みんなでつくりあげることが
たいせつなんだよ
それは間違いない
のだろうけど
花壇の外れの
ハルジオン
の小さな花の前で
シジミ達が順番待ちしている
その風景もまた真実なんだろう
 ....
少し湿ったね と
旧道沿いの
あしもとのほうから
梅雨のにおい と
祖父のにおいがした


ふりかえると
あたり一面にシャガの花

思い出すひとがいるから
咲くのだろう
 ....
やらなければいけないことが
たまっている
そんな時にかぎって
思い出すことがある


親水公園からの帰りみち
あの
  ふたつめの花がかわいかった
と聞こえたのだけど
あぁ 
と ....
毎年
命日にも帰ることができなくて
申し訳ありませんでした
ずっと歩きまわって
とても広い世界を見ていたのです
が結局
この縁側に戻って来ました

少しの間だけ
かけさせてもらっ ....
思い出を右から左に
並べて行く

海の見える場所に
家を建てた
波の音が聞こえ
潮風が吹いて
ウミネコでも鳴けば
と思い続けてもう
ペンキもはがれてきたのに

ぼくの昨日は消 ....
ソメイヨシノ
はクローンです
と理科の池野先生が言った
そこの桜も
不忍池のも
ポトマック川のほとりのも
同じように咲きます

その花達は
実を成すためではなく
咲くために咲 ....
  

お祝いに
山羊をつぶした
生まれたときはとても可愛い
しろだった

誰ともなく唄い始めたのは
誰かを忘れないためかもしれない
誰かを忘れるためかもしれない

とても可愛い ....
  

ファイヤーバードが
ときどき僕の心のどっかにとまって
翼を丸めて
うずくまってしまう

テレビでもネットでも
世界のニュースが流れている
その側で
キーボードを叩くたくさん ....
  

風の音を聞くように
Yさんの口癖を久しぶりに聞いた
嬉しくなるはずなのに
昨日はなんだか寂しくなって
帰りはとても早足になった

明日の明日がやってくることを
あんなに望んで ....
君が笑ってるなら
偽物でいいかと思う

プラグのはじっこから放電された
言葉が
穴の開いた心には帯電されず
熱を発することもできない


君も偽物だったならばと
あお あお 
 ....
田舎郊外の空き地に
パチンコ屋が建った
また建った

今度はフィットネスが建った
あそこにも建った

葦の原には
ヨットハーバーもできるって

もう
石拾いをする洟垂れ小僧 ....
 

心のなにかが抜けているよ


ちょびひげさんが教えてくれた


人に必要なものはなんですか
ということを
五択では問えない
君達の痛みも五択じゃない
マークシートリーダ ....
僕が鶴の森に行くのは
落ち葉やコインはもちろん
少し大きな石をひっくり返してでも
そこに隠れている
夕焼けを
あの日の夕焼けを見たい
からで
森に行けないときは
こうして目を閉 ....
でんりゅうとまると
しびれるんやて
しびれたら
いたくなくなるんやて
ほんで
いたくなくなるまで
しびれてしまいたいんか
いうたら
そこそこはいたみも
のこてるほうが
ええおもいで ....
海の動物になりたかった
海に行きたかった

底の方で
脊髄が列車のように並んで
色のない海老が
乗客のようにじっとしている

マリンスノーの中
錆びてしまいたかった

潮を ....
たいしたことじゃない
季節の変わり目に強がって
いつも風邪をひいてしまう
そんなもの
僕が消えた夜は
あの人はなんて優しかったんだろう
なんて泣き屋は呼ばなくてもいい
きりぎりす
 ....
どうも ありがとう

そこそこ元気でやってます
たぶんなにかを毎日忘れてる
からなんでしょう


ところで あなたは?
と聞き返せないところが
なお茜の空に消えてゆきそうです
 ....
やさしいひとが
笑えない世の中で
山河に吠えている

一体何と戦っているんだ


それでも
もっとやさしいひとが
壊れた土手を
直している






{引用=「即興 ....
出だしのことばにつまったままの僕に
アルフレッドの声が聞こえてきた


     日常を越えられない世界で
     はいずり廻る者達のための
     優しい歌が好き
     この世 ....
窮屈そうな
言葉たちをほどいて
その向こうの空を見る

