少し離れた椅子に座って
家族の談笑を聞く
妻の伸びた髪 子どもたちの長い脚
ぼくの指先に 笑う ....
爪を切るときに
深爪しないようにするのと一緒で
なにか喋るときには
何も考えないようにする ....
上京して赤信号で渡ったら 叱られた
コンビニにまで 「並びなさい」の、
足型マークが付けてあ ....
うまれてからずっと
うまれあっている
きみはこどもとして
あなたはおかあさんとして
ぼく ....
日々の暮らしの
吹き溜まりから
洒落た記号を
掘り出して
綺麗に並べても
何処にも響か ....
{引用=その日ぼくは一人称を失うために身投げした。自我を持たな
い想いだけが純粋であり得るから ....
一頭のサラブレッドを数百人で所有する
競走馬ファンド
所謂一口馬主というのにヒントを得て
私が ....
言い知れぬ倦怠や怒りには
チャイコフスキーの5番しかなかった
頭をしびれさせるほどの眠気 ....
僕が目を閉じ後ろ手を組んだところまで
きみに飛んでいってほしい
軽くなったきみに
....
その密告を
取りこむ受容体が
自己のうちに
見あたらなくて
知らぬふりして
や ....
{引用= 「アンダーザブリッジ」
ああ
オールを手離されたボートが
河岸を立ち去る
....
{引用=北のはるかに村があり
名前忘れた木が
ぽつんと
あって
海を知らない小 ....
月を見ていた狼男
なにも悪さをしないのに
石もて追われ町はずれ
川面に浮かぶ月の影 ....
タイスの「瞑想曲」が似合う秋
私から枯葉が
虫食い穴があちこちにある私が
落ちていく秋の夜 ....
作られたかたちの、匂いがするので
手にすることをやめてしまう
しぜんを求めているわけ ....
器の底の浅い水
光が光を斬る暮れの揺れ
冷たく置かれた広い空地
誰もいない ....
boku no shyoutai ha
kono
shimittareta kanashimi ....
雨は何を この街から
押し流さすのだろう
きっと 朝顔の種が
そこには含まれているかもしれ ....
「今のそれ、つばさ骨だよ」(耳付けてみると微かに空が鳴ってる)
桃の星 ....
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