RT会議室突発連詩ログ保管庫[124]
2006 08/23 03:14
千波 一也

’06.8.23 午前三時

◆水無月一也→狗檻喚紅の順です。(敬称略)
◆一人一行ずつ、の 五巡。
◆終了後に微修正。



「熱帯夜の手帳」

熟練の手つきに足りないものの名は未だ見えない
篠突く雨の中に佇む滲んだインクはもう消えない
湖面に映る満月は永遠の溶解の停止を遊ぶ

この夜の所有者を問うために裸電球は落ちる
夜風が濡れ始めている理由の、それは尾のさわり

冴えない手つきでなおも濡れてしまう青ボタン
寒い、と囁かれれば つい触れてしまう涙の色
怖い、と顰めるのは いつ溶けてしまうグラスか

栞が独り、乾いた音を告げている
熱帯夜は手帳に刻むことなどもう無いと
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