雨が降っている
今年の冬は雪が降らない
鼻から空気を吸い込む
冷たくて
頭が洗われるような感じ
心なしか目もシャキッとする
きれいだ
口から空気を吸い込んでも
分からないだろう
鼻は ....
テレビで紹介されていた中華の店の
たまたま近くにいたので
楽しみにしながら
地図を見ながら行ったら
定休日だった

真っ赤な見た目なのに
そこまで辛くないらしい
ラーズー麺なるものを
 ....
迷子になったらしい女の子が
泣きながら走り去っていった
のを何もせず見送っただけの僕だ
何もしないなら
心を痛めても意味がない
つくづく僕みたいな
不審者だと思われたくない教の信者や
関 ....
スズメが電線にとまって
自然と文明の調和みたいだ
すべてのことが
こんな風であればよいのに
この土地のスズメは
山に巣があるのだろうか
では都市のスズメ
たとえばニューヨークの
スズメ ....
角刈りの雲が流れていく
左折すると見えなくなったが
あれは建物などでは決してなく
夕空をゆく
角刈りの角刈りの角刈りの雲であった
光というのは相対的で
今まで光であったものが
新たなより明るい光の登場によって
影になるので
光にもヒエラルキーがあって大変だ
明るい部屋で机の
電気スタンドを点けると
それまでは影でな ....
わたしうさぎの耳だから
見えていなくても存在を感じる
観察するように
わたしを見ているのでしょう
振り返るといなかった
気のせいだった
わたしの耳は異常な発達をしていて
いない人の存在を ....
たまに空が全体を包むような
そんな日は地動説を疑いたくなる
三六〇度の空を心で眺めている
中を視ている
半透明の目の中に私がいて
包むように視られているという感覚が
アフォーダンスを否定す ....
椿の葉は少しの光でも
沢山の光を受けているかのように
大粒の光を反射する
やんちゃな少年がガバッと掴んで
思いきり投げたいくつもの白い石が
空中で一時停止しているような
よく見ると可笑しな ....
ショッピングモールにある
スターバックスは行列だった
店員さんは慌ただしく
注文をとる係と
ドリンクを作る係と
仕上げて渡す係とに別れて
効率よく動いていた
照明はあえて明るすぎず
影 ....
弁当屋から出てきた
普通の格好をした普通のおばちゃんが
グレーの軽自動車まで歩いていく
弁当屋から出てきた
作業着にベストを着たおっさんが
仕事用の車まで歩いていく
ただそれだけのことなの ....
西宮神社で行われた
福男を決めるレースを
テレビが取り上げていた
一位になった男は
俺と同い年くらいの
体育教師だった

赤い服を着て
途中からは独走状態
ゴールをすると
勢いを ....
隕石が降ってきたので寝ます
おはよう
三本の吸いがらを並べて
川の字にする
川の字は実際の川を
上手に簡潔に表現している

私が漢字なら
縦に一本、曲線をひいて
右上にちょぼ


と書いて「ぬふ」と読む
 ....
赤い信号の光りが
濡れたアスファルトに落ちて
滲むように拡がっている

思い込みに過ぎないけれど
濃くて固定された光りと
薄くて拡がる光りの違いが
誰かさんと私との違いを
抽象的に表 ....
老婆が手押し車で
自動車がなければ生活できない
田舎の道を歩いている
どこから来たのか
どこへ行くのか
始まりも
終わりも見えない
一人ぼっちで
寒風に吹かれて、それでも
歩かなくて ....
窓の外を眺めていると
パトカーが踏切のところにいて
(はっ、
シートベルトをしていない)
一瞬焦って
あっ、これ電車だ
(大きくなった胸の鼓動が
ひとつ空振りをして
楽しみにしていた僕 ....
からからに枯れた紅葉が一枚、地面の少し上から降ってきて、ユニクロの入口に着陸した。木から落ちたのではないらしく、どちらかというと手品のように地面の少し上にパッと現れたらしかった。紅葉はからっからに枯れ .... パチンコで負けた金がいま手元にあれば
ipadを買うが
パチンコで負けた金がいま本当に手元にあれば
またパチンコ屋へ行くだろう

