生贄合評スレ[391]
2016 05/11 11:42
るるりら

梓ゆいさんが このコーナーに批評を依頼させた作品の中で、もっとも 素晴らしい作品であると思います。私は この作品が好きです。できることなら、もっと多くの方に この作品の批評を書いていただきたいです。なのでスレッドのアドレスを 作品の置かれているスレッドに 貼り付けていただきたいなあと、おもいます。

私には、欠点が あまり見つからないのです。しかし、ここの板に投稿させたからには きっと 欠点の指摘も期待しておられるに違いないと
目を皿のようにして弱点を捜してみます。わたしが見つけた点は一点のみです。

冒頭の箇所の表現が疑問でした。
>都心へと続く田んぼの中の線路。

線路という体言止めで一行目を終了させると
線路にフォーカスのピントがあってしまいます。
それよりも たとえばの話ですが、
?田んぼの中の線路は 都心へと続いている
というように 遠景を描いたほうが良いと感じました。


ねまるさんの御批評から思ったことが、二点あります。

一、苗の中
>汗を拭いて腰を曲げながら
>苗の中に身体を沈めると
>小さな身体がより小さく見えるのだ。

ねまるさんには 苗の中という状況が想像しにくかったとのことなので、私の想像を書かせていただきます。
わたしは数年前に、ある村の村おこしイベントで 早乙女の役をやらせていただいたことがあるのと、子どもの頃に田んぼが身近にあったこと経験からですが、水田に苗を植えたすぐは 水田自体に植えられた苗は まだ ひょろひょろとしており、ぜんぜん身体が苗で隠れることは無いと 思われます。
ただ、水田に植える前段階で お百姓さんは苗床で苗を育て、それを水田の近くの畔などに苗を運んでからそのあとで 苗を水田に植えます。苗床で作業するときや、昼食をとるときは畔の近くに座ることとなり すると、水田の片隅にまとめて置かれているであろう たくさんの苗で、身体が隠れるはずです。

二、「」の有る無し。
>父が立ち上がり遠くを見ながら
>今年もよろしくお願いいたします。と言ったので
>一口分のおにぎりを食べながら
>私もよろしくお願いいたします。と
>手を合わせた。

5連の「いただきます。」と
7連、閉じないセリフである⇔ よろしくお願いいたします。は、なにかしらが違うのでしようねぇ。
一連目でいきなり 

>父がおにぎりを頬張った。
とありしかも おにぎりの中身まで 一連目で解ります。
> 梅・おかか・こんぶ。
 
読者としては、いきなり、すごく美味しそうなおにぎりの中身が知らさせた後で、「いただきます」という声を知らされる。

これは、たぶん 話者の脳内で 話者がおにぎりを食べている間も それから食べ終わったあとも、父の音声が再生されているということではないかと、私は感じました。

「いただきます。」は、たぶん前年とかの収穫への田んぼが産みだした結果を、貰う 挨拶で 見えている事柄に挨拶しているけれど、
よろしくお願いいたします。は、未来への挨拶で 見えない事柄に声をかけている。その違いによる表記のようにも 私には 思えて、おもしろいなあと 味わっているところです。

最後の連も さわやかで 心地よく 妹さんたちのように 寝てしまいたい。批評なんかしたくないと思いました。そんなかんだで、私は いままで拝読した梓ゆいさんの作品の中で 本作品が
もっとも好きです。良い詩が拝読でき 幸せです。
ぜひ、もっと多くの方に この詩が目にとまることを祈っています。
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