記憶していたものは嘘だった。
時計のアラームが鳴る。
すでに世界は光に満ちている。
思い返すほどもなく、記憶は消えていく。
夢は、触れた肌、触れられた肌。
夢は消えていく。
感情が、とても繊細になる時がある。たぶん、季節の変わり目にだと思う。空気に反射する光の違いが、如実に表れる。
視覚と聴覚は遠隔的に、外部の環境を内部に受け入れる。蚤ほどの身一点が、視覚と聴覚を通じて ....
武田剛三が引退した時、テレビショーの演出かもしれないが、家族が出来て死ぬのが怖くなった、と引退の決心をしたエピソードを話していた。
他の選手達が家族のために戦う、とリングに上がるのに対して、武田剛三 ....
僕の姉の名前はアンドウユウコだ。
小さい頃、地元のニュースキャスターにアンドウイサオ、という僕と同じ名前のキャスターがいた。
当然、姉はアンドウユウコ、僕はアンドウイサオで、どっちがより有 ....
電車のつり革につかまり、揺らいでいる男性。
おそらく、電車が止まる度に生じる力に抗する力を持っていないのだ。
男は頭をうなだれている。
よろめく姿から想像する。
彼は、今眠くて仕方ないのだ。
 ....
スタート。

ゴール。

合理性。一つのしぐさで結ばれる、線。
計算式。

3分の1。
3cmと1cm
1cmと0.33333333・・・・・・・cm。

点は何もあらわさない。 ....
最終電車。降車する人の群れ。渋谷駅へ向かうホームの光は消されている。
最終確認をする駅員の姿。

電車から降りる。込み合った車内ではうまく呼吸が出来ない。人の波から外れて、立ち止まり、呼吸をする ....
拝啓から敬具まで。
保険会社のプラットフォームは、
全人類の安全は保障できません。

殺すことが目的となった戦争を、
ボトル・オブ・ブリテンの前身は、
惨敗で糾弾する。

戦いの結果、 ....
メガネをかけた、小さな年老いた首相は、辞職を宣言する。
彼に炊かれたフラッシュは、孤立を強いる。

「我々」は「君」と「僕」に無限に分割される。
かつて、「我々」と、語った唯一の宇宙は、 ....
赤信号は点滅していた。
 
 注意して渡れ。

アルカディア盆地、縦断する自転車。
 
 調子は、やや右ふくろはぎに張りがありとの事。

わずかに灯す、自転車のヘッドライト。
直線で ....
午後6時、早々に暗くなった道を
蛙は横断する。
警戒するヘッドライトはまだ十分な距離がある。

1918年、食用に連れてこられた
彼らの祖先は、食べられることよりも、
食べることにその力を ....
黒板には白いチョークで円が書かれていた。
その上には12グラムと。
この丸い西瓜を3人で分けるとどうなる?と教師は質問した。
手を上げた女子は、3グラムずつになります、と答える。
小学校6年の ....
祖父は毎日欠かさずに山へ通った。
祖父の自慢の果樹園には、桃、栗、林檎などがなった。
かつては、興味津々だった孫たちも、もうカブトムシやらには無関心だったし、
毎年届く2箱の林檎には飽き飽きして ....
夜、電灯は道を照らすが、未知を照らしはしない。
50m間隔の、それ以上の、疎らな電灯の列。
虫の群れは光に屯する。

男は虫だ、と怒鳴った。
それは、誰かに対する抗議だったのか。
静聴する ....
苛立っているのは誰か。
人差し指が差す方角には、砂利取り場がある。
緑に覆われた、不恰好な山の斜面では、
今もビアガーデンがされている。
亡霊たちの。
いわくつきの食用蛙たちの。

西瓜 ....
無表情な紙を見つめていた。
彼女は、本を眺めている。
それから、ここはどこだろうか。

デザインは関係性である、と。
壇上に。それがあるいは、祖父であったように。

りんごの枝が空。輪郭 ....
久々に雨が降った翌日、
目が覚めると、南向きの窓から光が差していた。
昨日の天気予報では、今日も雨が降るんじゃなかっただろうか、と
思いながら窓の外をぼんやりと見ていた。
窓の外は、いつもより ....
光っている、その表面を、触れようとして、手を伸ばしてみても、
それは、無色透明な、光のようなもの。

