電話のベルが鳴る
ぼくのペニスより
数センチ短いサイズのケータイだ
女はそれを握り締め
かすれた声でこう言った

面倒だから後にして

必要なものか
不要なものかなんて
た ....
真夜中の0時に
セルフのガソリンスタンドで
車の給油口に
ホースを突っ込んでいる人を見ていた

斜め向かいのローソンで
金髪に髪を染めた少年たちがたむろする
真夜中の307号線
 ....
ペンギンみたいに
体を凍てつかせながら
通勤電車に乗っている
つり革の輪っか
まるで手錠みたいだ
一度そこに首が通らないか
試してみたことがある
猫じゃあるまいし
通るわけもな ....
今はっきりと定義できることがある
グラスを突き出したミミに
ぼくは言った

バーの窓から見える
道端の畑に
馬鈴薯の花が開いているのが見え
ミミの目は
潤んでいた

彼 ....
フランスというのはダチョウの名だ
ダチョウは車のサイドミラーの角度を直すと
振り向いてぼくにこう言った
慣れたか?
えっ?!
この土地に慣れたかって訊いてんだよ
車のキーをまわすと ....
クマは冷蔵庫をパチっと開けると
缶ビールを取り出し
プルトップを上げた
裸足で踏むキッチンの床はとても冷たく
クマがノコノコ歩くたび嫌な音がした

「ベルト買わなきゃ」

クマ ....
街を見下ろせる ガラス越しの喫茶店で
小さな椅子に腰をかけ
ふたりはよくそこで コーヒーを飲んでから仕事へいく
まだあどけない少女だった頃から
彼女を僕は知っていて

なんの変哲も ....
ある日ぼくはコンビニでブタと出会った
黄色と白のストライプの入ったパラソルを握り締め
成人雑誌コーナーでブタは立ち読みをしていた
彼の背中とすれ違うと
どんなに待ったと思う?
ブ ....
真夜中の0時に
セルフのガソリンスタンドで
車の給油口に
ホースを突っ込んでいる人を見ていた

斜め向かいのローソンで
金髪に髪を染めた少年たちがたむろする
真夜中の307号 ....
3丁目のタバコ屋さんの角を曲がった
ラーメン屋の入り口で
刃物を持ったヘンドリックが泣いていた
しかもガラスの自動扉に挟まって
動けないでいたのだ

とっぷりと太ったお腹がギュッと ....
ねぇ
マナティの肉は
美味しいんだって

だからマナティは絶滅しそうなんだ
みんな食べちゃうから

美味しいって意味は
世の中に貢献してるってことだよね?

貢献してる順番 ....
そこはアパートメントというよりも、防空壕のようであった。
うなずけないことではない。
ココナッツマンにとって、世の中は戦場のようなものであり、

いつ黒い嘴を持ったステルス機による、絨 ....
サカテカスの路地を
さちはトボトボと歩いていた
やっと思いで辿りついた
この町の丘の上にある宿の
スプリングの弾けたベットに 彼女はグッタリと横になり
スーツケースとパンプス ....
机に足を投げ出して
エスプレッソを飲みながら
ぼくはタバコを咥えてる

日曜日の夕暮れ
気だるい西日が ブラインドの隙間から
射し込んでくる

缶ビールをパキッと開け
キ ....
「少年」という 秘密の錠剤を飲む 琥珀色した アクリルキューブ

玄界灘の 波濤を受けて 最果てをひとつ知るひと ふたつ知るひと

拒んだら もう無い様な気がしている 恋の赤道をまたぐ 子 ....
リモコンで冷房を止めると
舞はサングラスを外し
主食のサプリメントを口に入れる

白いタンクトップの下の
ブラを外すと僕は
乳房をつかみ
強くキスをする

そのまま二人はベッ ....
ブラウスのボタンをはめながら
舞ちゃんはいった「コンドーム付けてなかったでしょ」

とてもわかりやすく僕はうろたえた
さっきまでの幸福感は
まるでモネの静物画のように 静止している
 ....
冬の西日が射し込む病室で
みっちょんが見舞いに来てくれた

「朝一番の新幹線で
 大阪から来たんだよ
 お見舞いには何がいいか
 オカンと喧嘩しちゃった」

そう言って笑ったみ ....
……2014年8月9日……


真昼間の雨の鴨川ローソンで 買った傘だが5分とモタズ

グッピーの水槽を背負った少年 海まで行けば夏の心中

天井に空いた穴ぼこ数えてた 町の総合病院 緊 ....
湾岸を行く高速道路を 車で5時間くらい走っていた
後部座席ではブタが眠っている

100円ショップで買ったブタだが
カフェオレもトーストも 毎朝きちんと食べるし
 ....
色々やったさ
何年喰らっても おかしくないようなことをいっぱいね

チョコレートいるかい?

