ゆきおんな
千波 一也


優しさの
定義の途中で
悲しい君を抱き締めた

何度も何度も
抱き締めた


 放熱温度は数千
 おそらく加護には不向きな温度

 僕は何もかもの途中だった


汗をにじませていたのは
快楽のつめたさ
いまなら、
わかる

気づかれないよう震える僕に
あの日の君が溶けてゆく


 どんなに
 真っ白な雪が降ったとしても
 あたらしいものとは思えない
 ふるいもの、とも
 呼べないだろう

 あれからながく
 いまから、
 ずっと


たたずむ木立はさながら炎

動き続けてゆく真冬に
どこまで吐息は痛むだろうか





自由詩 ゆきおんな Copyright 千波 一也 2007-01-04 16:14:35
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