吐いたため息をはさんだサンドイッチをいっしょに食べてよ
病んだ手が襖を開ける後の月
後の月祖父の形見のネックレス
不知火の下に嫁入り前の龍
有給休暇を団栗にかえてもらっている
黄泉の国へ亡命
協議の末に混浴温泉で茹でた卵
ちょっとだけ心が乱された夜は
冷たくなった風を胸一杯に吸い込む
澄んだ空には星がはっきりと浮かび ....
刻まれた目盛りの 一箇所に
あたしは基準点を作っている
それ以上だったら しあわせ 満足
....
私がずっとこわいこと
大切な人が
泣くこと
死ぬこと
大切な人を
嫌いにな ....
秋の夜長
逃げては追いかけ、追いかけては逃げ、
今宵もひとり鬼ごっこ
....
SMだからTVショーでも
取り上げられるけどさ
スカトロまで行ったら
どこも取り上げねえだろう ....
科せられた罰もないので
皿の芋をとって齧る
女より甘い肉のないことを知りつつ ....
雨のなかの無言
港の夜の終わり
藻の緑の昼と午後
霧は凍る
岸を ....
一目惚れをした
あんだって? あよ、いいぐれーじゃねー
ぎゅうつく抱きしめてあげて!
....
仙台名物笹かまぼこを
貴女の股間に挟んで
一晩寝かせた浅漬けが
翌日の朝の食卓に
ご飯と赤だ ....
一生懸命だった夜
沈黙ってこと考えた夜
意味のあることの無意味に無邪気に向き合った夜
丸腰なん ....
キキキキキ。
闘病は辛いもの。いつか治るということに希望を抱いているのだが。
私は統合失調症であ ....
明日こそと
毎日セットして眠るのに
今日も鳴らない自覚時計
海は広いな
小さいな、オレ
ツキがないなと
気が沈む
海は大波
青い顔、オレ
揺れる ....
吹きつける風に
打ちつける雨に
降り注ぐ雹に
痛みを覚えると同時に
優しさを感受する。
....
熟議なき
決める政治は
淡々と
ぎゅっと握った二十円
お小遣い帳にお菓子と
日曜日の午後の事です
小高い古墳群頂上から
平野 ....
あおい がうかぶ
みなもの まばたき
あなたをおもうように
ささぶねをうかべる
ゆれる ....
感情は伸び縮みしながらも
軸の周りに等しく釣り合って流れている
この感情の水流に濁っ ....
僕の言葉からか それとも心からか干上がって
或いは深い地底に沈み込んで
もう二度とはほんと ....
クマは冷蔵庫をパチっと開けると
缶ビールを取り出し
プルトップを上げた
裸足で踏むキッ ....
この野原から見ていると
あの星達は近過ぎて
隙間を通ることもできない
そんな気分にさせられる
....
街を見下ろせる ガラス越しの喫茶店で
小さな椅子に腰をかけ
ふたりはよくそこで コーヒー ....
ある日ぼくはコンビニでブタと出会った
黄色と白のストライプの入ったパラソルを握り締め
....
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