知っているよ、と、伸ばした手をそのままに、
ごまかすようにして、手の平を、開いたり閉じたり ....
 神奈川県横浜市、みなとみらいにある大きな観覧車の中央に、電光の時計がついている。まだ、大学を卒業する前の頃だった。友人の知り合いの女の子が、モノクロの写真を大量に持ってきて見せてくれた時があった。そ .... 冬の乾いた空に、雲は一つもなかった。名鉄一ノ宮駅から商店街へ向けて歩く。
昼に近い時間。人の往来はわずかだ。
日本の人口は、東京、大阪、名古屋の三大都市に集中している。
名古屋ではない、ここもま ....
テレビの画面、右上のコード、気にならないだろうか。
ベランダの隙間から、冷たい空気が入る。
気にしているのは、右足の先端だけ。執拗に表示された
コード。
朝までには、眠らなければならなかった。 ....
もちろん、知っていることだ。
同様にしてそれらは嘘。歩道橋の上、
先制する構えをとる。で、
教えを施そうとする。無視する人込みにも、
気にしてはならない。
お釈迦様がそういっていたではないか ....
たぶん、から始めれば、
時として、も、外れはしないだろう。
ガラス、塀の中。
ぼやけて映る、後ろ姿。
たぶん、知らない人だ。
 横浜からJR横浜線で北へ5駅。閑静な住宅地に成長しつつある鴨居駅周辺には、鶴見川が流れている。インターネットで調べてみると、鶴見川の源泉は東京の町田市にあるという。全長42.5キロ、流域面積235k .... 夜になる。
テレビを消した静けさが嫌いだ、と彼女は言う。
その横、彼は頷いていただろう。
夜になった。薄い群青色の空が、
夜になった、と。たぶん。
部屋の明かりをつける。
明かりをつけない ....
全天候では歓声に湧いていた。
もしくはため息。
ゴールラインを越えた男は
倒れこむ。雨は降っていた?
少し濡れてるね。
両手は宙に。それは、
空のためではない。悲鳴のように叫ばれた、
彼 ....
 目が覚める。手に握られていた、ゴミのような紙。領収書。宛名は空白だった。枕には涎が着いている。アルコールの匂いがする。カーテンから光が差す。胃に違和感があった。消化不良だろう。布団から起き上がる。水 .... 数万の手拍子が群がる。
見つめる視線。その先の姿。

 覚えているだろうか
 右手が宙に浮いた時のことを

歓声は上がる。
声は地上にとどまり続けるだろう。
 太陽は月を殺す。早朝、渋谷、センター街。青白い空に太陽は輝く。その光は月を貫く。月は今にも消えてなくなりそうだった。だが、その姿を見るものはいない。歩く人たちは、輝く太陽の光を片手で遮っている。眩し ....  それも、冷たい風が吹く日だった。故郷の駅に降りる。駅には誰もいない。紅葉が始まった山。駅前には農協の建物がある。それ以外、店らしいものはなかった。肩にかけた旅行カバンを下ろした。すぐに、と責める声が ....
ブライアン(133)
タイトル カテゴリ Point 日付
夢の記憶自由詩110/3/15 23:01
アルカディアユートピア散文(批評 ...2*10/3/14 22:55
未だに僕は戦争を悪だと断定できないし、もちろんテロについても ...散文(批評 ...010/2/17 0:00
ユウコトイサオ散文(批評 ...210/1/24 3:22
芦毛の伝説散文(批評 ...110/1/3 19:18
かけら。自由詩009/12/26 2:50
国道246号線、寒い寒い日自由詩4*09/12/23 22:05
バトル・オブ自由詩2+09/10/10 3:24
神の振らないサイコロを人は振る自由詩2*09/10/3 1:13
こちら、アルカディア盆地、縦断する自転車、状況は、やや不調。自由詩109/9/23 3:03
蛙は帰る自由詩309/9/19 22:41
分け隔てる自由詩2*09/9/18 23:14
酔歌自由詩1*09/9/7 23:39
ノスタルジーの沈黙自由詩109/9/4 22:26
北緯38度線自由詩009/9/3 0:07
りんごの輪郭と甘み自由詩109/8/30 21:17
春の湿度自由詩209/4/17 0:44
緑道自由詩209/4/12 1:25
回覧車Ⅴ散文(批評 ...209/3/15 4:36
一ノ宮駅、午前11時自由詩209/2/5 23:47
深夜の4部作自由詩009/1/25 4:07
秘術にはまだ寒い自由詩109/1/18 4:46
たぶん、外れはしないだろう自由詩109/1/12 3:13
魚の声散文(批評 ...1*09/1/11 4:17
その日の半前日には、自由詩208/12/23 0:34
もしくは、ため息自由詩008/12/14 22:03
誰もを好きでいなければいけないのか散文(批評 ...3*08/12/7 1:46
透き通るような青い空なんかいらない自由詩008/12/1 23:42
<SUN KILL MOON>-fine散文(批評 ...1*08/11/12 22:40
<SUN KILL MOON>-for散文(批評 ...0*08/11/2 21:17

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