○現代詩フォーラム短歌部○[309]
2005 09/29 20:49
ピッピ

ド・レー

●痛々しいこいの跳ねたる水陰に映えるわたしと君みずしらず
うねうねしてるなあ。
鯉の跳ねる池の縁で芽生える恋、というのがなかなか想像し辛いかも。
恋と鯉、水と見ず知らずのかけ言葉はとても面白かったので、
本木さんとまったく逆ですが、これだったらもっとひらがなが多くても良かったかも。
#いたいたしいこいのはねたるみずかげにはえるわたしときみみずしらず(改作)

これだと情報が錯乱しすぎかもしれないけど。
(例えば「恋の羽」「鯉の羽」「影に生える私」など)


●咲いて散る街路樹の花かすめゆき追い越し車線きみがちかづく
なるほど。本木さんの説明で状況が分かった。
というのも、「きみがちかづく」というのが分かりづらかったんですね。
ピッピが最初に思ったのは、「わたし」と「きみ」は別の車に乗っていて、
追い越し車線で「きみ」が追い越してきたと思ったんです。
なるほど、車の中できみが近づいてきたのか。ふむふむ。
これは、歌の最初と最後でスピード感が違う、視点が大きく変化するのが気になります。
咲いている街路樹の花//かすめゆき追い越し車線きみがちかづく
この//の部分が変化点です。つまり、最初は道端に咲いている街路樹の花、
比較的静的な対象なのに対して、追い越し車線できみがちかづくという、
比較的スピーディー、気持ち的に盛り上がるような場面があるため違和感があります。
#切り裂いた夏の藍色かすめゆき追い越し車線きみがちかづく(改作)
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