真っ暗になってから風が吹いた。
窓を開けっ放しの部屋は
真珠みたいな香りがした
雲の隙間に消え ....
ウソの名前をください、神様。
恋とは、だぶだぶの子豚のフォーム。
後ろにこすり付けた前の輪廻 ....
卵を産もうとするシャケは身が白くなる。
まずまず白くなっても味は変わらないと思
うのだ ....
「 (数個「唖」焚くと)
梅を凛と振るうと 陽、あの葉も似通った
擦った熱と螺慰安ぐる 玩具達 ....
夜に
夜光虫の海で泳いだことがあります
そのとき
月が出ていたのかどうか
指先を ....
今日、お家へと帰る
その家路は細く、長く。
夕焼けを映していた水面は
今夏が来て、蓮で埋め ....
犬の知り合いはない
犬と密接に暮らした事もない
ワンの諸事情には疎いのだ
だから私の諸事情もわ ....
「なかみはなにでできているの?」
幼い子が私に聞く
着ぐるみに入っている私は
その問いに答 ....
夏のにおいが
いい
って言ったから
だからそうしたのに。
明日病気で好きな人が死ぬと知ったら
僕は何をしてあげるだろう
権力も財力もない僕は
そばに ....
アジにスルメに練り羊羹
酒か肴か北海道の膝枕
あっというまにお客さん
クリオネびっくり跳 ....
切り離したとたん
絡み付いた長い髪
くっついてた時よりはいくらか弱々しくなったね
....
久方の親の家にて
車を借りて
まだ新しいそれは気分がいい
エンジンの音
窓の開きかたも
カ ....
くだけちる
さくらのなかを
あるいていたよ
こごえた炎をかかえて いつも
ひらひらと 花 ....
僕は誰にも負けない特技を持っている
良い事ではないんだが
世界で一番と自負している
高校に ....
夢を見るロボット。
それは多分
緻密な、高度で繊細に作られた物体
休息と言うデフラ ....
もう9月になって
昨日を忘れたような雨が
じとじと降っているとゆうのに
どっこい
コウち ....
ありおりぞろりいまそかり
ありがたいのはきりぎりす
おっかないのとおとったん
そちらのそな ....
東京に行ってみたい
しかし
一人で東京どころか 上野にも行けない
南には 一人で行けな ....
野猿峠を下って
密林を切り開き
古びたドアを開け
喫茶ブラジリアに坐り
小田急線梅ヶ ....
ひとり入ったいつものスナックで
私は少し怒っている
はじめて会う客の唄声が耳につく
頼むからひ ....
Is this a pen?
No, it isn’t. This is a b ....
日だまりに
ねこいらず
ねずみいらずに
ハンバーグ
武器を持たない
ミズスマシ
....
僕は消耗品
コンビニでもらうお箸やストロー
街角で配られているポケットティッ ....
今日は雨
僕の肩は片方だけ濡れている
雨よけに収まりきれない看板のように
誰の目に ....
不具の男が夏の夜に向けて
煙草の煙を吐き出している
誰かと繋がりたいと強く願いながら
それと同 ....
曇天の午後に
無地のワイシャツが眩しくて
コウモリ傘がひらく
....
ずたずたに切り刻んだり、
くしゃくしゃに丸めたり、するわけでもなく
例えば、鼻をかんだティッシュ ....
こんなにも美しい街なのに
息苦しい
中世の甲冑に身を包んだ兵士たちの
巨大なブロンズ像の元を歩 ....
何もかけない
何もつくれない
何もできない
この自由の町で何をしたらいいのか
....
二十五年ほど前に 迷って手に取った この詩集は
町の 今はもうない本屋の棚の 高い場所にあった
....
カバーしている
とても上手に
カバーし続けている
世界は
眠る猫の薄いくちびるを
只管 ....
昔、親戚で夏休みに
「みきちゃんがおっぱいさわるのでいけん」と言われて
蚊帳で
あみあみの仏さ ....
台風一過、朝寝坊をひっぱって、眠りの水面から浮上、ざばっと目蓋を開いたら、
窓には洗いたての青空一 ....
遠くから見つめることも
一つの愛のカタチなのだと気付くまでに
すごくすごく時間がかかった ....
そのて そのほほ そのめ
おっているものを わたしは ながめていた
そのどこからも ....
彼は湖底の岩影で思索する。
湖は、九州がすっぽりはいるくらいの円形
水深500m、水温26度 ....
まず手前、そのぎりぎりに
ふちどるように ほしい
こぼれおちるまえの
なみだの ばしょ
....
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