2008 07/21 22:23
松岡宮
ぽえむろぜった。
下で第5号の宣伝があるなかで悪いのですが、第4号の感想を書きます(入手したのが先週のポエケットだったんです)。特集は「詩と顔」。
なんというか、すごく尖った、というか、あらがうような、激しさ、すべての作者さんからその激しい「あらがい」が感じられました。負のパワーというと言葉が悪いのかな、すごい、みんな、いきいきと、怒っている。
★花の名前をおぼえようとする/角田寿星(Canopus)
たあくんと父親の、根底にわずかな絶望のようなものを感じさせつつも、あたたかな雰囲気の詩。以下の2行は愛情がこもっていて、なんか泣けます・・・。
>たあくんがバターになった時の対処法だが
>実はきちんと考えてあるので心配いらない
なんて、ここだけ抜き出しても伝わらないかも・・・・全体を読まないとわからないですよね。
★顔 三部作/リーフレイン
雰囲気のある散文詩。
母の三面鏡のまえで、秘密の儀式を行う少女。
誰もが(わたしですら)経験のある、うしろめたい愉しみ。
田舎のおじいちゃんの家に行ったときの、なんともいえない、言葉にしない秘密があふれている雰囲気を思い出しました。
★人の顔/森川雅美
>人は四十を過ぎたら顔に責任を持てといって
>いた人のいまは痴呆の自分の顔も分からずに
(中略)
>遠い意識の果ての一粒の針の落下を
>手の内の握るための速度と交換し
>私もまたつまづくひとつの石だから
>誰かとともにさらされる小さな息であり続け
言葉づかいがすごい気持ちのいい詩で、ついたくさん引用してしまった。
流れるような単語づかい。深い言葉たち。いい詩だなあ・・・。
★ビストルー・ザ・フラワーフィールド・ウィズ・スカルス・インディファレント/今唯ケンタロウ
ビジュアル詩というのでしょうか、言葉の配置、お花にっこり、波にも「お顔」、夢があってかわいらしい・・・・。最後に何も「さよなら」しなくてもいいんじゃないのかしら(笑)ずっとこのお花畑にいたいと思いました、活字の降る草原。
川本真琴、という固有名詞はちょっと世代のずれているわたしにはよくわかりませんでした。
★タイバン/蛾兆ボルカ
母猫が胎盤を食べるのをみたことがあります!だからというわけでもありませんが、こんなお父さんいたら素敵だなと思う詩でした。愛を感じます。
オスネコは食べないかもしれませんが・・・。
松岡宮