人間にあまねく破滅を。
そう願う刹那的な快楽は、雨の降る深夜の
一人きりの部屋の中にふさわしいと ....
銀髪の男はガラス張りの骨組みに四肢貫かれた死のイメージをしていた
青ざめた倉庫街で
少年が自 ....
筒の大小は関係ないと思っていたけれど
手ごろに大きかったら
やっぱり嬉しかった。
午後が良 ....
....
窓を開ける
雲が見える
昨日のことのように
上り坂を下る人がいる
解熱剤でも飲ん ....
再び僕等は、ヴェールが落ちるのを見る。
いつも目にする当たり前の風景達が囁き始める。
新しい ....
23じ33ふん うえのえき16ばんせん
こどもはねるじかんだけど
きょうはとくべつっていってくれ ....
三時五十分の角を抜けて、横浜の白塗りを思い出しながら、三歩進む、唾は頤から天に上る、喧騒は耳鳴りの ....
跛(びっこ)をひいた男が独り
本屋の軒先を横切る
そこが本屋の軒先であることなど
全く意にも介 ....
き、き、
夏空にもくもくと湧き出した巨大な雲たちの間に間を、眩しい白の半袖シャツを着た大勢の子 ....
ある役割が終えて
新しい役割がこんにちは。
(入り口が入口となるような時)
どうぞ、いらっ ....
夏の湖
やや曇る空を見上ぐるしばしの間魚跳びはぬる夏の湖にも
三上山かすむ彼方は雲おおく ....
あなたのことが心配で戻ってきました
と言う男がいて
へっと思った
あたしは
その男のこ ....
君には会いたいと
思っていたよ
遅い春の報告も
したかったから
君は相変わらず
優 ....
働いて
働いて
四角い紙と
円い金属
立ちっぱなし
....
久しぶりに…
君に逢った…
元気かどうか?
笑顔かどうか?
心配していた僕は…
働 ....
一つ葉や仄暗き朝目をひらく
100歳の詩人のまつ毛には、虹が架かるらしい。
「涙が出さえすれば、虹になってるんです」という。
....
わたしはものがよくおぼえれらなんいです
ですらか思い出すとこも思い出せない
わたしはとて ....
季節は黄金色輝く稲の穂を尻目に、よくできた鳶色の瞳で追いかけるように単純には語れない 。
晴れ ....
ベランダで裸になったまま
何もすることのない私は なんとなく今日はいい気分だった
このま ....
いきていることが
つみなのだと
ちちはいった
おまえさえ
いきのこればよいの ....
ためされていることは
わかってる
と、いって
おとこはさっていった
この ....
肌を剥き
熱を忍ばせたら
恋になるとでも思っているのか
あの人なら
触れずとも
私を炙 ....
人は何故、殺すのか
人は何故、殺せないのか
普通の者は
殺される側への意識的感応で踏み止まる
....
ろくさいの
おかっぱあたまの
むすめがいた
こいもしらない
そのむすめが
....
抱えるほどに
桃を買って
浴槽に投げ入れる
熟れながら
毛はかたく
肌にするどい
....
あなたの轍を見つめながら歩いていた
自転車に乗ったあなたのこころを感じていた
すべてがあ ....
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