2007 01/08 16:46
ふるる
昨日は美術館に行って来ました。
マチスの「ジャズ」というマチス直筆テキストつき切り絵画集の絵が展示してあって、テキストはマチスおじいちゃんから若き芸術家への進言が色々と。
「名声の囚人・固定したスタイルの囚人であってはいかん」とか「謙虚に謙虚に」というようなことが訳に書いてありました。「昔の偉大な日本の芸術家は名前を何度もかえたそうだが、彼らは自由でありたかったのだ」とも。偉大な芸術家って誰?写楽とかかな?
あ、あと、「新しい絵は、比類ないもの、ひとつの誕生でなくてはならない。それは人間の精神を通して表現する中に新しい形をもたらす。」
というのもあって、絵のところを詩や歌にかえてもいいし、私はせっかく出すなら、新しい価値観や新しい表現のしかたってものをみんなに知らせたり、広めたりというのが面白いじゃんと言う風に解釈したのですが、そういう詩が書けたら、読めたら面白いじゃんと思いますた。
そして話は変わりますが、
マチスはそのでかい字のテキスト(大きいんです)を画集に入れた理由について、「色彩の型紙(を一番よく見せるため)の間隔として」「それらの役割は純粋に目に訴えかけることだ」と言っています。テキストは詩じゃないかもしれないけど、絵画の中の視覚詩(文字)の幸せな形がここにあると思ったのです。
文字も、絵も、二人一緒で幸せだねっ!と。マチスはこの頃病気で絵筆がもてなかったとは言え、達筆ですしね。
その展覧会ではピカソやシャガールなんかの挿絵の仕事も展示してあったのですが、彼らはテキストを読まないで挿絵描いたり、テキストにはない動物を描いてみたり、好きにやってます。
でも、そういう方が「ん?この絵は文と関係あるの?ないの?」「この動物は何?」となって、飾り的に絵があるよりよっぽどテキストに立ち返らせる力がある。もちろん絵も素敵じゃないとだめですが。
何かの作品で、そういうどっかひっかかる部分、「ん?」っていうのが「ちょっ・・・意義あり!」じゃなくて「ん?なになに?」という感じで楽しかったらいいんだなと。
うらわ美術館「ピカソ、マティス、シャガール・・・巨匠が彩る物語」展
http://www.uam.urawa.saitama.jp/