RT会議室突発連詩ログ保管庫[74]
2005 08/12 20:56
ヤギ

流れ星降りまくる夜に
一行ずつ
ヤギ→銀猫→ベンジャミン→凪良 紅

「銀の魚降った夜」


真っ黒い海 ボートに乗って
黒のほかに行き着く色を探してた
見上げれば もう一つの海に
たくさんの小さな魚が見えた
「星にお願いしに来た」なんて僕が言ったら君はなんてこたえるだろう
ひとつでももらって来てだなんてロマンチストを気取るかい?
ほら 静かにまたたく夢のかけらを通りすがりの銀の魚がつついているよ
きみはさぞかし悔しがるんだろうね
星空に一番近いのは夜の海だと思う
今夜ここに降るという流星群は僕を見つけてくれるだろうか
こんなにも広い世界に小さな僕は点にもなれないけれど
ああほら 今またたく星が
すっかり燃え尽きてしまうのを
銀の魚と見送って
すっと追いかける視線 その白い線を瞳に焼きつけて何かを願うとき
君の姿を思い出すのは気のせいだろうか
僕らを流しさるこのサヨウナラの海の上で
掴みそこねた星の欠片が波にゆらゆら滲んで見える
あまたの星の曲線が僕らを結ぶ架け橋となってくれないかと見上げれば
魚たちが にやり と笑った気がした
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