ガッデム
夏グループの仲間は
もうみんな帰ってしまったのに
僕だけ取り残されて冬が到来した
使わないなら仕舞うように
約束を守れない大人のせいで
僕は異物みたいに抗うこともなく
ただ惨めな思いをして ....
椿の葉が真白な石のように
陽の光を受けて輝いている
濃いピンクの花は
お正月から蜂を待っている

朝のお墓で
祖父に手を合わす
声は出していないのに
言葉がポコポコと出てきて
声を ....
街灯の明かりが夜の川に映って
暗さに境界はなくなり
港のような気配を漂わせている
この寒さに犬は足早で
さっさと用を足し
散歩を短く済ませようとする
何もしない家から出ない年末年始
無職 ....
明るい銃弾の色をした
めざまし時計が横たわっている
埃を布のように被って
孤独を基調として

さみしさに囚われ人は揺れる
時計の叫びにさみしさはない
小さな物のはっきりとした孤独は
 ....
たしか去年の抗生物質
インフルの検査で陰性になって
もらった抗生物質
三回目の検査でようやく陽性になって
飲まなくなった抗生物質が
ヘッドボードに置かれてある

袋の形がスマホみたいだ ....
電気スタンドの明かりに
積まれた本やらは
箪笥の戸にくっきりと影をつくる
曖昧さのない
算数のような稜線を滑っていく
ジャンパーが着地したのは
真っ白な雪の上でした
ぬくい炉の夢でした
スリープ状態の
パソコンの黒い画面が
この部屋にあっては
異世界への入り口のようで
なんだか夢がある
画面に触れてみようとするが
折角の夢が壊れると思い
触れかけた手の
指を鳴らして骨 ....
カニ食いに
田舎から田舎へ
小さなバスで
田舎と田舎
同じようで同じでない
川の広さ
道の幅
唐突に松の木
車道ギリギリまで
寄せてくる海
(海、久しぶりに見たなあ
雲間から光が ....
雨は小康状態で
放課後の気配に似た
澄んだ空気が鼻を通り抜ける
走馬灯の影が揺れる
それは微かだったから
嫌な思い出も浅瀬で泳いでいる
本当に深いところで
思い出すものさえ虚像だとして
 ....
垂直に伸びる細長い雲の
先端に触れるくらいの偉業を
永遠の少女は
軽々と成しとげる
山にとって葉は髪の毛で
紅葉づくしの山は冬になると
すっかり寂しくなってしまう
炎がもっとも燃える時
 ....
浮かんでいくものと
沈んでいくものがあって
それは浮かべる前から決まっている
沈んでいくものが浮かぶためには
手術しなくてはいけない
半分に切って
じゅくじゅくの実を取り除いて
テープで ....
mmnkt(70)
タイトル カテゴリ Point 日付
鼻サウナ自由詩020/1/21 20:51
らーずーめん自由詩220/1/20 22:26
迷子自由詩220/1/19 19:53
スズメ自由詩020/1/18 19:27
角刈りの雲自由詩220/1/17 20:27
光って相対的自由詩120/1/16 18:40
うさぎの耳自由詩1*20/1/15 19:25
二分休符自由詩220/1/14 19:45
椿の葉自由詩220/1/13 20:22
ほうじ茶クリームフラペチーノ自由詩2*20/1/12 20:38
隣の芝生自由詩120/1/11 14:03
福男自由詩020/1/10 20:21
隕石自由詩020/1/9 19:34
ぬふ自由詩2*20/1/8 19:52
光りの違い自由詩3*20/1/7 20:38
手押し車自由詩320/1/6 18:21
電車にて自由詩120/1/5 21:38
一人でも楽しい自由詩2*20/1/4 20:10
手元にあれば自由詩3*20/1/3 19:25
冬の扇風機自由詩220/1/2 18:26
墓参り自由詩020/1/1 20:04
大晦日自由詩019/12/31 20:43
めざまし時計自由詩119/12/30 18:07
抗生物質自由詩0+19/12/29 18:00
ぬくい炉の夢自由詩219/12/28 21:24
異世界自由詩119/12/28 17:43
カニ自由詩019/12/27 22:04
レモン自由詩119/12/26 20:10
全ての選択は自由詩2*19/12/25 19:44
浴槽の柚子自由詩119/12/24 20:07

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