言語学者は
なゐのある国に住んでいた
繰り言を操り
魚たちを漁り
縹色の鰾を解剖し
暗 ....
地母神の歌を歌うのは
月の真昼のギンドロヤナギ
スノードームの嵐のなかで
雲母の窓が開くとき
....
水面を自在に動き回っていた
水すましはどこへ行ったのだろう
少年の高慢や恥辱など
とっくに澄ん ....
耳の奥でふつふつと沸く熱
湧き出て世界を解凍する
ぼくの指先が羅列して
凍えた先の春をよぶ(そ ....
{引用=
海の
低く濡れた海の
あなたの声より低く濡れた海の
さよならなんて言い出したあ ....
伊豆急 城が崎海岸駅の裏手に
白いペンションがある
....
きみのひらがなにぼくの声を重ねて
地層みたいなしま模様になって
それはありふれたメロディーで
....
自分にとって詩とは何なのかということを考える時、必ずと言っていいほど詩と詩ではないものとの二項対立 ....
まるで何事もなかったように
日常の分だけとおり過ぎていく
愛情は誰も手にすることができない
静 ....
暗黒の
無の空間に ひんやりと
寂しき星の 青がしみゆく
慟哭はたちまちの内に凍りつき
ひとつの惑星になってしまった
あまりに穏やかなその姿を
僕は畏れ ....
お腹が減って何かを食べるのは人間だけです。
求められる にこやかに夜を
ゆう はね とう あぶのなしきに継まよ 継まよ
溢れあう 殺しあう 残された物も
残されたものも
いつか僕が死んでしまうとして
どれくらい君の記憶に残るのか
なんてこと考えながら
会ったりする ....
眠るほど深い北の森に
大きな灰色のふさふさした梟が一匹暮らしています
夜になると梟の頭上には、北 ....
漆喰にできたひび割れは
溶けた鉄の蒸気で
ゆっくりと蘇生してゆき
心と体の仲違いは
いつか結 ....
あの星とこの星とを繋ぎ、ぼくと踊ろう。
星を録音した60分のテープを永延と流し
て。光って、また ....
こたつでコツンと
ぶつかって
....
僕はスポーツが嫌いだけど
本当は
特撮嫌いになってもよかったんだ
でも特撮は
....
「あなたが有しているのは,毒なのですかと想う,
観劇する葬列を掻き鳴らしているのは,誰なのか,
....
自由な世界を泳ぐ君 鋼の心を持っている
君はいつでも籠の外
自由な世界を妬む僕 鋼の鎧を持ってい ....
コンクリートの塔の下で
小さくなってしまった、緑色の光源が
わたしを照らし
浮かび上がった舞台 ....
死ぬことを考えてきた
死ぬことを考えてきた
いつのまにか
生きることがわかってきた
自分 ....
わかるよ、大丈夫だよ と
君は微笑んでくれる
俺がわかってるから と
け ....
真白な卵を
あたためて
ぐつりと
穴をあけたい
わたしの体は
やわらかいので
殻に
....
トラックを運んでいくものは何なのか
僕はいつも国道に立って見ていた
トラックの運んでいくものだろ ....
カートコバーン
ノエルギャラガーの
彼らは いつも僕らでは ヒーローだけれど
ここ東京を語られ ....
ね、まって、まだ、こころのじゅんびが、なんていちどもおもったことないよ
あのひのまいにちといま ....
海岸に
たくさんの鏡が並び
かなしみの海から帰る人々を
心に写している
私た ....
山陰地方の刑務所で演奏したことがある
開演まえ刑務官が所内を案内してくれた
哀しみの影を探そうと ....
北斗七星を夜空の中に見つけた
続けてカシオペアを探したが見当たらなかった
数ある星の中から何かの ....
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