どちらから

わたしの見ている世界は一つではないらしい
多次元的(あくまでも「的」)に
連なった酔った琴線

縁側の夜で
わらう猫
どちらから

白の黒さから
歪んだ笑み
しか ....
{ルビ理由=ワケ}もなく泣いた 空の{ルビ下=モト}
見あげればとどかない青い空

手をのばしせつなさ鮮やかに弾けた
絶望の声 咲く花
切望の音 行く風
流れる時をつなぎとめていたい
螺 ....
は、しめっているというのに
雨は、
雨の
仄暗き
雨の奥へは。
らんららんららん

質量に囚われず
なんてつべこべいわず
我が身を笑え
されど迷うなかれ

じっとりとした空気は ....
ああ、旅をしているんだな。
揺れるクレマチスの青い花。
ああ、ひとりでいるんだな。
夏が、終るとするにおいが、
今日はしているのだけれど、
どうしてなんだろう。はて、
どこへ行こうとしてい ....
お早うございます
お早うございます
朝の空気は、
ひとしきり
健やかである

しかしこんなに曇った
朝はどこか
薄闇色の逃避行

それでも朝は
お早うございます
あいさつ、をす ....
夏の幻に消えいりそうな呼吸音
いますこし
いますこし失うものは
命のみほかはぜんぶ
あげる
あげる過去の熱

無重力する
肺をこげつかせる
ゆううつな吐露
だすあてのない
手紙机 ....
思いがけず
可笑しさがこみあげて
くるが
すぐに冷め
可能性の欠落を夢みる鋭さ

鮮やかな月に照らされて
{ルビ青灰色=せいかいしょく}の肌は
淡く
光合成を告白するが
しおりは空 ....
鬼灯が耳をそばだてている


あなたの声をききたくて


夜な夜なおもいつのらせて


あかくあかく重く秘めて


口にふくむ
いつのことだったか
おーきな木に寄りそって
声もなく泣いたのは

知ることのできた空は
果てを知らずに膨らむ奥行
しっとり流し目をすると
逃げ迷う合せ鏡の黒髪

時が来れば尽きる
 ....
渇く渇く渇く潤う
行き止りのない道を
いつまでも

忘れていることがあるにせよ
それは帰れない{ルビ道程=みちのり}であって
忘れていることなど何もないのだ

あどけないうすい影は
 ....
己を知るは己のみ
知らぬ己は白目むき
嘲る己に己嘲り

 ( そんっな事だけぇ人間は ! )
 ( こんっなモノだけぇニンゲンは ! )

誰は誰でも人は人
人は人だけぇ人 ....
恋人よ
その安らかな寝息をまもれるのか
わたしは
同じ所に{ルビ止=とど}まっていられない

飽和した
硬質な怠惰の
夏の深奥に
ワイシャツが青く干されていて
ノイズの走るレコードが ....
カツン
病院の夜
廊下に映る非常灯
漂う薬品のにおいに
鈍く刺激される静寂

今夜は無風
女はそういったことを言ったと思う
喫煙所の密室(いまどき室内なんて珍しい)
いつからここにい ....
  チョコレート

チョコレートの包みを
あけたのは
退屈なカエルが
土の中から這い出て
鳴いたから


  スカーフ

ほめたら{ルビ白髪=しらが}まじりの
老婆がくれた
 ....
雨ですねぇ
雨ですねぇ

夜中にふる雨は
なぜか
さわがしくてしずか

布団の中で
ほくほくときいているのに
冬の雨は
身にしみて
つめたあい音がす
 る

ぽと ほと と ....
(〜イキル事など オシマイダ〜)

(〜イキル事など オシマイダ〜)



己の{ルビ深淵=しんえん}に 浮かぶ銀河は次元の彼方


独りのものには

花火の音で事たりる
 ....
 ボク

ボクは、僕といわない。
それは、シモベとよむから。

一羽の蝶が飛んでるよ


  あなたとわたし

わたしは、あなたから生れた。
そして、母も父も
わたしにはいない ....
( The result to the affirmation which is not allowed )



碧落の空に

にじむ 朱き星


凛々と

白虹 纏う

 ....
夏の情熱の裏側に
すらっと伸びた少年少女の
腕がつかみそこねた{ルビ目差=まなざし}を
冷たく崩れてゆく陽炎

囚われた脈動は
透けていく意識となって
{ルビ中性花=ちゅうせいか}の宙吊 ....
ほほ、
雨上りの風が、
ほほをなぜてゆく
にわか雨の詩人は、
詩を吐いてまっかっか
死んじゃった

