泣かさないでよ賛歌
真島正人

何も考えずに
野原を歩きたい
たくさんの血の雨が
空のかなたから降り注いでも
傘もささずに歩きたい
本当は笑っちゃいけないんだろう
泣いちゃった方が気が楽だろうけれど
どんなにか許しをこう必要もない
雨には雨の
想いがあるから
髪の毛と頭皮で受け答えしよう
やがて野原は美しくなるかな
毛の短い草が生えそろってさ
夕風に健やかに凪ぐのかな
そうしたら家族を連れて
しゃがみこみに行こう
足の短い草の生えた野原へ
今度は空から
何が滴り落ちるだろう
甘い果実だといいが
涙の色の雨だったら
やだな



自由詩 泣かさないでよ賛歌 Copyright 真島正人 2009-12-22 01:05:36
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