多様化する倫理観[453]
2005 05/13 03:36
佐々宝砂

ねむる前に少し。
>奥主さん
会員番号1657氏は、ヘンリー・ダーガーのことを知らないと思います。知ってたらああいう断言のしかたはしないでしょうし、例証にあげてくるでしょう。

あとまたひとりごとです。私が母に教わったことのうち、いちばん重要なだったのは、「母もまた間違えるし絶対ではない」ということであるような気がしてきました。人間は実によく間違えるのです。記憶違いはあるし、言い間違うし、欲望の対象を間違えるし、教育の仕方を間違えます。私もまた、間違うことの多い人間です。でも「間違えるかもしれない」ということを常に自覚していれば、多少は間違いを防げます。

私の母が教えてくれたことでもうひとつ重要なのは、想像と現実の峻別です。世の中にはできることとできないこと、やっていいことといけないことがあります。時代や地域によって、できることとできないこと、やっていいことといけないことはどんどん変化します。ここのスレタイトルは「多様化する倫理観」ですが、実際には逆であり、世界の倫理観はどんどん一様になってゆきつつある(西洋の倫理に統一されつつある)と思います。かつての世界には、レイプを楽しくていいこととした文化があったし、小児性愛を可とした文化もありました。なので、モラルはいちがいに言えないのですが、現実と想像は明らかに別物です。たかがイラストを見て怒り狂うひとは、果たして、現実と想像の違いを区別できているのでしょうか。私にはその点がかなり疑問です。そして、現実と想像を区別できないような人間に育てられなくてよかった、と二重の意味で思うのです。母も私も、ものごとをよく間違える欠点多い人間ではありますが、現実と想像を区別できないような人間ではありません。
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