彼女の瞳は

彼女の宇宙と外の宇宙を隔てる境界線

この世界の凄惨な光景を前にした彼女は

潤んだ瞳を守るため

瞼をシャッターのように降ろしてしまう

すっかり閉ざされた宇宙の中 ....
半分に割ったシュークリームのように頭の中から脳が溶け出す

皿の上にこぼれたカスタードと血と共に流れていった自我

甘みと痛みも違いはなく同じプレートの上この地球を彩る

感情は起きた出来 ....
回転する星達は神様が回すターンテーブル

その上で踊る 

僕らの中にはそれぞれのビートを刻む心臓

せっかく招待されたpartyなら

鼓動が止まるその日まで

この世界で自分ら ....
太陽と月が頭上で何度も入れ替わる星の上で
ふっと考える

俺はあと何度変われるだろうか?

ローマが一日にして為らぬというなら

一人の人間が完成するには一体どれだけの月日が必要なのだろ ....
逃げるように追う
生と死が紙一重で競う
ライオンが腹を満たした後
バッファローの白骨が赤土の上に横たわる

お前の第三の目はそれを焼きつけ
命が永遠に巡る清流を捉える

魔が差して 両 ....
前を見れば誰かの背中
後方からは抜き去ろうとする者の足音

周りを意識し過ぎれば
自ずからデスレースを走ることになるだろう

胸の中ににぶら下がった心臓は
おまえだけのストップウォッチ
 ....
あなたの散らかした部屋が好きだ
無造作に置かれた本や衣類は散りばめられた星のようで
部屋全体の雰囲気は何かとてつもなく大きな可能性を秘めた宇宙のよう
時々マスク姿で掃除に入る私はきっと宇宙飛行士 ....
長い年月で溜まった 色んな物のせいで最近は飛べなくなった
脳と言う名の袋に貯めこんだ経験は宝石のように貴重で同時に重い
どこか別の場所に移動しようとする時 
その重みの分 僕のケツは重くなり現状 ....
Good vibe

乾いた笑い声が空気震わすと

世界がそれなりに楽しそうに振る舞う

乾杯したグラスとグラスが共鳴

善意と永遠が結婚を表明

そこから連なる 感じのいい調べ
 ....
白紙が僕にとっての鏡

黒いペンで繊細な心模様を描く

色の数より多い言葉の数

筆でいくつかの言葉をつついて

構想と言う名のパレットに乗せる

ブルーでブラックな心境の時

 ....
Pm 9.00過ぎても沈まぬ太陽
日照時間が伸び 上がっていく体温
raincouverと名高い
雨ばかり降り注ぐ陰鬱な街でも
この時期だけは拝める
揚げたてのFish and chips  ....
ラジコン/壊したアンテナ

