この世には飽きた遊女とおじさんが口より赤い糸出し添い寝
王に嫁ぐ君のおかしたあやまちを背負 ....
ダイエット中だというのにばいちゃんは飯とお菓子を食え食え迫る
雪がとけ木の実に混じり現 ....
サンポール200円に610ハップ400円で行ける天界
何度でもナイフでえんぴつを削る
い ....
手がちぎれるくらいにのばしてみる
空 に
とどくわけないの に
そんなことは知っているの に
....
湿った夜の破片が
蝙蝠となって折れ線を描く
低く、低く
やがて来る、雨と
灰色の朝は
....
いま詩を書くということに対して詩人は触れれば剥がれる廃墟の塗膜
みたいな瘡蓋を額縁に飾って「この傷 ....
0時過ぎの残業を終えた
更衣室のロッカーに
凭れて座る栄養士
青白い顔と体をつらぬい ....
誰かにおやすみと言って欲しいのですね
そうじゃないと
また眠れないのですか
せっか ....
街を歩く人たちの話し声や、靴の音
何か分からない音、無言の音
音という音が一緒になっているんだ、 ....
使い古された祈りのように
どこまでも机が並んでいます
その先には針葉樹林があって
仲の良 ....
「ひでぶ!あべし!あちゃちゃちゃちゃあ!」
歌舞伎町のライブハウスで
登場した幕間詩人の ....
赤信号になったので
立ち止まり
振り返って戻った壁に
額をあてる
腐った蜜柑にな ....
世界で一番劇的な夜、春嵐の放物線で恋が終わる。誰にも届かないシトラスグリーンの鮮血に、小 ....
草の葉が
風にゆれて
風景と対峙する
その葉のさきに
とまる爬虫類の眼に
やどるのは人だ
....
街路樹に縫い付けられた
君の叫びが
空に
ゆっくりと沈殿していく
天気予報は午後から雨
いい音は
まいにち変わる
天気で変わる
時間で変わる
気分で変わる
いい音は
う ....
火は 一種類のために 婚姻してしまい
又は 燃え尽きるまで 一斉に種を埋没させ
灰すらも そこに ....
夢のなか
知らない街にいた
もう
疲れてしまった
愛することに
悲しむことに
生きていくことに ....
きみは知っていたはずだ
いつまでも続く四月の午後
ぐっすりと眠り込んだきみの額に
ぼくの夢は文 ....
t he sa me
t he s am e
t he sa me
....
わかるわけがないと思う
あの頃
みんな
もう何をしてもつまらないって知っていた
この先何も
....
黒人の友達のトミーは
話好き
すぐに寄って来る
ジュリーはいつも
ダンスを踊っている。
....
カモメが飛ぶ海岸線
鳥の下には魚がいると言う
何も考えない
潮風を受け、笑った。
望み、 ....
哀しみの大河に向かい
佇む君に僕が出来ること
荒れ狂う波を鎮める風になって
君の勇 ....
しわひとつないテーブルクロスに、鮮やかな花々。
ポーカーフェイスの給仕に椅子を勧められ、席に着く。 ....
なに?大好きが聞こえない
愛はしなやかな放置プレイ
春のかすみは遠浅の緑宝石
....
夜が燻る
夜が放火する
わるいゆめ
ほんのすこし掠めた
ささくれが毛布にひっかか ....
――在りすぎる
――喰い過ぎた
そう言い残して
古い{ルビ貘=ばく}の最後の一頭は
{ルビ爆 ....
人は寄り添い歩くもの
でも頼りになる人がいつもいるとは限らない
知らない街を一人歩いた ....
壜詰が中に容れられたものを保存するメカニズムは知られていない。知られているのは、壜詰が腐敗を遅延させ ....
君は恋をする
移ろいでいっぱい好きになる
何もかも見えなくなって
急激に吸い込まれ ....
とても
幸福な一日なので
胸いっぱいで
勢いづいたわたしは
通りすがりのおっさんにさ ....
木は、死を傍観する
花は、死を黙認する
すべての生は命を絶たれるその瞬間まで
静寂 ....
週末
接待のため夜中に帰った
けっこう酔っていて
おみやげに肉まんを買って帰った
あっ ....
当然のように
空は紫に染まっていく
バスターミナル パチンコ屋の照明
若者たちの笑い声
駅は ....
しと
しと
しと
こぼれ落ちて
混ざりこんで
分からなくなって
....
生徒からもらった手紙には
「わたし先生がいなくても頑張ってるよ」
って書いてあった
渡 ....
はじめのうちの
まろん とした舌ざわりに
ついつい
身もこころもゆるしてしまいがちですが
気 ....
便利な影がひょろりと抜けて
窓の向こう側教えてくれる
ひどいよこわいよ
でも奇麗だよ
で ....
世界は現実味がなくて
絵葉書を見てるみたい。遠い。
この窓を開けて
風を部屋に送り込めば
....
{引用=
講談社イブニング
「少女ファイト」1巻より
雑だな
生き方が
雑 ....
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