[310]一番絞り[2004 09/24 14:57]★1
辺見庸 抗暴三部作(『永遠の不服従のために』『いま、抗暴のときに』『抵抗論』)
【読後架空批評座談会】3

(一) えーと、最後になりましたが、この三部作で辺見庸が問題としていた現在の文学状況ですね。コトバの在り様といいますか。こんな状況でコトバは可能性なのかというか。そのへんですが。

(辺) 辺見庸がこの本で描いて見せた、いまの国家世界の有り様てのはとてもグロテスクなイメージだよね。
外部に向かって毒針のようなものを伸ばし、さかんに小生物を攻撃して栄養を吸いとっている強固な殻があって、その中に、痛覚を麻痺された卵の黄身のように柔らかい液状の「健全なる」モノが、へその緒のように養分を
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