仕事帰り
汗も渇いてひび割れたホーム
ペンキのはげたベンチの下から
皺だらけの切符を拾ったよ
....
さよならを知った日は
なぜ夕暮れの太陽が
こんなにも赤く染まるのだろう
さよな ....
水たまりに落ちた星を
意地になって踏み潰した
ズボンの裾が汚れて
そんなことも気に ....
クソにも相手にされない下痢便が
勘違いしてその気になるのが
ネットのダメなところだ
自分の ....
錆びた看板のキャバレー
避妊具の自販機
古ぼけた色気の中に
母の面影
明日からあ ....
ちぎって、ちぎって
ゆびさきがあかく腫れるまで
すてた葉っぱから
青くなみなみと
流れ出 ....
教会で信者らが祈りを捧げていると
その中に猫が混ざっている
猫は両手を合わせ
皆と同じ祈りの姿 ....
蝉がないている
間接照明に沈む
床のリノリウムは
僕らの小さな願いさえ吸収してしまうのか
....
ある男と女、付き合っている
形式上はその通り正しいでしょう
男と女がお互いの好意を確認して、 ....
鈍く 太く 深く
息苦しさを覚えてたあの瞬間(とき)も
探し出すのさえ面倒になってしまう ....
赤い目に睨まれて
堕ちる男 ひとり
酔ったように
ゆれる蝋燭に照らされ
快楽を貪る
青 ....
産まれた時からつきあっている
隣の山羊の顔が
近頃人間の顔になっていることに
気づいた
どう ....
赤々と燃える送り火を眺めながら
今年も夏の終わりが近いことを知り
一抹の寂しさが、胸を過る
....
黄昏色の昨日をグラスに注いで
僕たちは下手くそな乾杯をする
マグダディ・エスクワイア
....
いよいよ何かにならぬときが来て
期待していたような、羽も{ルビ角=つの}も爪も牙も生えなかった ....
噂話で伝わる
いい人ね
食事御馳走になった
荷物持ってもらった
....
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