僕にとって理想とは可能性のことです。僕の詩『情景、雨宿り』が指し示す意味の一つの要素として「羽=可能性(=理想)」という意味が込められています。人間として、そろそろ本当の意味で信念を貫くときがやって ....
何故を反芻しながら
白湯の雨が打ち付け
通りの薄暗い道を疾走する
かぼそい蛍光灯の壊れた光も
消えた僕を無意識に投影する
細い視界の先の
見えない光を見据えながら
失踪する
....
馬頭観音の前で出会った
見知らぬおばさんと僕は
暫くの間、何かを話した
僕は何を話したのか は
あまり覚えていない
僕の前世やら
僕の霊気やら
彼女の生い立ちやら
偶然は偶然ではないと ....
?…
その子供は「羽が生まれつきなかったから飛べなかった」と言うのですが、羽など誰にも見えるものじゃあない
。じゃあ、青年はその子に尋ねました
「君には他の人に羽があると思う?」
す ....
?…
駅前の赤い
陽射しが街の風景を
揺らし燃えている。
一人で電車を降りると、
少し離れた鉄橋に後姿が
見える。
その人は太陽の
逆光を浴びて
黒い影を
浮かび上がら ....
1…
他人を思いやり
思っていることを口に出す
会話で感情的になることは少なく
相手の長所に良く気がつく
物事を分析的に良く考えてから決め
理想を持って、その実現に努力し
子供や他人の世 ....
(再び偏った意見を述べるのかもしれない)
「愛」とは明治時代に日本に輸入されてきた言葉だという。それまで「愛」というものを日本人は、「恋」「友情」「情け」「仁」「人情」などで使い分けてきたそうだ ....
一日、一日、僅かに、ずれていく、思い
正座して、布団に横になり、仰向けから、うつ伏せへ
窓は、白か黒か、或いは、黄色い
声、子供たちの黄色い
或いは、夜の静寂
そして、電気は付けたまま
....
皹入る空に吐息
(ステンドグラスに手をかざす)
冷血の雲になって
夜空を漂った
(粉々の破片)
雲の白鳥は、闇の境界線の上
(黒色のガラス/夜空)
湖とは、沈められた記憶のことだった
....
地下鉄の人々
無数の足が階段を昇る音
振動する灰色のアスファルトが剥き出しの壁
銀色の車体の煙草臭い車内
黄色い線の上の電光掲示板に
白くぼんやり浮かぶ駅名が繰り返される
無機質のアナウン ....
水道の蛇口を軽く捻ると
中から水がポタポタ流れ出てくる
「それは涙だ」
と誰かが呟いた
言われなくても分かっている
これは涙だ
それは音を立てて溜まっていく
洗面器の上の鏡に男が映っ ....
緑色の少年が白光の中を泣きながら歩いている
彼の、砂利道を隔てた向こう側の意識の中には
水色の少女の後姿があぜ道を逸れて歩いている
そうして彼女はいつも田んぼの水の中へ沈んでしまう
だから彼は ....
澄み切った夜の
雪山の上を 峻坂を
流れていく ぼんやりと 光と
見上げた空に
張るような新雪の斜面を
僅かな反射が一瞬を煌き 銀色の月が白い地上を
流れていくのを見ていた とても広い ....
僕は何かをとても好きになることがよくあるが、同時に、それに対して批判的な考えも持つ努力をしている。完全にソレに共感した事など、ただの一度も無い事を書いておきたい。僕は最終的に「愛」を肯定したいと思って ....
感情は、全て自分でコントロールすることが可能かもしれない。例えば何も楽しくない時に心から楽しいと思えたり、腹立たしいことをされても笑っていられるとか、或いは絶叫マシーンに乗っても全く恐怖を感じないよう ....
収容所には煙が揺れ昇り
黒い灰が風に舞っていた
坂道を上りきった辺りで
俺は砂利道を駆けていた
工場に向かって
一人の女と街角でぶつかった
奴は俺の顔を睨んで何かを言ったが
俺は ....
(僕を殺した声を殺す為に
知る時計の音)
堅固なピラミッドの秩序が崩壊していく
不可視のラジオの雑音の中で目覚めて
無機質な時計の音が永遠に鳴っていたこと
記憶の朝、
白い光の電 ....
ぐるり
(一)
いつか必ず弾ける
儚く揺れて
緊張を保った不安定が
震えていて
無数のしゃぼんだまが浮かぶと
僕は切ない美しさの中に取り残されてしまう
....
{引用=
ニーチェ著「ツァラトゥストラはかく語りき」より 一部、内容抜粋
}
深淵の世界には 誰もが行き着く門があり
門の傍に一人の人間がいて僕は彼に誓った
「求道の門を抜ける」
彼 ....
斜陽。窓が次第に夕暮れになっていく
このところの自室の空気は 白いカーテンを覆っていて 収納棚の内側から大勢の女子供たちがガヤガヤと騒ぎ「はやく、はやく、」と叫んでいる。布団の上に倒れこみ目を瞑る ....
白紙のような夜には
目を瞑れば金色の旋律が細い糸をゆったりと垂らして(何処にいった)
時を止めたようにさらさらと揺れているので―――――・・・落ちていく―――――
落ちていく記憶 ....
白紙のような夜には
目を瞑れば金色の旋律が細い糸をゆったりと垂らして
時を止めたようにさらさらと揺れているので(・・・落ちていく)虹色の部屋に
ハンモックを掛けよう
天井を ....
静かな
白い波打ち際の日
僕の息が風
少年は貝殻を探す
波と
鼓動が聞こえる
入道雲
笑いかけた日が
空を駆け抜ける
茜色の落ち葉を
歩道に叩きつけた日も
僕の息は枯葉を ....
階段を駆け上がる
少年の姿
朝の陽が
ビルに白い息を掛ける
いつもより薄い青空は
いつもより
高いところにある
透明の空間に残響する
鉄の階段を駆け上がる
少年の色
僕の影 ....
(誰も)[帰途の光]
いない
アスファルトは、
黒すぎるアスファルトは
重すぎる
(反射)足音は/白線は
寂しい
電燈の電柱
電線のカラス
雨
マンホール ....
【硝子の川】
川の水の結晶
鋭角の紋様を形作り
白く切る
葉が流れる
白い血潮の上
銀色の岩が
透明すぎる心を
切り裂いている
きっと夜には 涙も流れる
流星の軌跡に ....
閉じていく今日
光の輪郭を形成する自由な太陽が
緑色の淡い円を発光させながら
次第に抽象に移りゆく
不規則にこんがらがって
結ばれた約束は
シンプルに解ける
目を瞑る/目を開く
何 ....
わたしの家に来るときは
あなたは私を心から
好きだと言わなければなりません
そしてその後二人して
円い机で二人して
花瓶の花に浮かんでる
水滴について語り合いたい
窓の外はもう薄暗くて
....
枯葉散る
人の去る後
涙打つ
この空白を
身に滲ませる
{引用=
痛みから目を逸らさずに
真正面から受け入れて
それでも強く生きていこう。
人には良く笑おう。
進んで挨 ....
止めて
教えて
今 僕の胸から手が伸びていて
何かを欲している
空に飛んでいくって
どんな気持ちかな・・・
涙って何だろう
僕の目から
鼻から
痛々しい感情が
真っ直ぐに伸びて ....
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