2016 05/11 11:42
るるりら
梓ゆいさんが このコーナーに批評を依頼させた作品の中で、もっとも 素晴らしい作品であると思います。私は この作品が好きです。できることなら、もっと多くの方に この作品の批評を書いていただきたいです。なのでスレッドのアドレスを 作品の置かれているスレッドに 貼り付けていただきたいなあと、おもいます。 
私には、欠点が あまり見つからないのです。しかし、ここの板に投稿させたからには きっと 欠点の指摘も期待しておられるに違いないと 
目を皿のようにして弱点を捜してみます。わたしが見つけた点は一点のみです。 
冒頭の箇所の表現が疑問でした。 
>都心へと続く田んぼの中の線路。 
線路という体言止めで一行目を終了させると 
線路にフォーカスのピントがあってしまいます。 
それよりも たとえばの話ですが、 
?田んぼの中の線路は 都心へと続いている 
というように 遠景を描いたほうが良いと感じました。 
ねまるさんの御批評から思ったことが、二点あります。 
一、苗の中 
>汗を拭いて腰を曲げながら 
>苗の中に身体を沈めると 
>小さな身体がより小さく見えるのだ。 
ねまるさんには 苗の中という状況が想像しにくかったとのことなので、私の想像を書かせていただきます。 
わたしは数年前に、ある村の村おこしイベントで 早乙女の役をやらせていただいたことがあるのと、子どもの頃に田んぼが身近にあったこと経験からですが、水田に苗を植えたすぐは 水田自体に植えられた苗は まだ ひょろひょろとしており、ぜんぜん身体が苗で隠れることは無いと 思われます。 
ただ、水田に植える前段階で お百姓さんは苗床で苗を育て、それを水田の近くの畔などに苗を運んでからそのあとで 苗を水田に植えます。苗床で作業するときや、昼食をとるときは畔の近くに座ることとなり すると、水田の片隅にまとめて置かれているであろう たくさんの苗で、身体が隠れるはずです。 
二、「」の有る無し。 
>父が立ち上がり遠くを見ながら 
>今年もよろしくお願いいたします。と言ったので 
>一口分のおにぎりを食べながら 
>私もよろしくお願いいたします。と 
>手を合わせた。 
5連の「いただきます。」と 
7連、閉じないセリフである⇔ よろしくお願いいたします。は、なにかしらが違うのでしようねぇ。 
一連目でいきなり  
>父がおにぎりを頬張った。 
とありしかも おにぎりの中身まで 一連目で解ります。 
> 梅・おかか・こんぶ。 
  
読者としては、いきなり、すごく美味しそうなおにぎりの中身が知らさせた後で、「いただきます」という声を知らされる。 
これは、たぶん 話者の脳内で 話者がおにぎりを食べている間も それから食べ終わったあとも、父の音声が再生されているということではないかと、私は感じました。 
「いただきます。」は、たぶん前年とかの収穫への田んぼが産みだした結果を、貰う 挨拶で 見えている事柄に挨拶しているけれど、 
よろしくお願いいたします。は、未来への挨拶で 見えない事柄に声をかけている。その違いによる表記のようにも 私には 思えて、おもしろいなあと 味わっているところです。 
最後の連も さわやかで 心地よく 妹さんたちのように 寝てしまいたい。批評なんかしたくないと思いました。そんなかんだで、私は いままで拝読した梓ゆいさんの作品の中で 本作品が 
もっとも好きです。良い詩が拝読でき 幸せです。 
ぜひ、もっと多くの方に この詩が目にとまることを祈っています。