晴れた午後の
プールサイドに僕らはいた

ここの海岸は砂が白く
夏の一時期
それなりに賑わうのだけれど
町には人が少ないのだ

仕事場にはチャリで通っている
いつも真帆ちゃんという
 ....
シャワーの栓を戻し
前髪を上げ
ゆっこはコンタクトレンズを外した
ブラのホックも外し

彼女は浴衣を脱いで
素肌のまま布団に滑り込む
見知らぬ男の前で
裸になるのはこれが初めて ....
太陽が昇っていく
忘れ去られた世界の半分が
影の中に入る夜
ぼくらは
バケツの中の
モップの血を拭う

世界の半分は
争いでできているから
新聞は100万丁の拳銃と
200万体 ....
黒ブチの
仔猫の彼女がいなくなって一週間

去勢手術を受けるために入院をし
退院した翌日に
ベランダの3階から飛び降りて以来
姿を消した仔猫

キッチンのコンロのある
隅っこ ....
HONDAのオデッセイの後部座席で
ブタは酷く退屈していた
短い足を組み
ボテ腹の上で
指を組む

彼は失望していたのだ
ガイドブックに載っていた○○○はすでに廃墟と化し
○○ ....
ところで君がいなくなった後の
この世界についての話をしておこう
君がいった後
ぼくらはあのマンションを引き払って
少し不便だが
旧華族の邸を改装した
郊外の物件を購入し
そこへ移 ....
地下鉄の車内はある種のプレイルームだとぼくは思う
見知らぬ男女が息のかかる距離で密着し
電車が揺れるたびに女の乳房がぼくの腕に押し付けられるのだ
女はそのたびに「あっ、すいません・・(* ....
水槽でメダカを飼い始めたのが今年の5月
10匹いたうちの7匹はすでに死んでしまった
ペットの飼育に詳しい同僚の早川君に
7匹のメダカの死因をたずねたら
きっと子供をたくさん産んで力尽き ....
今朝 部屋にふたりの警官がやってきた
警官は「おまえ、中でクマを匿ってるだろ?
隠すと為にならんぞ!」とぼくを脅した
そして警察手帳になにやらシコシコと書き込んで帰っていった

 ....
牛乳ベースのスープにレチェが入った鍋に 
菜箸でつまんだカモノハシを一切れずつ入れる

黒いショールを纏い
髪をぞんざいにまとめたデニムのパンツに皮のブーツの女が
カモノハシに続いて鍋の ....
ローソンの袋から
ひょっこりと顔を出した
りすが
夜空を見上げながら
しんみりとした調子でぼくに話しかける

こうしてさ
息をころしながらさ
今も俺は
夢を見てるんだよ
お ....
成田空港で 待ち合わせをしている
クマに逢うために
まなみは化粧室でリップをひいていた
ボストンへ出張していた彼が 帰ってくるんだ
ボブヘアーになっている私を見て
きっと彼は驚くわと ....
空は
とても静かな森だと
まなみは感じた
病室の天井を飾る
オレンジ色や青や 黄色や赤やらが
ぶつかっては消えていく音

まなみはサイドテーブルから
果物ナイフを取り出して
 ....
百貨店の前で
手相を見ているおばちゃんがいる
人の手の皺の数に
虫眼鏡を当てて
その人の人生まで
当ててしまうのだそうだ

いっぺんだけ
占いの店に行ったことがある
女とだ
 ....
タクシーは
熱帯植物園の前で止まって
僕らを降ろす

片方の手で
美香の腰を抱き
もう片方の手で
傘を差す

小走りに肩をすくめ
ロビーへ飛び込むと
横殴りの雨は
彼女 ....
どういう訳かぼくは無人島にいた。目を覚ますと海が目の前に広がっており、蒼空を仰向けに見ていた。体が動かない。足がすっぽりと地面の奥に深く突き刺さり。両腕の先に葉っぱが生い茂り、赤い実もなってい .... 悲しめば
きっとあなたを責めることになるでしょう

そう言ってあの日 
病院のベットの中で
疲れきっている
君を見ていた

たったひとつぶの
サクランボをわけあって
生 ....
グラスをのせるコースターの上で
ハネ蟻がバレエを踊っている
勢いよく足を屈伸させ
股を180度に開脚させる

そして一回転半

せまい舞台とはいえども
どこまでも彼女は ....
極楽へ連れていってもらえるんですか?(゜゜;)

