ニューススレ[698]
2004 10/03 19:16
一番絞り

イチローが数十年ぶりの大リーグの記録を塗り替えたといって号外を出して騒いでいる米国市民と日本国国民。そりゃ結構だが、同じ日の前後に米軍は連続して数百名のイラク人を空から空襲、殺戮し、体制べったりのマスコミさえ、犠牲者の半数は女性、子供、老人などの逃げることの苦手な一般市民だったと報じていた。
こういうめちゃくちゃな虐殺を日米連携でやっているさなかの、たかが野球の記録、それはイチローにしてみればすばらしいことではあるが、マスコミさんが号外まで出すのなら忘れてはいけないことがもっとほかにあるだろうとつくづく思う。
もちろん人間なんてそんなことばかり一時間も考えていては気が滅入るだけのものだが、たまに起こっていることではなく、このところ毎日のように起こっているのだ。
しかもそれは日米連携で行われているといってもよい。
このところ国際的な規模で数年ものあいだ執拗に行われていることは、非常に単純なことで、弱いものを強いものが徹底的に叩くという生物界の原理原則の敷衍にほかならない。
こういう石器時代・前近代の虐殺がキリストに祈りを捧げた上で平然と行われているのに、だれも国家に対しても宗教に対しても疑義を呈する叫び声を上げない。
阪神大震災のときもそうだったが、被災に遭った人たちは半狂乱にならずに、ただ、呆然と静かに立ちすくんでいたことを思い出す。
ぼくは震災のときに大阪の甲子園口から神戸の三宮まで歩いた。三宮に到着するころには日が暮れ、ぼくの右足親指の爪は内出血し、ふくらはぎが腫れて歩けなくなった。(翌日、右足親指の爪は、はがれた)。その道行きはまさに地獄だった。神戸は火災だったがその道行きは押しつぶされたビルやマンションが延々と連なり、中に夫や妻や子供が閉じ込められているひとが「中に妻がいます」「子供がいます」と書いた張り紙を歪んだ鉄骨に張って、呆然と道ばたにたたずんでいた。そこを何千人という人が黙々と通り過ぎていった。人間はあまりひどい状況に直面すると、何もいえないし、考えられず、思考が停止するのだ。
現代がそうではないかと思われる。
たとえばお金ひとつとっても物凄いことになっているのにだれも何も言わない。
三十数年前に各国の紙幣は「金goold」のくびきを解かれ、中央銀行や財務当局の判断で自由につくれるようになった。その結果、世界中のお金は膨大な額に膨らみ、現在は8000兆円!あるという。
仮にこれが本当だとすると、この8000兆円に5%の利息や配当をつけるには、事務費や手数料がゼロと仮定しても毎年400兆円の余禄が必要だ。
世界のGDPをざっくり6000兆円とすると、見方にもよるが毎年2%弱成長しているとして
世界人口は20世紀末だと年間9000万人(1.5%)いまは年7000万(人(1.2%)づつ増加しているから
世界GDP6000兆円が2%成長してもUP額は120兆、それは8000兆円の金利5%を支払うことができない。そうなれば、金利を下げ(例えば3%に下げても、まだ240兆が毎年移転する)てもなかなか追いつかない。
例えば貧富の差を考えれば、
貧富の差は拡大を続ける。そして人口は、貧しい地域で増加が大きいから、その拡大はますます加速する...。

いったい何がいいたいのかというと、現代詩、いや現代史はまさに、本当の意味での「階級闘争」の時代に直面しつつあるじゃないか。
イラクやチベット、アフガン、アフリカ諸国はさらに過酷な収奪や虐殺の対象になるでしょうし、日本は日本で貧富の差はものすごい勢いで広がるでしょう。
本来、これからがマルクスの出番だったのに、アホがいじくりまわすからマルクスは終わってしまっている。
たとえばカントのような観念論哲学。こういうものは知的好奇心を満足させるものではあるが、虐殺や殺戮の根源にある国家と宗教の無化という
人類の知性の最終的な目標には直接関与しない。
坂本竜馬がいくら英雄だといっても、しょせん小さい小さい。ほんとうの英雄、知性の冒険というのは、国家と宗教の無化に挑む人だ。
ほとんど孤立無援を覚悟しなければならない知性の永遠のそして最後のほんとうの戦いの現場なのだが、正直、数えるほどのひとしかこの戦線には参列していない。
詩人でいえば、知る限りほぼ皆無だ。
どこぞの吉増とかいうお方は皇居にて勲章まで陛下から受け取っている。
ま、吉増などどうでもいいが、現代の状況、
こういうことをまったく世間に知らしめないで、のほほ〜んとイチローに頭を占領させて一時的に悲観的な未来を忘れたいのか、忘れさせたいのか...
わしにはようわからんが、とにかくいずれ日本人の生活、文化、政治における状況がこんな思考態度ではひどい結果になることは、(断言する)間違いない。
スレッドへ