いつかのため息もほどいて
その向こうの青空を見る




さよならさえも言えない
あの人は
何と戦っていると言うんだろう ....
ラジオの
途切れ途切れの音が
明日へ、
   明日へ、
とつぶやいている
のに

赤いほっぺたの頃へと
続く夜が
いつまでも車窓を流れてる

さよならと
おやすみと

りん ....
そんな事も知らない間に
大人になったので
泣き屋に
ひとつのパンで
泣いてもらった

それでも
わからない顔をしている僕に
泣き屋は
パンを返してくれた

彼女は家に帰 ....
あたし
夢のように消えた
夕べの歩行者天国
浴衣の君のように


    美しい国って
    もう来ないんでしょうか
    もうやって来たんでしょうか
    それともと ....
  

晴れない空がある
晴れた空もある
ゆれた気持ちがある
手垢のついたおもちゃがある

微分したキャンディーは溶けて
積分した気持ちは夕焼けに

父がいた
母がいた
笑って ....
桟橋に立ちながら
ゆれる火を見る

歓声とともに
キリコが海に投げ込まれる

帰っておいで
と誰かが言う

とっくに消えてしまったものが
ぽっ と灯って
じゅっ って
 ....
季節をいつも読み違えるものだから
あの人は憎めないとか可愛いとか
言われ続けても
当の本人は必死でもがいている



一粒の種だった 
それがあなた
今ようやく根を張るところ ....
明日も
来ていいですか
と問いかけるのが
私の日課で
でも
獣らしきものは
月の暦の朔日のみで

あとは静かな小波のような
ほのかな思いが
引いてゆくような
満ちてくるような
 ....
なんだかいつも
青い空だったような気がする

手を合わせる人の横で
小さな子が
走りまわっていたような気がする

遠くから
懐かしい歌が聞こえてきて
それはもう当たり前のことのよ ....
ひとつのあなたと

無数のあなたが戦っている


しんどい時は

泣いてもええよ って




{引用=fromAB}
  

抱きしめたもの
全部ひっくるめて
冷蔵便で送るよ
君にとってはもう
要らないものばかり
かもしれない




{引用=fromAB}
AB(なかほど)(631)
タイトル カテゴリ Point 日付
ハルジオン自由詩508/6/18 0:08
シャガ自由詩808/6/13 0:39
ニワゼキショウ自由詩508/6/11 19:51
三丁目の奥手さん自由詩308/6/6 19:27
あかさたな限界自由詩1008/4/15 23:49
さくら祭り自由詩9*08/4/1 8:25
カニバリズム自由詩508/3/23 21:17
ファイヤーバード自由詩408/3/18 0:10
それほど遠い場所じゃないけど自由詩208/3/8 21:35
偽物の光と影を借りにゆく自由詩108/2/7 23:09
盗賊自由詩508/1/31 12:57
痛覚レセプタ自由詩408/1/21 20:19
夕焼けが足りない 7[group]自由詩108/1/19 12:05
でんりゅう自由詩407/12/28 12:10
機関車とくじら自由詩607/12/16 0:07
冬になれば野たれ死ぬだけのキリギリス自由詩307/10/22 18:18
[拝啓。/君は元気ですか?]自由詩507/10/11 20:03
美しかった国自由詩507/9/18 17:42
フラグメンツ・昨夜の歌自由詩407/9/13 12:55
回折格子自由詩607/9/11 0:08
寝台車自由詩807/9/4 21:35
やさしみ自由詩307/8/27 18:42
光速の美夏自由詩607/8/21 0:36
ポケットに速度自由詩307/8/6 8:47
しちがつの祭り自由詩207/7/27 22:26
血液から生え出す植物、青。自由詩407/7/19 17:28
月刊「動物園」自由詩807/7/9 18:59
かりゆしウェア自由詩5*07/6/25 17:24
無数のあなた自由詩307/6/13 23:21
東京パック自由詩1007/6/5 8:40

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