トカゲは待合室で女と並んで斑毛の猫を見た
薪ストーブで温まった部屋
いずれの客もカップルだ

トカゲはレザー貼りの黒いソファー ....
俺たちは宇宙人を抱え、国道2号線を横断していた。
見つかってはいけない。曽根崎署の前を通る場合は特に注意が必要だ。

王将の駐車場では、ノラ猫とヤンキーあがりのカップルに注意を払う必要がある ....
朝から、あおぞら総合病院は混み合っていた。八時十五分。既に気温は二十五度まで上がっている。受付開始は八時二十分からだが、蛇行する人々の列が、今にもあおぞら総合病院の外側にまで溢れ出そうだ。 .... 地下室で生物学の実験をするのが私の日課である。

ネズミのあそこにゴム手袋を嵌めた指を突っ込み。コンクリートの塊りを引きずり出すのである。ピンセットで慎重に運河や国道をつまみ出すと、モ ....
ジャングルの奥で虎を殺したことがある
映画みたいにこうさ
ダチョウは身振りで示す

いつも死と隣り合わせだった
まっすぐ伸びてゆく入道雲
ハウスの中のトマト
熱帯の乾燥させた ....
目を瞑っていると
死んでいるように見える老人
狂おしく時が抜け落ちる感覚に
急いで電話を握りしめた

あなたのいる世界と
いない世界
ふたつ世界の狭間で
軋む心

初夏 ....
ホテルの朝
女はパンツも穿かずに
うつ伏せに寝ていた
夏になる
少し前のこと

昨晩
勢いにまかせて女を抱いたが
避妊を忘れた
女の中には
俺の残した
幾つかの忘 ....
彼女が玄関で
クマの着ぐるみを穿いていた
世間で言う
「バランスを保つため」
なのだそうだ

後ろのチャックが閉まらないと
長い黒髪を掻きあげ

中腰でせがむ
「早くしてちょう ....
会社の上司が死んだので
葬式に顔を出した

式が済んだあと
住宅地の真ん中にある屋敷で
同僚と飲んだ

「世の中 何が起こるかわかりませんね」と
誰かが言ったので
あからさま ....
お前のとこの2階に住んでるシャーマンが
とうとう狂っちまったってじゃねーか
ああ
俺は神だ!そう言ってる
いつからだ?
えっ?
だから
いつからだ?
1年前からさ
なんだ ....
近頃の階級闘争には哲学が欠けている
暴力や解放もない
あるのは百貨店の30%オフ
ポイント還元セール
つめ放題一袋300円
(つめ過ぎに注意(><*)/”)
そんなものばかりだ ....
ひどく気分が折れ曲がっていた
一日中
言葉という言葉が俺の中を通り抜けていくが
残るものは一語もない
体中がふわふわして
生きている感じがしない
とても不快だ
「掴め!」
 ....
オダ カズヒコ(65)
タイトル カテゴリ Point 日付
アンドロイドのアーリー自由詩015/8/19 20:00
「ラフ・テフ」番外編 ゆっこのキリン(プリントアウト用)自由詩1*15/8/19 19:58
星のアルペッジオ自由詩115/2/8 1:11
8月のバガデル  自由詩5+*15/2/7 21:50
脱皮自由詩015/2/7 21:47
空への手紙(ヘンドリック・シリーズ)自由詩5*15/2/1 0:13
通勤電車自由詩2*15/1/31 23:46
飼育法自由詩2*15/1/31 22:56
Tシャツ自由詩3*15/1/27 1:36
マリエロの海自由詩5*15/1/27 1:32
星空の下で自由詩7*15/1/26 0:43
待ち合わせ自由詩4*15/1/26 0:16
花火自由詩2*15/1/26 0:14
占い師自由詩6*15/1/23 2:30
美香抄2自由詩2*15/1/23 2:13
無人島自由詩015/1/23 2:11
聖恋自由詩3*15/1/8 21:40
ハネ蟻のダンス自由詩5*15/1/8 20:09
極楽102号室自由詩3*15/1/8 20:06
(*^^*)/゛自由詩2*15/1/6 20:40
救急室3自由詩1*15/1/6 19:54
不可能な交換自由詩015/1/6 19:51
ベンガル自由詩015/1/1 23:42
海と陸自由詩1*15/1/1 23:36
忘れ物自由詩0*14/12/30 18:59
着ぐるみ同盟自由詩1*14/12/30 17:45
喪服の街自由詩3*14/12/30 17:43
(><+)/ 自由詩014/12/27 21:26
ニッポンの寿命自由詩1*14/12/27 20:54
自由詩2*14/12/27 20:38

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