01/31 17:40
佐々宝砂
さらに思い出したのでちょっとつけくわえ。
「供儀」または「人身御供」関連の話でもひとつ思い出すのは、マンガなのですけど『検証 四谷怪談・皿屋敷』(永久保貴一/朝日ソノラマ)。かなりいい本です。人身御供関連なのは、「四谷怪談」ではなく「皿屋敷」のほう。非常に綿密な調査と、折口信夫がちょこっと漏らしたという「皿屋敷のお菊さんはククリヒメと関連がある」という言葉などをヒントに結論される「人身御供」としての「くくられた女」説は、ちょっと他では味わえない面白さを持ってると思います。永久保は『カルラ舞う!』など民俗学っぽいファンタジーマンガを代表作とするマンガ家で、そうした創作マンガ自体も、かなり詳しい調査に基づいて描かれています。だいたいその手のものを描く人は、水木しげる御大からしてすごく調べまくるひとばかりです。京極夏彦がいろいろ調べまくってるのはご承知でしょうが、今市子あたりもかなり調べまくってるタイプのマンガ家ではないかな?などと『百鬼夜行抄』を読むと思います。
詩人も、もしかして、そのくらい綿密に何かを調べて書いたほうがいいのかもしれません。といきなり反省するわたくしでした。