やがて再び北風の中
道端のネコヤナギの蕾のように
やさしい春の指先が頬を撫でようと
いつか一つ ....
あたしの部屋の窓から
みえる空は黒くて
たぶん曇っているはず
あなたはどうしているかな
....
手とか足とかはいつも見えるけど
目とか唇とかは見えないから存在感がない
ふと触ってみて思い出 ....
死者を鎮めるものよ
死者を取り巻く 生きる者たちから
死者を解き放ち
....
空にうかんでいる きみは
風いろのヌードをまとい
ゆらゆら
ぷかぷか
空の波に遊んで
手足 ....
君がリリアン編んで
見上げた空は花と同じ色で
ぜんぶ、ぜんぶ春だった
ゆびさきで、光源をた ....
樹木
山桃の実のぶつぶつの舌触り
葛のつる川土手の樹を緊縛す
炎 ....
赤い首輪つけて
飼ってほしい
あなたの飼い猫になれたらよかったのに
餌をくれなきゃ死ん ....
38度の熱が出て、楽しみだった
僕の出版記念朗読会が、中止になった。
数々の再会の ....
結婚前の嫁さんを僕は(きれいだなぁ)
と、うっとり見ていた
結婚後にいつも一緒の嫁さんは、 ....
君を想う僕の気持ちは
もう君だけを想う気持ちじゃないよ
苦しい日も
君を想 ....
真白にとかれた耳飾り……
それは冬の名残です
寒い日にはてんてんとあとをつけていくもの
温かく ....
山砂はもうない
海砂ばかりが浚われ
洗われ
遠く運ばれ
混ぜられる
ごくありふれた砂粒に時 ....
ゆらゆら路地裏に消えていく猫の尻尾
日曜日の午前9時
空がある
雲はない
宇宙がどのようにな ....
ときどき
なにかしずかによこぎる
そのあと
おきる
まっていたこと
まっていなかっ ....
演奏の休憩のあいだ
テラスに出て風に当たった
永遠をものまねして
ぼくらには余念がなかった
....
夏にあいたひし形の穴から
海が溢れだす
きみは定規で水平線を引き直す
クジラが大きな口 ....
風吹くな
心が寒い
風吹くな
手足が凍える
風吹くな
誰かを抱きたくなる
....
わけてあげると
たわけたことを
のんきにみせてる
づきづき わらう
かなしばられないかお ....
差し出された濡れ衣を
貴方は静かに纏った
濡れ衣は貴方に張り付き
体軸を浮かび上がらせ
その ....
傘のさき
アスファルト滑らすみたいな
さびしさ
青い空の
すぐよこに黒灰色の ....
日々の聖句(19)決して祈りを忘れてはなりません
二月二十五日
「したがって,わたしの愛する者た ....
砂糖の角を削る
わたしはわたしに必要な分だけ
あなたからあなたを削る
....
2月も終わる
灰白色の曇り空
こころが痺れている
悲しくて
目や胸や膝が痺れ ....
猫を飼いたいと想う
強く猫を飼いたいと願う
何度も管理人さんにお願いしても
答えはいつも駄 ....
昨夜、大好きな
彼と喧嘩した…
君と別れてからは
言葉選びに
気を付けている私
い ....
この街では
何百万人もの人がいて
それぞれ違う考えと顔を持って
蠢いている
....
ふと、とまる
みえない
レールのうえで
きみとなら
どこにでもいけた
....
まだ 朝のやさしい光が
町にあふれるまでには 時間がある
薄闇の中で 白い呼気が
の ....
あたたかな 陽射しの中 眠たげな君の瞳 愛しく映る
そんな何に気ない時間 終わってほしくないと願っ ....
青い風の中 僕らは目的もないまま 歩いている
これが自由だと言い聞かせ
手に掴むものは 昨日の後 ....
私には判らないことがある
貴方の愛が本当なのか?
ただの遊びなのか?
今まで
たくさん ....
小学生の頃のいきつけの内科医院は いつも
消毒薬と漢方薬の匂いがしていた
医者の奥さんが受付の奥 ....
降り止まない雨に
舌打ちして 空を睨む
思い通りにいかないことばかり
心がざらついて
軋んだ ....
うみのながさを感じていると
わたしがその手につつまれているような ....
裏庭に佇む気持ち
(あまり陽のささない北向きの場所)
裏窓から外を眺める気持ち
(特に心浮き立 ....
かっちゃん元気かな
最近メールしてないな
別れてもう2ヶ月もたつんだね
全然
そんな感じ ....
議事録は背景と結果の要約文。
僕にはそれが耐えられない。
不要なものを記載する。
「◯ ....
くしゅんと
鼻を鳴らし
あなたを思い出す
ぶるるんと
太ももが
震えたような気がして
....
それじゃあ始めます という声がして無意味がはじまる。それは声を骨組みにしてだんだんと形作られてい ....
あたしばかだから
と言って
わらっていた
女の子
あたしばかだから
と言っても
泣き ....
君と僕の間に透明線
いつまでも消えないよ
僕は必死に消してるはず
君が引いてるの?
なんの気なしに
好きだといったら
なんの気なしに
好きだと返され
空に
青がみたさ ....
見えない路地の中を歩き回りながら、僕は、遠い街までやってきた。そこで出会う人たちの服装を脳髄に刻 ....
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