様々な人間の思惑
力を持つ少数の人間の企みが

電波のように飛び交うこの世界で
一人素直にアンテナを張ってみても

ほら今ここに何故いるかも説明できない哀
 ....
vintage /いびつな字で書かれたノート


白紙のまま棒にくくりつけて
見せびらかすように振ったとしたら
それはきっと僕の人生を降参してしまうことになる。

何故書くのか?その問 ....
窓/点在するワームホール

散りばめられたようにいたる場所に設置された窓はまるでワームホール

一枚のガラス板が異なる空間と空間を繋げる


#1
帰宅途中のOLが私鉄電車の中で揺られ ....
evolution/月の下で舞う鱗粉

薄い雲の向こう

見え隠れする月の下

進化の光を目指して

懸命に鱗粉を振り撒き

飛びつづける 一匹の蛾

暗い海の波打つ音が

 ....
「命/12周目」

柵のついた子供用ベッド
その中で天井に吊るされた
くるくる回るおもちゃに手を伸ばす君の横で

ある日を境に上に伸びることやめて
横に横に枝を広げはじめたあの木のことを ....
「千億の夜/祈り」

豆電球のように丸く鈍く光る月

ライフル銃が墓石のように突き刺さった荒野

足を引きずった兵士が一人 歩を止めて

岩陰に座り込む

一つの弾倉も放たれること ....
心の真ん中/Big Ben

陽の落ちた後のロンドン

ライトアップされたビッグベン

大時計の針の音が
この街の心臓であるかのように脈を打つ

時計台の裏の古びた工具が無数に置か ....
両開きのメニューにすっぽり収まった君の顔

新幹線のプレートを指さして

「これがいい」

って無邪気に笑う君

少年時代は特急から眺める景色みたいに一瞬で過ぎ去るけど

一つ一つ ....
秋の花火/湿気る前に


秋の花火/湿気る前に

引き出しに入っていた

夏に使い切れなかった花火

力を持て余してるのに

発散する場所を知らない若者のように

袋の隅で数 ....
Ghost House /不安

なかなか寝付けず

何度もトイレに立つ

きっと今夜は自縛霊みたいにしつこく付きまとうアイツに取り憑かれている

神主が大袈裟におおぬさを振るってもき ....
「即興」

タバコに火をつけて燃え尽きる時間

それまでにどこまで書けるかな

書ききれなくて また新しいタバコに火をつける

白紙の紙を見るとまた何か落書きしたくなるから

夜が ....
「joint/逃避行」

ペーパーの中に詰められたタバコとweed

器用に巻く仲間の手

舌で舐めて切手みたいに貼り付けて

宛先は  はるか上空に

どうせなら長いTripがい ....
「追憶/墓荒らしの憂い」

過去は下に沈んで
サラサラと真新しい記憶が
その上に積もる
一人ベランダでタバコをふかしながら
墓荒らしのように
記憶の地層にスコップを入れる

あんなに ....
ホンネ/曇った窓

#1 
冷たい風が吹いて表面を曇らせた窓

一方的に語りかけられるおまえの主張に

俺は心の内を打ち明けることはできない

混ざり合うことのない温度差

窓を ....
Letter

一枚にまとめられなくて
用意した二枚目の便箋
会えない期間に起きた出来事は 
旅行中に郵便受けに貯まっていた広告のように
整理がつかず   
君に何を伝えるべきかわから ....
「Let it go 」
悩む度に足を運んだ浜辺
眺めているってことは
今日も僕は思い悩んでいる
細かい砂の上に尻もちついて
三角座りのまま 
寄せては返すさざ波の音に耳を傾ける
励まし ....
「両翼」

「生き方 」
「死に方」
対極の言葉なのにそれから先綴られる物語が同じってのは意外とよくある話だ
この両翼が
右に傾いたとしても
左に傾いたとしても
その先は同じ
平衡感 ....
「愚痴」

高く高く積み上げた我慢
むしゃくしゃして小石を投げつけるつもりがバランスが崩れて
気がつけば土砂崩れ
歯止めがきかなくなって
あることないこと不満をぶちまける
一通り吐き出し ....
空港まで走る車の中続く沈黙
ひとつの出会いが死ぬ前に
二人は同じ走馬灯を見る
カーステレオから流れる二人で聞いた曲
知らぬ間にエンディング曲へと変わってる
最初の出会いを覚えてる
エレベー ....
(63)
タイトル カテゴリ Point 日付
border自由詩123/3/26 15:29
決壊自由詩223/3/26 15:27
DJ 神様自由詩120/9/7 1:42
exit 自由詩120/8/30 6:29
サピエンス自由詩220/8/20 14:33
マイペース自由詩120/8/18 14:34
散らかった部屋/ADHD自由詩220/8/11 14:01
風船自由詩120/8/11 10:44
Good vibe自由詩020/8/9 19:47
Self-portrait自由詩320/8/9 16:58
Summer in Vancouver 自由詩020/8/9 15:11
ラジコン/壊したアンテナ自由詩017/7/9 21:04
vintage /いびつな字で書かれたノート 自由詩317/2/27 21:18
窓/点在するワームホール自由詩117/2/27 21:12
evolution/月の下で舞う鱗粉自由詩117/2/27 21:10
「命 /12周目」自由詩316/11/11 22:31
「千億の夜/祈り」自由詩116/10/24 21:14
心の真ん中/Big Ben 自由詩216/10/10 20:48
お子様ランチ自由詩4*16/10/9 15:44
秋の花火/湿気る前に自由詩7*16/10/3 11:22
Ghost House /不安自由詩116/9/17 12:31
即興自由詩116/9/9 2:48
joint/逃避行自由詩016/9/5 22:21
「追憶/墓荒らしの憂い」自由詩316/9/4 22:06
ホンネ/曇った窓自由詩016/8/15 20:14
Letter自由詩216/8/7 13:34
Let it go自由詩116/8/3 21:45
「両翼」自由詩016/7/27 20:04
「愚痴」自由詩016/5/21 13:16
im leaving 自由詩016/5/21 13:13

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