詩と散文を作る手段全般についての情報と意見交換 part2+α[161]
2013 07/24 13:22
……とある蛙

うんとMEMO

文学と言語機能1

言語とは何かという問いに対して
その機能面から考察すると、

 まず、言語は事実や思想の表現・伝達の手段であると定義づけうる。
 しかしながら、言語は伝えるべき情報の伝達手段、媒体の機能を持っているだけではない。

それ以上のナニカである。
そのナニカとは言語自体に内在する創造的意味作用の可能性
          →美的あるいは詩的な機能とでも呼べるものがある。
言語が、伝達手段つまり客体ではなく、言語それ自体が主体となる機能も担っている。

(メモ)

1文学作品の記号性
 ?文学は言語を素材とする→絵画や彫刻とは異なる
  (言語活動の一タイプといえる)
 ?人生に対する指針を与えるもの→文学固有のものではない。
  キすぐれた文学作品
   →哲学や倫理学とは異なる 
 ?内容は文学性とは無関係である。
  WhatではなくHow である
 結論→ものに対する新しい見方を提供するもの

2 文学作品の構造
  ?特定の語の結び付き→階層性→構造体
  ?韻律 頭韻 脚韻 パターン構造
  ?起承転結  意味的パターン構造
  ?Ex 太郎を眠らせ…雪降りつむ
    次郎を眠らせ…雪降りつむ
     三好達治の有名な詩から(笑)
  構造の平行性→無限の繰返しの暗示

3 記述的アプローチ
 ?言葉は必ずしも一義的ではなく、その点単純な記号とは異なる。
  同じことを言うのにいろいろな表現の仕方が出来る。
 ?表現上の選択の結果としての文体→
  言葉の選択の結果「ふつう」からずれた選択も可能
  ※「ふつう」からずれるとは意味の範囲の拡張というより
 ?言葉の使われ方の視点のズレではないかと考える
 ?詩で使われる言葉>日常で使われる言葉
  ずれても許される詩の言葉

4 機能的アプローチ
?感情的意味の表現が可能
 ?一つは音韻リズムなど繰り返しによって感情を喚起させる
 ?一つは表現が主として用いられる環境を連想させる。Ex方言、専門用語
 ?内包的記号性→共通認識として→隠喩 

詩学と文化記号論  池上嘉彦著  ちくま書房
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