いや いいんだ 気にしないでくれ
一度ガールフレンドに 左目を打ち抜かれたことがある
 ....
駅前に黄色のキャロルを路上駐車するとクマは
ポンっとドアを叩きつけ 身軽に外へ出た

わたしは険しくなってる顔を 上げないよう
キュロットの裾を握りしめた
1時間もよ!

「 ....
砂糖黍畑の間を
女と歩いた思い出がある

二車線の道路に
茶や緑の葉っぱがせり出し
そよいでいる


陽光に放たれたその道は
とても荒れていた


一時間歩いても
 ....
ただ唸り続けるケダモノには
地球の匂いが十分に染み込んでいる

生まれた瞬間に浴びた呪文のせいで
魔法がとけない

言葉がくたばるくらいの
鮮明な魂
98階のマンションから ....
海岸道路わきに車を停め
赤い傘を立て
女の肩を抱き
突堤を海へと向かって歩く

鉛色の空が
どこまでも低く垂れこめる

雨があがった一瞬
俺たちはそこできつく抱き合って
キ ....
声をあげるべきだろうと思った

今朝はまるで空襲の後の
焼け跡の空に似ている

明るみに出ている
ニンゲンの論理
プラットホームに発着する
列車と時刻表と
疲れきった満員電車の
 ....
動物園へ行くというので、
振り落とされないように掴まる。

檻の中にいるあのクマのさ。
憎しみに満ちた目を見たかい?
アレルギーが原因で両目が塞がっちまってるって言うじゃないか。
足の ....
蛙の鳴き声を聴くのが好きさ
ぼくの家の緑に囲まれた
窓からも
そいつらの逞しい声が
よく聴こえる

近所の公民館の植栽を
しっとりと彩る
ツツジの花や葉っぱも
田んぼについた ....
ホテルの朝
女はパンツも穿かずに
うつ伏せに寝ていた
夏になる
少し前のこと

昨晩
勢いにまかせて女を抱いたが
避妊を忘れた
女の中には
俺の残した
幾つかの忘 ....
仲間を欲しがる人間の
不安と恐怖を責めてはいけないと
愚かな武装をした大人たちから
うっかりと聴いてしまったものだから

ぼくらはまた抜け目のない罠を
今日もまた一つ
職場の ....
オダ カズヒコ(65)
タイトル カテゴリ Point 日付
口紅自由詩1*14/12/24 23:42
ロープと完璧な数列自由詩1*14/12/24 22:17
つり革と病院自由詩2*14/12/24 22:10
「またね」自由詩014/11/1 19:36
アフリカの匂いがする自由詩2*14/10/27 23:21
クマの名前はヘンドリック自由詩3*14/10/26 2:25
心の庭自由詩2*14/10/26 1:51
あの日のブタと自由詩3*14/10/26 1:37
ロープと完璧な列自由詩4*14/10/22 20:11
クマのヘンドリック、ラーメン屋さんでアルバイトをするの巻!自由詩214/9/5 2:04
マナティの肉自由詩2*14/9/1 22:48
ココナッツマン!ワンダーランドの町を出る自由詩1*14/9/1 21:57
サカテカスの殺し屋自由詩3*14/8/26 1:37
ピンクのリップ自由詩1*14/8/26 1:30
夏の玄界灘短歌2*14/8/21 2:15
寝顔自由詩2*14/8/21 1:20
♂ゴール記念日自由詩3*14/8/21 1:19
「サヨナラ」の言葉自由詩2*14/8/9 23:28
台風11号夏の歌会短歌1*14/8/9 23:24
職人とブタ自由詩2*14/8/7 1:08
チョコレートいるかい?自由詩1+*14/8/6 3:03
黄色いキャロルのクマ自由詩3*14/8/3 1:04
島の女自由詩1*14/8/3 0:56
絶対量自由詩2*14/7/10 22:32
無謀自由詩3*14/4/12 18:58
焼きたてのパンに降りかかる悲劇自由詩5*14/4/12 18:51
動物園へ行く自由詩4*14/4/11 1:17
心はいえない自由詩2*14/4/11 0:14
忘れ物自由詩1*14/4/10 1:26
ブリキの感情自由詩3*14/4/10 0:52

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