終わりに願いを
AKiHiCo

いつの間にかキミが心から消えそうになっていたので
輪郭を鉛筆でなぞって練りゴムで影をつけました
光が差し込んでいる風景が描きたくて
キミがあの時ずっと居た処に灯りはなかったけれどね

愛しています
言葉にすればする程に意味を失ってゆく
疑いが纏わりついてくるのです
だから僕は声にはいたしません
手を繋いでいれば判るものです
やっぱりキミは、

夕方だったか風が止んで
公園で独りきりキミを待っていました
髪が靡く度に心の中で自分に純白ドレスを着せて
悲劇の主人公を気取っていました
キミは来ないきっと来る
迎えにきっと来てくれると信じさせていて

もう虚空にはセルロイドで誰かが掲げた月の
寂しさを映さないで下さい
放った悲しみを受け止めるはいつかのキミ
そうであっていて


自由詩 終わりに願いを Copyright AKiHiCo 2007-01-04 23:18:06
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