冷たいミルクを温めた
私はちょっと苦手だけど
こんな日にはいつもそう
あなたが暖めてくれ ....
母の少女時代を知らない
わたしが知っている
あの少女たちも
いつしか母になっていた
....
吐き出した君への想い
燃えるゴミが増えてった
撮り溜めた君との写真
燃えない ....
あなたの
そっとさしだす 毛糸のなめらかさに
それはけっして花束のように重くないけど
かくれる ....
{ルビ麺麭=パン}には、バター。
御飯に、味噌汁。
人間も、自らを引き立てる
誰かさ ....
遥かに遠い昔
すでに
バベルの塔は、崩壊していた
一九九九年
世界の中心に建って ....
ウミガメさんからメールが来ると
海が見えーる気がします
アオウミガメなら青い海
アカウミガ ....
わたしは一切のものを
この業欲な手に
所有することは、できない
わたしが一切のものを ....
なんで泣いてんの
と 姉がきく
ずけずけと 真っ直ぐに見つめて
あのときもそうだった
私を ....
聞こえる、
気がする。
耳を塞がない、
くらいの意地なら
辛うじて
まだある。
【雑踏】
地下街の雑踏で見知らぬ若い男に肩を叩かれた。「はい?」何やらまくしたてられるが全く理解で ....
想像していたのと何か違う
熱い!
少女はまだ冷えていない!
炉から出てきてまだ間がないものな
....
お母さんのこと嫌いなの?
携帯電話でのやり取りを気にされたのか
調布駅の改札抜けたところで、 ....
枷のひとつやふたつ
あったっていい
どうしようもないと
歯噛みして
ひっかいて
爪 ....
おしまいに向かって
呆けたからだは歩いていた筈だった
私の知っていたおわりはもうとうにすぎて
....
鉄格子の中で回るメリィゴゥランドの片隅で
足や手が真っ黒になってしまった
彼女は自分を失 ....
僕の小さな心臓の鼓動は
聞こえなかったから
イヤホンのプラグを差して
僅かに動く鼓 ....
夏の朝の暗い空に
ヤマナラシが揺れていて
それの陰を燃えるような
流れ星が落ちたけど
....
ふしぎ事件の話し
殺されたのは女
長い黒髪みだれ
あわれな朝が来た
ごらん手がか ....
ほつれた髪を直すしぐさ アルミニウムみたいな海
海は高鳴る心の隠喩だったか 反映だったか
わ ....
…先生 私は本当に分からないんです
今まで私は何をしてきたのか
何であんなことをしたの ....
目が一つだけあって
片足は長めに
人さし指は短めで
そういうバランス感覚を身につけた人たちが暮 ....
何事も
前と比べるのはいけないことだって、
わかってるよ。
電車の揺れにフラつく私を庇 ....
煉瓦も煙突の梯子も
宵に馴染まない
うっすらと蜜の匂いで
遠くの空は、山猫みたいだ
人が ....
ものがたりが美しすぎて
まっすぐに見つめていたら
わたしにはそれ以外
見えるも ....
何も考えずに
野原を歩きたい
たくさんの血の雨が
空のかなたから降り注いでも
傘もささずに歩 ....
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