はじめに鳴り響いたのは赤ん坊の鳴き声だった
ギ ....
エグイ世間と理想の間に 弾かれた虹色おはじき
摩擦で汚れたスペックは 憂鬱を残し消えてった
アイ ....
吐く息で散り
舞う 雪の朝に
傷口のファスナーは下ろしたまま
眼差す問いが鷲づかみにした
....
枯れているふりしなければ雪月夜
深雪晴見上げた頃は恋でした
雪の声酸欠により消えゆく火
心臓の鼓動とともに
コトリ、と、音をたてるエス
立場のアレコレを考える自我
善悪の ....
海流から海流へ
乱気流へ乱気流に
暇にかまけて遠方へ まるでからかう 音離し
あー、幾 ....
1.
ある日
ふと思い立って
きみの世界に寄ってみた
そこではきみが ....
いつのまにかあった家
気づけば幾年
窓も褪せる
ひびにテープ
天井から埃の糸
忍び込む猫
....
テメェらの陳腐な詩には飽き飽きだ!
そう言って僕は詩の世界から退いた
そうだ僕だってそんな内容し ....
呼ぶ声の向こう側には
私はいない。
呼ぶ声の内側に私がいる。
声の内側は、
鮮やかな肉で、 ....
風を知らない無知な私を、
笑う子どもがいる。
子どもは殖えていく。
げらげらからから、
騒ぐ ....
通勤電車の厚い窓に
朝の光が 何層にも折りたたまれている
世界を遮断して
許されたものだ ....
ドロリ
ケーブルの中 濃密なインクが運ばれてゆく
末端で待ち受ける 退屈なひとたち 忙しいひとた ....
流されていく 高いところから低いところへ
流れていく 目から頬へ
流れてしまう 重力に逆 ....
愛されたいと言うのなら
まず
あなたが愛さなきゃ
大切にされたいと思うのな ....
目の前にある現実を受け入れた時、
世界がほんの少し明るく見えた。
人の数だけ存在す ....
電柱の下に女が立っていて
その両目が強く抉られている
古い古い傷
傷の奥にはきれいな屋敷があり ....
静かな夜
波の音が響く夜
月がよく見える夜
あなたと強く抱き合う
気持ちを一つにしたくて ....
キラキラの太陽の下 粒粒のサンゴ 咲いた
首飾りにするには ちょっと遅いね 君が言った
....
『少女』
今日でハタチになるのよ
少女は花を散らして
その1秒を不器用に演じた
....
ベジタリアンの夫は機械が刻んだ野菜を好まないのでわたしは毎日大量の野菜を刻む、薄切り、千 ....
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