海辺の二処女
ミゼット

よくにたるめら

たぶん むかし 

いっついの けものだった

ほら おぼえている

とぐちのうえの どうのそれ

あるひ てのなか

ぽきりとおれた

ふれてみたかった それだけのこと


けもののつぎは にれのきだった

おなじきの えだ となりあうそれ

あるとし あめのひ

くさって おちた

あらしはたえた けれど くさった

そのひのさいごを おぼえている

かさなりあって じめんにおちた

はじめてみたそら ないだくも


つぎは ちいさなくもだった

ほそい てあしを ひらいておどった

はっぽんのあしで あみをはった

うつくしい あさ れーすのす

そのなか ふたりで いたときに

こんどの あたまは ちいさすぎた

おなかがすいた おたがい たべた


わすれられない すこしまえ

たべてしまったから ひとつになった

あたまがふたつ ひとつのこどう

あなたは だあれ わたしは あなた

いつでも かおを ちかづけて

しらないことばで ふたり はなした


めをさますと にたるめは

むかいの ふとんのなかにいて

よあけの よわい ひかりをあびて

こんなにも うつくしく 

うつくしく こきゅうをしているのでした



自由詩 海辺の二処女 Copyright ミゼット 2007-01-02 19:16:01
notebook Home 戻る