2005 03/07 03:57
ワタナbシンゴ
スペインの哲学者オルテガが、いまから70年ほど前にこんなことを言ってるよ。
文明はなによりもまず、共同生活への意志である。他人を考慮に入れなければ入れないほど、非文明的で野蛮である。野蛮とは、分解への傾向である。だからこそ、あらゆる野蛮な時代は、人間が分散する時代であり、たいがいに分散し敵意を持つ小集団がはびこる時代である。
(中略)
自由主義は(略)最高に寛大な制度である。なぜならば、それは多数派が少数派に、認める権利だからであり、だからこそ、地球上にこだましたもっとも高貴な叫びである。それは、敵と、それどころか、弱い敵と共存する決意を宣言する。敵とともに生きる!反対者とともに統治する!
(オルテガ=イ=ガセー 『大衆の反逆』 寺田和夫訳より)
他者のなかには、「愉快な隣人」だけじゃなくて、「不快な隣人たち」を含むから(国民国家なんて小さな枠の話じゃなくて、他者として考えるとき)、自分の快適さだけで物事を図るわけにはいかない難しさよ。でもこの「不快な隣人」たちとも付き合っていかなけりゃいけないのが「市民」(国民じゃなくてね)としての前提条件。だったら「自分の意見に同意してくれない人とも私たちは共生していかなけりゃならない」ってことは合意して、話をできたらいいね。世の中愉快なことより、不快なことのほうが多いのは、ある程度の社会経験を経ていればわかることなのだから、何もこれ以上不快なことを論うことでは、どこにも行き着かないと思うんだ。