RT会議室突発連詩ログ保管庫[73]
2005 08/12 14:49
田代深子

8月12日 昼下がり
ベンジャミン・銀猫・田代



  トウモロコシ


きちんと並んで食べられるのを待っている
つぶつぶつぶとつぶやく声はちいさくても
きらりとひかるその肌に
したたる琥珀のしずくが
悲鳴もあげずに映す食欲
つぶつぶ並び待っているいっそいっそ早く
くるったように噛みついてやわらかい肌に
焼きつく熱と薫りはなんども回帰する夏に
歯をたてて刺激する情熱
むしゃぶる音は獣らしく
そしてすすりあげよう一滴もこぼさない
弾けた実からほとばしる汁と思い出の日々
それら全てを唇でなぞり
とじた瞼に透ける記憶の熱をたどる ああ
ブロンドを惜しげなく切り捨てたその身の熱情を
ぜんぶ並べて ぜんぶ食べてしまえばいい
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