RT会議室突発連詩ログ保管庫[125]
2006 09/17 00:34
いとう
06.9.17 一行ずつ いとう→ベンジャミン
境界線
小鳥は空を飛ばずに
戻れる場所を探すことはできない
惜しげもない雨の線の
たどれるものはわずかしか残されていないことを
小鳥は知らない、ふりをして空を
そしてまた、ある光景の中にあるものを
夜の長さを知る者は夜に生きる
気配だけを頼りに生きるものは静かに
そして仰ぎ見る空には星の名残り
満天の空白を埋めるすべての闇に向かい
小鳥は飛ばず、うつむく
そして
街灯と闇の境界を肌に刻み
今確かに存在することへの不安に怯える
空白は、満ちている
見つめればいい
夜はそこにない