の墓標自由詩3*08/5/22 17:15
マドイホタルのはなし散文(批評 ...3*08/5/19 13:36
逆兎自由詩4*08/3/29 8:50
83ばあちゃん自由詩5*08/3/11 23:14
愛するアイス短歌8*08/2/26 12:56
あの人がまるきり反対方向に消えてしまう自由詩2*08/2/24 22:32
慈雨自由詩1*08/2/20 22:42

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