雑談スレッド6軒目[444]
2005 11/15 21:42
「ま」の字

 私は高校で「倫理」なる教科を教えています。そこでは宗教も教えており、ざっと挙げてみて、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教・仏教・儒教(儒教の宗教的側面は触れてないけど一応)というところですか。キリスト教は中世のにもちょっと触れ、仏教はさすがに日本に縁が深いせいか、インドの大乗仏教から鎌倉仏教あたりまで行きます。ただ、死生観というものに触れる内容は少ないですかね。
 教科書からはハブかれ気味だけれども、カントの認識論における「人間側が持つ悟性の構成力」は、「詩における読者側の“受け取る力”“想像する力”の重要性」ってハナシに援用できるのじゃないかと思うし、現象学の考える「対象物がどのようなものであるか、ということについて、唯一無二の“真の意味”があるわけではなく、象をなぞる群盲たちがそれぞれ感じた“意味”を持ち寄って対象の意味というより共通認識がぼんやりと形成されるに過ぎない(ちょっと大雑把過ぎる把握ですが、カンベン)」などというハナシは、このフォーラムでの「作者がどう」「あんたの決め付けがどう」というループされる論議には、大変有意義だと思ったりする。 というより、倫理という科目は先人の知恵の塊なのだからどこを取っても有意義なのだけれど。

 問題は教える人の方が、思想や哲学に興味を持てなかったり、身の回りのことや社会の事象にひきつけて語れなかったりする事です(それでも昔より「倫理」をうまく教える人が増えてきた感じはしますが)。オンライン書き失礼。
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