時は八月六日、
つるをのばしたつぼみの花は
夜空のかすみをうらめしげ
ええ、こと ....
チリン

チリンリン

チチリン

チリンリン ラン

ラランラン

チリンランウタウタウ

傘をたたく

しめってゆく
ゆく
ひとり
傘の下
の体温
しめってゆく
ゆく
鼻歌
とおる とおってとおる
ハイヒール
しめりながら高く
雨と合わさり

の改札 ....
いずれ姿を消す
だろう月光
光を失った者の記憶には残ら、ず
されどその引力は
植物の{ルビ枝葉=しよう}に
昆虫の触角に
魚の尾びれに
爬虫類の肺に
鳥の翼に
哺乳類の脳に
空の風 ....
ただひとつの
重力を{ルビ孕=はら}んだ
かたむく裸身
皮フの曲線を
記憶しながら流れていくシャワー
{ルビ邪=よこしま}をすべりおちる断片の…
純粋
…思欲のふくらむ三つ首
まだ虚ろ ....
そっと
なぞる
なぞ る

 つみかさなった
  夕べの
   夕日の
      赤
   重さの
  重みの
 重なり
心の
 芯の

構築されてゆく
{ルビ恋恋 ....
青の月影ふくらん で

継がれ た空 は雫いろ

宵越すカラダ忘れ 際

遠く瞬 きシズ メタリ


  ユ ゥスズムコエタカ クシテアツ クナリ


さめた眼射しアンチ
 ....
あなた
小首をかしげて
地面の底の
深く流れる息遣いを
その深い色した瞳に感じて
あら、生きていたのね
なんて
おちょこでしっとり日本酒を
なめては池の月影を
ため息ついては細くなり ....
雨・・

と、今日の世界を書き記す。
ここからどこへ
行くというのか。
どこへ?
決まっているじゃないか
そこへ。
そこ?
そうそこ。
ここ?
そうここ。
どこなんだここ。
 ....
黙る
さも何か居るかのように
いいでしょう?
カンナサルビアホウセンカ…
すべて食して夏に{ルビ副=そ}う

しんと訪れる
宵の膨張空間
{ルビ世迷=よま}い言すべらせる
「あたし何 ....
ヒトに生まれてきたのでした

死を放った放物線に
何も絡ませる事も無く
時の歪むのも構わず
日を含んだ風に戦ぐ葉に
影をゆらす

私が揺れている
火の声を聞くようになってから
いつ ....
こしごえ(948)
タイトル カテゴリ Point 日付
それは不意におとずれた自由詩4*05/7/28 16:11
ワケ自由詩4*05/7/28 14:34
雨の晴れやかなこと自由詩7*05/7/28 14:16
灰色の実自由詩12*05/7/26 9:28
あいさつ自由詩6*05/7/25 15:17
孤独の。熱自由詩10*05/7/25 9:51
満月のジョーク自由詩10*05/7/23 14:46
鬼灯(ほおずき)携帯写真+ ...9*05/7/22 12:42
白濁の樹自由詩10*05/7/21 15:20
主婦自由詩12*05/7/17 11:43
しろめ自由詩4*05/7/17 11:37
待合せ自由詩8*05/7/16 13:59
クライシス自由詩11*05/7/14 14:16
冬眠自由詩15*05/7/12 14:24
リズム自由詩9*05/7/12 14:20
嘘の細胞自由詩3*05/7/12 11:04
ウソとホント自由詩9*05/7/11 12:45
赤罪(せきざい)自由詩3*05/7/11 12:42
ドライフラワー自由詩12*05/7/10 8:27
黙葬の誕生日(もくそうのたんじょうび)自由詩11*05/7/6 15:09
風鈴携帯写真+ ...2*05/7/6 8:54
自由詩3*05/7/4 15:40
月の記憶自由詩10*05/7/4 15:37
浴する自由詩2*05/7/2 11:36
落日哀歌自由詩8*05/6/30 11:01
をつ自由詩4*05/6/28 12:59
あなた自由詩3*05/6/28 12:46
いまという未来自由詩5*05/6/28 9:44
ハイ幽霊自由詩2*05/6/25 19:09
自由詩7*05/6/18 4:23

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