RT会議室突発連詩ログ保管庫[8]
2004 12/27 21:50
ワタナベ

をとか わたなべ

小春日和
水道の蛇口をひねる動作を思い出している
屋内
たたみが乾いている
桜色の絵の具が薄まり
幻想のような
小春日和
桜色というのは元来
灰みがかっているもの と
幻はいつも知っている質感の容器に入れ
プラスチックス
風の当たらない部屋を探している

扉をノックする 音

静謐な部屋に
風は死んでいる
しん と 息をする 降る 降る
見える屋外には 白く乾いた水庭
さかなたちのいた風情 に 小さく 春
降るものはうすべに

水庭に裸足で ひび割れた土
それから 小さく 春

水の音を思い出す
順に 滴りから順に 落ちて 順に
てのひらからかかとまで しみて にじむ
さくらのいろが 地面に落ちて
にじむ
足元に落ちた日差し 小春日和
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