2008 05/15 23:11
松岡宮
なんかこのスレッド、わたしばっかり書いてますね、ごめんなさい。
hotel第2章No.19が届きました。わたしのようにあまり詩にくわしくなさげなところにも新刊をお送りいただきありがとうございます。
そんなにきちんと読んだわけじゃないのですが、思ったことがあったので書いてみることにしました。
☆海埜今日子
<<耳塔>> 塔、2000年
>あのひとはどきどきするほどあたしたちをはがし、てんとうさせ、
>かんじょうをもしったそぶりで、まずは手を、だいちのこんせきに
>むけてのようにおいたのだった(中略)
>しんどう、はめつのきおくをも、ぶうんぶうん、さそうようにして、
>いや、ひとびとのだれをもふきすさんで、まもうした壁のすんぜんで、
>じかんがひびく、ふるえる星をたぶんおぼえていたのだ、あの
>うごめき、あのうねりは。
ここには他者が、肉体レベルで他者がいるんだなという感じを受け、
そして、なぜだか、この詩世界を、遠い世界のように感じてしまいました。
遠いというのは、少なくともわたしには「ない」のかもしれない、
この感覚がないのかもしれない
そんな感覚です。
>かんたい、ぞうお、あるいはむかんしんめいて
>はえとりてーぷみたい、ねんちゃくさせ、えじきをかこみ
うまくいえませんが、わたしより年齢がうえの、女性詩人といわれるひとの作品について、伊藤比呂美さんとかも、面白い面白いと思ったりする一方で、よくわからないようなときも多くあります。
それは読解力もあるのですが、やっぱりそういう世界に対する感受性というか感覚がないんだなと実感しました。それが自分のなかではすごい発見でした。
いつか身につくかしら・・。
好きな詩人のひとり、柴田千晶さんの「派遣OL東京漂流」もなかなか面白かったです。
>枇杷囲む みな子をもたぬ 派遣社員
ほかの歌も、すごい面白かった!・・・のですが、社員経験のないわたしには、その本当のところでの理解が、これもやっぱりわかってないのかな・・・という感想も持ちました。わたしは仕事が苦しいとすぐ辞めちゃうし。すみません、やっぱりわかってなさそう。でも面白かった。
片野晃司
「ミカノハラミテ」
>その朝、薄明のなかで落ちていく家を見ました。わたしたちはばら
>ばらになり、白く燃えながら墜落していく家を、わたしたちは窓か
>ら見ていました。
・・で始まる詩、中国の地震の映像があふれる今、何かリアルなものとして
迫ってきました。
>あのひとの指の感覚を覚えたものたち、スイッチ、取っ手、パソコン、
>ケーブル、それらがどろどろに溶けてドアのすきまから廊下のほうに流れ
ああ、この壊れ感。
日常なんて磐石なものではない、そう実感するだけでも、かえって
自分の肉体をしっかりと感じなおすことが出来そうです。
とりとめありませんが、このへんで。
※散文詩の改行などは適当にかえました、すみません。