2008 04/19 01:09
松岡宮
上手宰さんより「冊 36号」が届きました。思えば2002年ごろからのお知り合いなんですよね。
この同人誌は派手じゃないですが、わかりやすい詩が多いです。少しコメントを・・・。
「こえ/近藤紀久子」より
>きのう抱きしめ屋の夢をみた
>お客は抱きしめ屋に行って
>気に入った者をえらび
>三十分三千円で
>抱きしめてもらい
>愚痴をいったり甘えたり泣いたりする
>抱きしめ屋にゆるされたことばは
>うん と そう だけで
>ほかのことは言ってはならない
そういえば、今週くらいの週刊モーニングでも、添い寝屋みたいな話がありましたね(うろ覚え)。性の介在のない、というか、性の介在がないかのように触れ合う、そんな関係がほしいのは、わたしも共感します。できれば
淡雪のように消えてしまえる関係を・・・。
「永遠の帰郷のためのフーガ/葛巻真希雄」より
>その道を奥多摩駅から二十分くらい辿った所の杉林を拓いた急激な斜面に家を建てて
>父が隠遁生活を始めてからもうだいぶ経つが私がそこを訪れるのは数年に一度
(中略)
>永遠の帰郷はあるだろうか
>父も家も喪ってなおただその行為のみが在るような
>永遠の帰郷は
この詩は奥多摩の情景や青梅線の風景がミッチリと描かれていて、しかも一行が長く、うっそうとした森のようなフォルムの詩でした。隠遁する父の孤独がその文字の多さから伝わってくるようです。
父の孤独・・・私にとっても関心のあるテーマです。この詩の続き、一年後、三年後・・・もぜひ読みたいと思いました。
松岡宮