見えない風で
街を満たしていく
それは流される疑似餌
のようなものではなく
濁流の中で耐える ....
去勢したカストラートの映画を友達と二人で
眠ってしまった友達とは違って
人知れず食い入るように見 ....
ルーシーはたとえば
自分の名前の入ったあの有名な歌が嫌いで
ルーシーは
くそったれ
くそった ....
僕の部屋のベッドの枕元には、去年の夏の終わり、一人旅をした
時の写真が入ったままの白いビニール袋 ....
曇のかたちのしずくの群れ
髪色に肌色に羽色に染まる
あなたはあなたでありながら
少 ....
怖い怖い、闇が怖い、私の嫌いなイロは黒なのさ。
ああ、恐ろしい恐ろしい、私の嫌いなジカンは夜な ....
なにも言わずに
雲をしぼっては
しずくを たらしてくれた
みずいろの影が
塔のように たって ....
風邪薬をあげよう
早く治りますように
君に。君にも。
『食後に』と書いてあるから
さあ、これ ....
トイレで一人溜息ついた
我想う、(最近ありがとうという言葉を聞いていない)
もひとつ溜息
....
ぼくは詩人
悲しみや辛さは
楽しさとうれしさへのはじまり
今日もまた
雨の中
....
タバコの煙の揺れるさまを
目で追いながら
ふざけ過ぎた季節に
置き忘れたものを
....
優性だろうと劣勢だろうと
失敗作はぼくだ
山積みの武器を目にしたとき
一羽のアゲハが教えた秘密 ....
今日もまた
直球で肋骨を通り過ぎるほど
大好きな詩に出会いましたよお母さん
もう僕は
こ ....
光の粒は増えては落ちて
空の青に波紋をつくる
大きな花の季節を切り
空を開け
冬 ....
ちょっと熱っぽいかな
連休明けで仕事立て込んでたっけ
明日休めないや
また雨だ
ねぇ、る ....
貴方はもうそこには
居ない
貴方ははるか彼方
空の向こう
ウィスキー片手に
ベッドから ....
伸びきった痛みのような影を連れた私は
ポッポッポととぼけた足音を立てて
真昼をへこませながら歩い ....
かざぐるま
またきます
するり
りんね
ねんねんころり
狭い場所に隠れて紅色の千代紙 汚す指先
日が暮れたのかどうか 誰にもわからない
落書きまみれの背 ....
行き先も分からず
街の静けさに寒気を感じた
君と手を繋いでわたった
青い橋は壊され ....
潰えていく芽
親指と人差し指で ひとつひとつ 丁寧に摘む
それが適応だと
....
音楽が最強の武器なんていったのは誰だっけ
昔はただ耳障りなだけで嫌いだった音楽も
ここ最近は癒し ....
枯れすぎると
言われる事はない
息をしている 間も
枯れる事が決っている
咲かないのは
....
詩は酒やポルノよりもたちが悪い
人間を本質的に覚醒させてしまふ
人間に感情など芽生えさせるな ....
去年も
そして
一昨年も
きみらは
ふたり
よりそうように
ここに
咲いていた
....
兵士たちの流した血で
山肌は赤く濡れている
野良犬の剥き出しの陰茎のように
目眩い輝きを放ちな ....
すがりついて
大声で泣きわめきたい
背中にはいつも
透明な切っ先が突きつけられていて
ほ ....
土の光
空の影
獣のかたち
砂の雲
ゆるい風が作る蝶
水鳥のような
雨をゆく ....
風が吹く
目の前に白い綿毛が舞う
足元を見るとタンポポがいっぱい咲いている
腰を屈め綿毛に ....
夜にこだわり
パジャマに星をちりばめる
....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=73125&from=l ....
今日も枕元で目覚ましが興奮してる
やれやれ 起きるから
重い身体と靄のかかった頭 ....
それは
わるい季節だったのだと
小さすぎる靴に
むりやり押し込んだ足のような気分で
小雨をつ ....
ひとでなしになって とことん堕ちてみたい
いちばん底の どん底の 暗いところから
じぶんがまだ ....
タケニグサはケシ科の多年草。毒草であるが、虫刺され、便槽に沸く蛆などへの殺虫剤に昔はよく使われてい ....
ねずの波間に
抗う術もなく
不規則に浮き沈む夜は
瑠璃のしずく
そっとほどいて
乳白色 ....
何も考えちゃいないあなたを
羨ましいと思うけれど僕はどこかで馬鹿にしている
考えてるふりをし ....
いろいろ色のカケラばかり
いいじゃないかもう
無駄なものはたくさんありそうだけど
面倒だか ....
人は自分自身の上に立って生きているような、
それなのに他人の上に堂々と上がって生きているような ....
ぼくは詩人
大胆にも謙虚さがあれば
それはそれで
その変化は大きくなる
今日もまた
....
雨がつづいて
あきちゃった
藤も観に行けない
菖蒲も観に行けない
な
....
携帯電話の音で目が覚めた
体が重い
携帯電話を掴もうとしても
手の平からツルッと滑ってしま ....
ハナミズキが総苞に
厳しかった冬の名残を残すように
ひとのことばの端々には
生きてきた人生の痕 ....
なにかを すべて
ときはなした おとな
なんて ひとりもいない
どこにも いない
だから ....
雨の中で星を見ていた<それ>が言った
君 君
全部嘘なんだ
エネルギー保存則も光速度不 ....
静寂の水面に一石を投ずれば
波紋がゆらり、影が波立つ
月もまた冷ややかな横顔を
一層歪めて ....
恋は落下するものだ
突然上から落ちてくる
だからって
見上げてばかりじゃ首も疲れる
受け取れ ....
死んだかと思ったでんでん虫が
生きていて
家の壁に這っていた
脱皮したのか
少し大きくな ....
ある者が去り
ある者が来る
それは繰り返し 繰り返し
毎日必ず朝日が昇るよう ....
部屋の入り口に傘がかけてある
黒いのと水玉模様の傘
「晴れたから・・・・」
帰って ....
君は双眼鏡で見えるものだけに手を伸ばした
頭の芯が縺れ本のない図書館のように
視線と物体は空っぽ ....
*
音楽のような
音楽のために
虹のようにきえてゆく
せつないためいきである音楽は
わ ....
雨ばかり
雨計り
雨 ばか り
雨にぬれた自転車はかわいそう
首をまげて ....
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