しりとりの詩 2nd[444]
2008 12/04 05:02
mizu K

小龍包が明け方の青鈍の下を駆けぬけていったので
「冥土の飛脚」と勘違いした早朝のパン屋の主人は店先でぽっくりお亡くなりになったという

どこをどう見ても肉まんと飛脚では見間違いようもないが
民家の屋根を跳びうつる逆光の猫の姿を見てカラスであった/
と凝視したわたしのまなこはくるってしまったか
ああ今宵の月は幾重にもおぼろげて、げにをかし
と思っているとそれはたいてい乱視のためであった/
かもしれぬと思ってしまうこともあるのであながち見間違いでもないのかもしれない

近年では冥土もモダンになって
「冥土のランナー」が箱根とか彦根あたりをひ◯にゃんの着ぐるみを着て走っているらしいし
カンドーのタスキリレーをしながら全国津々浦々を走破する目論みのようで
それを見た人はひこ◯ゃんにめろめろになった後にやっぱりぽっくり逝くのであろうとのこと
なんともはた迷惑な話である

路地裏で寝不足の猫が珈琲をのみながらゆううつつなあくびをしている
スレッドへ