ほろ ほろ ばいばい
ああ 無慈悲
わたしにゃなんにも 言わせちゃくれない
ころん ほろ ほろ
ほろ ほろ ばいばい
……あらやあね これ あまじょっぱい
何者かになりたかった。
でも自分には無理だと見限った私がいた。
夢を見るには心が老いていた。
夢を見ることを捨てた私の後ろ髪を、夢を見たかった私が引張る。
私はいつまでも未来に生きら ....
「清く真っ直ぐな花になりなさい」
そう言ったのは 凛と佇む聖の花
私たちの正解だった
揺るぎない 絶対の正しさ
いつか、彼女は造花だと知る
信仰してきた正しさは虚構で
ど ....
月明かり照らす銀雪瞬きて掬う我が手は熱に浮かされ
垣間見る竹垣のもと粗目雪日は過ぎ去れど募るばかりで
牡丹雪つもり唐傘かしげさす覗く君の手白にまぎれて
さようならかき消して ....
ふやけたあんぱんを
ひとくちぶんだけちぎったら
かすかな塩味といっしょに
口に放って
甘いも苦いも
そしゃくする
ゆっくり
じっくり
たいせつに
ひとくち ....
夜暗の{ルビ静寂=しじま}を木がさらい
あしたの歯車が回りだす
小鳥のうたにくるまれたなら
いのちは深く息を吸う
{ルビ一夜=ひとよ}を越えて去る星に
またねと花が笑いかけた
....
去りし夏に想い馳せる
霞むさきに君の背中
来る秋にはもう見えず
すすき揺らして駆けだした
留まる冬に腕を抱き
積もる白雪眺めている
巡る春が溶かしてゆく
君よ迷わず土を踏 ....
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